『やったもん勝ちの世界、シリコンバレー。国内だけで満足するか、挑戦して世界を目指すか』btrax CEO Brandon Hillへのインタビュー





ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、今年9月、11月に第7回JapanNightを開催するbtrax CEO, Brandon K Hill氏にインタビューを行った。JapanNightとは、日本のスタートアップが東京とサンフランシスコでピッチを行い、シリコンバレーのVCや投資家から資金調達など、世界進出への一歩を後押しするイベントである。JapanNight は現在参加チーム募集中とのこと。

日本の品質の良いスタートアップが世界で挑戦せずに、国内で留まっている必要はない


Q、そもそもJapanNightとはどういったイベントですか?

サンフランシスコで、日本のスタートアップ6チームが地元オーディエンスに向けて、自社のプロダクトやサービスをプレゼンするイベントです。2010年の第1回から数えると、次で7回目になりました。そして3回目からは日本での予選会も行うようになって、回を重ねるごとに規模が大きくなっています。今では、日本での予選会に15社、そこで勝ち残った6社がサンフランシスコの決勝に進むシステムを採っています。


Q、JapanNightを始めたきっかけを教えてください。
サンフランシスコでデザイン会社をやっていると、様々なスタートアップ関係の人たちと会う機会が頻繁にあります。そんな中でだんだんとスタートアップコミュニティと交遊関係が出来てきて、気づいたらスタートアップのピッチイベントに頻繁に見に行ってたんです。そんなあるとき、フランスのスタートアップがプレゼンしているイベントがあって。もし日本のスタートアップがここでプレゼンしたら面白いかもって思いついた事がきっかけです。そんなふとしたアイディアがきっかけでとりあえず第一回JapanNightを開催したんです。


Q、JapanNightの目的は何ですか?
日本で頑張っているスタートアップって、実はサンフランシスコのスタートアップと同じくらい労力が必要なんです。それなのに、日本のプロダクト、サービスを日本国外の人々に知ってもらう機会が少ないんです。せっかく良いものを作っても海外の人に知られずらい。日本の品質の良い、世界で戦えるプロダクト、サービスを世界の人に知ってもらいたい。そんなきっかけを作りたくて、JapanNightを毎年開催しています。


Q、これまでの実績や成果などありましたら、教えてください。
日本のスタートアップって実はとても素晴らしくて、毎回多くのスタートアップが実績、成果を残しています。例えば、第1回目出場のGengoは、順調にシリコンバレーで活躍していて、計1200万ドルの資金調達を成功させています。第2回目のChatWorkも社長自らシリコンバレーに来て、世界展開を加速させていますし。最近だと前回大会に出場したRingという企業があるんですが、Kickstarterで88万ドルの資金調達に成功し、アメリカで今年中に発売される予定のようです。

こう見るとやっぱりJapanNightはきっかけにすぎないんですよ。このイベントが理由で大きく成功したというよりは、世界レベルも同じなんだ、せっかくやるなら規模が大きい方が良い、世界レベルでやれるかもしれない、というようにJapanNight出場後に大きく意識を変えることが出来る、そんなイベントなのかもしれません。


Q、JapanNightはbtraxのビジネスとは直接関係がなさそうなイベントですが、会社としてどのようなメリットがあるんですか?
正直、最初は全くメリットがないと思ったんですよ。でも、やってみたら意外とメリットがあったんです。そもそもbtraxのビジネスモデルがBtoBだからあまり世間に知られにくいんですが、イベントを始めて見たら知名度が上がりました。また、自然と日米のスタートアップ情報を常に取得するようになったため、スタートアップ的なやり方とか、イノベーションの起こし方とか、ものづくりのプロセスとか、そういう知識やコネクションを日々取り込むことが出来るようになったんです。


やったもん勝ちの世界、シリコンバレー。国内だけで満足するか、挑戦して世界を目指すか。




Q、これまでのJapanNightで最も思い出に残っていることはなんですか?
1つの出来事というよりは、回を重ねる毎に、日本と世界の壁がなくなってきていますね。というのも、イベントに出てくるサービス、プロダクトはもちろんのこと、プレゼンテーションや英語のレベルも上がっている。そしてサンフランシスコでは、良い意味で日本の会社だからって特別扱いされませんから。サンフランシスコのスタートアップと対等やれるようになってきてるように感じます。


Q、これまで日本のスタートアップを見ていて思うところがありましたら、教えてください。
そもそも優秀と言われているサンフランシスコのスタートアップと日本のスタートアップを比べても、そんなに大きな違いはないんですよ。ものによっては、日本の方が良い場合もありますし。ただ、日本はスタートアップを取りまく周りの環境がまだまだ恵まれてないかもしれません。サンフランシスコと比べると特に支援する人や情報とか、社会的環境が整えきれてないです。そんなハンデを背負った環境でも、自社のプロダクト、サービスを作って展開している日本のスタートアップには、頑張っているなぁと日々刺激をもらっています。


Q、シリコンバレーの最近のトレンドは何ですか?
まず、ここ数年のシリコンバレーの1つのトレンドとしては、ハードウェアです。例えば、ウェアラブルデバイスや、自動車、ヘルスケアなど、ハードウェアにソフトウェアを融合したようなプロダクトがどんどん新しく出てきています。

最近日本の製造業についてあまり良くないニュースを聞きますが、やっぱり日本人ってしっかり丁寧に作り込んで、完璧なプロダクトをリリースすることが世界的に見て得意だと思うんですよ。そういう意味で、ハードウェアにトレンドが戻りつつある今、日本人の強みがとても生かしやすい時代になってきていると感じます。

もう1つ、最近のシリコンバレーではどんどん色んな国の人が活躍出来る時代になってきています。プロダクトがどこの国発だったとしても、ものが良ければ成功出来る。国籍とか関係なく、ボーダレスで世界で活躍出来る場所である。アメリカだけでなく、世界中のトップレベルと言われるような人たちが、世界規模でスタートアップをチャレンジ出来る場所ですね。せっかく自分のスタートアップを日本国内だけでなく、世界でやれるチャンスがあるのだから、業種問わずに挑戦してみれば良いんじゃないかなと僕は思っています。


Q、今回のJapanNightについて注目すべきこと、特筆すべきことはありますか?
もう既に7回目なので、今回はとにかく面白いプログラムをやりたいと思っています。前回は、AirbnbのCTOや、Spotify JapanのDirectorやUber JapanのPresidentなど世界的有名企業のトップがゲストとして来てくださいました。今回は、通常のイベントプログラムの充実だけでなく、ゲストスピーカーをさらに豪華にしたいと計画中ですね。加えてJapanNigthが大きく注目されるようなメディアも集めたいと思っています。


Q、最後に一言、日本のスタートアップにメッセージをお願いします。
日本ってまだまだスタートアップが少ないので日本のスタートアップを盛り上げるためにもなるべく多くのチームに応募して欲しいですね。
やっぱり今までの出場チームを見ていると、JapanNightでの経験が大きな自信、きっかけに繋がっているように感じます。世界のトップレベルの人たちと対等にピッチを行う経験。英語があまり出来なくても自分のメッセージを必死に伝える経験。これらってやっぱりどれだけ頑張ってもお金で買えないところです。しかも、世界の壁って思っているほど厳しいものではないんですよ。というのは、大変だけどやったらやった分だけメッセージは伝わりますし。その分フィードバックも返ってきます。やっぱりやったもんがちの世界なので、チャレンジして失うものもありませんし、本気でやれば素晴らしい経験になるので是非世界にチャレンジしてみて欲しいと思います。



日本のスタートアップ15チームがが海外進出を目指し、しのぎを削る第7回JapanNightの東京予選が下記の日程で開催されることになりました。当日は豪華ゲストも参加予定。イベントの詳細は公式サイトをご参照ください。
【第7回 SF JapanNight開催情報】
東京予選: 9月27日(土) 13時〜
場所: グラントウキョウノースタワー18階: GoogleMap
公式サイト: http://sfjapannight.com
問い合わせ: japannight@btrax.com

『やったもん勝ちの世界、シリコンバレー。国内だけで満足するか、挑戦して世界を目指すか』btrax CEO Brandon Hillへのインタビュー





ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、今年9月、11月に第7回JapanNightを開催するbtrax CEO, Brandon K Hill氏にインタビューを行った。JapanNightとは、日本のスタートアップが東京とサンフランシスコでピッチを行い、シリコンバレーのVCや投資家から資金調達など、世界進出への一歩を後押しするイベントである。JapanNight は現在参加チーム募集中とのこと。

日本の品質の良いスタートアップが世界で挑戦せずに、国内で留まっている必要はない


Q、そもそもJapanNightとはどういったイベントですか?

サンフランシスコで、日本のスタートアップ6チームが地元オーディエンスに向けて、自社のプロダクトやサービスをプレゼンするイベントです。2010年の第1回から数えると、次で7回目になりました。そして3回目からは日本での予選会も行うようになって、回を重ねるごとに規模が大きくなっています。今では、日本での予選会に15社、そこで勝ち残った6社がサンフランシスコの決勝に進むシステムを採っています。


Q、JapanNightを始めたきっかけを教えてください。
サンフランシスコでデザイン会社をやっていると、様々なスタートアップ関係の人たちと会う機会が頻繁にあります。そんな中でだんだんとスタートアップコミュニティと交遊関係が出来てきて、気づいたらスタートアップのピッチイベントに頻繁に見に行ってたんです。そんなあるとき、フランスのスタートアップがプレゼンしているイベントがあって。もし日本のスタートアップがここでプレゼンしたら面白いかもって思いついた事がきっかけです。そんなふとしたアイディアがきっかけでとりあえず第一回JapanNightを開催したんです。


Q、JapanNightの目的は何ですか?
日本で頑張っているスタートアップって、実はサンフランシスコのスタートアップと同じくらい労力が必要なんです。それなのに、日本のプロダクト、サービスを日本国外の人々に知ってもらう機会が少ないんです。せっかく良いものを作っても海外の人に知られずらい。日本の品質の良い、世界で戦えるプロダクト、サービスを世界の人に知ってもらいたい。そんなきっかけを作りたくて、JapanNightを毎年開催しています。


Q、これまでの実績や成果などありましたら、教えてください。
日本のスタートアップって実はとても素晴らしくて、毎回多くのスタートアップが実績、成果を残しています。例えば、第1回目出場のGengoは、順調にシリコンバレーで活躍していて、計1200万ドルの資金調達を成功させています。第2回目のChatWorkも社長自らシリコンバレーに来て、世界展開を加速させていますし。最近だと前回大会に出場したRingという企業があるんですが、Kickstarterで88万ドルの資金調達に成功し、アメリカで今年中に発売される予定のようです。

こう見るとやっぱりJapanNightはきっかけにすぎないんですよ。このイベントが理由で大きく成功したというよりは、世界レベルも同じなんだ、せっかくやるなら規模が大きい方が良い、世界レベルでやれるかもしれない、というようにJapanNight出場後に大きく意識を変えることが出来る、そんなイベントなのかもしれません。


Q、JapanNightはbtraxのビジネスとは直接関係がなさそうなイベントですが、会社としてどのようなメリットがあるんですか?
正直、最初は全くメリットがないと思ったんですよ。でも、やってみたら意外とメリットがあったんです。そもそもbtraxのビジネスモデルがBtoBだからあまり世間に知られにくいんですが、イベントを始めて見たら知名度が上がりました。また、自然と日米のスタートアップ情報を常に取得するようになったため、スタートアップ的なやり方とか、イノベーションの起こし方とか、ものづくりのプロセスとか、そういう知識やコネクションを日々取り込むことが出来るようになったんです。


やったもん勝ちの世界、シリコンバレー。国内だけで満足するか、挑戦して世界を目指すか。




Q、これまでのJapanNightで最も思い出に残っていることはなんですか?
1つの出来事というよりは、回を重ねる毎に、日本と世界の壁がなくなってきていますね。というのも、イベントに出てくるサービス、プロダクトはもちろんのこと、プレゼンテーションや英語のレベルも上がっている。そしてサンフランシスコでは、良い意味で日本の会社だからって特別扱いされませんから。サンフランシスコのスタートアップと対等やれるようになってきてるように感じます。


Q、これまで日本のスタートアップを見ていて思うところがありましたら、教えてください。
そもそも優秀と言われているサンフランシスコのスタートアップと日本のスタートアップを比べても、そんなに大きな違いはないんですよ。ものによっては、日本の方が良い場合もありますし。ただ、日本はスタートアップを取りまく周りの環境がまだまだ恵まれてないかもしれません。サンフランシスコと比べると特に支援する人や情報とか、社会的環境が整えきれてないです。そんなハンデを背負った環境でも、自社のプロダクト、サービスを作って展開している日本のスタートアップには、頑張っているなぁと日々刺激をもらっています。


Q、シリコンバレーの最近のトレンドは何ですか?
まず、ここ数年のシリコンバレーの1つのトレンドとしては、ハードウェアです。例えば、ウェアラブルデバイスや、自動車、ヘルスケアなど、ハードウェアにソフトウェアを融合したようなプロダクトがどんどん新しく出てきています。

最近日本の製造業についてあまり良くないニュースを聞きますが、やっぱり日本人ってしっかり丁寧に作り込んで、完璧なプロダクトをリリースすることが世界的に見て得意だと思うんですよ。そういう意味で、ハードウェアにトレンドが戻りつつある今、日本人の強みがとても生かしやすい時代になってきていると感じます。

もう1つ、最近のシリコンバレーではどんどん色んな国の人が活躍出来る時代になってきています。プロダクトがどこの国発だったとしても、ものが良ければ成功出来る。国籍とか関係なく、ボーダレスで世界で活躍出来る場所である。アメリカだけでなく、世界中のトップレベルと言われるような人たちが、世界規模でスタートアップをチャレンジ出来る場所ですね。せっかく自分のスタートアップを日本国内だけでなく、世界でやれるチャンスがあるのだから、業種問わずに挑戦してみれば良いんじゃないかなと僕は思っています。


Q、今回のJapanNightについて注目すべきこと、特筆すべきことはありますか?
もう既に7回目なので、今回はとにかく面白いプログラムをやりたいと思っています。前回は、AirbnbのCTOや、Spotify JapanのDirectorやUber JapanのPresidentなど世界的有名企業のトップがゲストとして来てくださいました。今回は、通常のイベントプログラムの充実だけでなく、ゲストスピーカーをさらに豪華にしたいと計画中ですね。加えてJapanNigthが大きく注目されるようなメディアも集めたいと思っています。


Q、最後に一言、日本のスタートアップにメッセージをお願いします。
日本ってまだまだスタートアップが少ないので日本のスタートアップを盛り上げるためにもなるべく多くのチームに応募して欲しいですね。
やっぱり今までの出場チームを見ていると、JapanNightでの経験が大きな自信、きっかけに繋がっているように感じます。世界のトップレベルの人たちと対等にピッチを行う経験。英語があまり出来なくても自分のメッセージを必死に伝える経験。これらってやっぱりどれだけ頑張ってもお金で買えないところです。しかも、世界の壁って思っているほど厳しいものではないんですよ。というのは、大変だけどやったらやった分だけメッセージは伝わりますし。その分フィードバックも返ってきます。やっぱりやったもんがちの世界なので、チャレンジして失うものもありませんし、本気でやれば素晴らしい経験になるので是非世界にチャレンジしてみて欲しいと思います。



日本のスタートアップ15チームがが海外進出を目指し、しのぎを削る第7回JapanNightの東京予選が下記の日程で開催されることになりました。当日は豪華ゲストも参加予定。イベントの詳細は公式サイトをご参照ください。
【第7回 SF JapanNight開催情報】
東京予選: 9月27日(土) 13時〜
場所: グラントウキョウノースタワー18階: GoogleMap
公式サイト: http://sfjapannight.com
問い合わせ: japannight@btrax.com