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経験者が語るYコンビネーターの魅力とは?革新的なビジネスモデルはどのように生み出されるのか?
この記事は、著名なインキュベーションプログラムであるY
Combinatorに採用されたReelSurferの創業者で、世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)への参加経験もある連続起業家のNeil氏が、読者からの質問に毎週答える企画記事です。ご質問はこちらのフォーム から受け付けています。
Q1、なぜYコンビネーターのプログラムに参加したのですか?また、Yコンビネーターと他のインキュベーターの違いは何ですか? 匿名 -Tokyo A1、まずは少し、YC(Yコンビネーター)のバックグラウンドを紹介しようと思う。YCは、Paul Grahamにより創設された、 米国のシリコンバレーを拠点とするインキュベーターだ。これまでに、DropboxやAirBnB、Reddit、Stripeなどの企業を輩出し、彼らの成長をサポートしてきた。更に詳しくYCのことを知りたい場合は、このWiredの記事 を読むことをおすすめするよ。
僕は、YCが世界中で1番スタートアップの成長を手助けできるインキュベーターだと考えているよ。スタートアップがYCに参加すべき理由はたくさんあるのだけど、今回は僕の意見を4つに絞って紹介しようと思う。
1、YCのパートナー
YCのパートナーは熟練された知識を持っているだけではなく、洞察力に長けており、スタートアップに対して率直なフィードバックを通じて真実を教えてくれる貴重な存在なんだ。 僕のチームがYCに採用された後、Paul Grahamとの1番最初のミーティングでとても興奮したのを今でも覚えているよ。彼は、我々の進捗を賞賛するだけではなく、我々のプロダクトと組織に関する欠陥を次々に指摘し、理解させてくれるんだ。メディアの露出や資金調達の成功で、事業がうまくいっていると勘違いすることは簡単だ。しかし、本当の問題は収益でありユーザーなんだ。ということに気づかせてくれたよ。
また、YCのパートナーは、スタートアップに関して豊富な経験を持ち、創業者の論争や契約交渉まで、幅広くサポートしてくれることも魅力のひとつだね。
2,起業家同士の繋がり
僕がYCに応募した時、パートナーがどのように我々をサポートしてくれるのかはある程度知っていたんだけど、YCに参加している起業家同士の繋がりが、どのような価値を生み出すのかは正直まだ理解できていなかった。 今、YCのプログラムを終えて言えることは、我々のバッチメイト(同級生)や卒業生との繋がりは、欠けがえのない財産になるということだ。彼らがただ優秀であるだけではなく、お互いにサポートし合うことに積極的だという点が特徴だね。 あるスタートアップが今までに経験したことがないような問題に直面した時、類似した問題を乗り越えたスタートアップにヒントを貰うことができる。また、成功したスタートアップの創業者達と繋がりやすい環境にあり、彼らからアドバイスを貰うことも可能だ。
このような繋がりが、参加チーム全体をより強していくと考えているよ。
3、YCのネットワークと外交
シリコンバレーで活動しているほとんど全ての人間が、YCの関係者と1次的、もしくは2次的な繋がりを持っているんだ。 そのひとつの例はデモデイ(プログラムの最終日に開催されるクローズドで投資家へピッチを行う機会)だ。そこには、シリコンバレーでトップクラスの投資家が数百人規模で参加する。加えて、その場でたくさんの紹介を受けることができるんだ。YCはプログラムに参加しているスタートアップに対して、どの投資家がどの分野の投資に興味があるのか、どの分野についてもっと知りたがっているのかなどの情報を細かに教えてくれる。 これらの情報を、他の方法で手に入れるのは不可能に近いんじゃないかな。
4、シリコンバレーでの人脈作り
僕
はこれが海外から挑戦するスタートアップにとって1番有益な方法なのではないかと考えている。なぜなら、YCが1番シリコンバレーで繋がりを持っているインキュベーターだからね。YCは、米国外から参加してくるスタートアップに対して、あらゆる面で人脈のレバレッジを効かせてくれる。YCのプログラムやパートナーが、友人や同僚、キャリアで培った人脈を提供してくれるんだ。 もしあなたが最近走りはじめたばかりのスタートアップなら、僕は次のバッジに応募することを強く勧めるよ。応募フォームはこちら 。加えて、もしあなたがYCに挑戦する際に僕の助けが必要なら、喜んでサポートさせてもらう!僕のTwittterアカウント から連絡してね!
Q2,シリコンバレーという独特なエリアをどのように考えていますか?私は、サンフランシスコはテクノロジーの街、ニューヨークやロスアンゼルスは、ファッションが洗練された場所、北欧はゲームの開発に強みを持っているという印象があります。 @kcassandra -Tokyo A2、シリコンバレーは、スタートアップのエコシステムにおいて、米国、ひいては世界の他の都市に比べても独特なアドバンテージを持っている地域だと考えているよ。一方、他の都市も変わらず、スタートアップに優しい環境になりつつある。 昨今、会社をスタートさせるコストはひと昔では考えられない程に低くなった。オープンソースのツールが普及し、ホスティングコストは減少、これらの要素が起業家が都市を問わずインパクトのあるプロダクトを世界中へ 発信することを可能にさせたんだ。 個人的な範囲だけど、ニューヨークやロスアンゼルスに会社を構えている、ものすごく優秀なテック系の友人がいる。同時に、ファッションやゲームに関して成功しているスタートアップもサンフランシスコにいたりするんだ。もっとも、僕は北欧のスタートアップを見てきた経験があまりないんだけどね。来月のヨーロッパ旅行で色々学んでくるよ。
Q3、あなたのお気に入りのアプリは何ですか? @goleador0322 -Tokyo
A3,素晴らしいアプリはたくさんあるけど、その中でも特にお気に入りのものは、Twitter、Yelp、Waze、Sunrise、Spotifyだね。Q4、
あなたにとってイノベーティブで競争力のあるビジネスモデルを生み出す最善の方法は何ですか?また、何か良い思考法やリサーチ方法はありますか?私のシリコンバレーの友人は、Grouponのような既存のモデルをコピーしろと教えてくれました。彼曰く、コピーする過程で様々な違いを付け足す(Pivotする)必要が出てくるので、最終的にはオリジナルなものになるという意見です。あなたはどう考えますか? @ishiid - Tokyo 素晴らしい質問をありがとう!イノベーティブなビジネスモデルを作るという定義がとても難しいね。 例えば、フリーミアムのビジネスモデルはソフトウェアを提供するスタートアップではとても有名なモデルだ。これは、会社は消費者に無料でソフトウェアを提供し、更に高度な機能を使用したいユーザーを対象に課金をするといったものだ。フリーミアムモデルで1つ例をあげるとDropboxが分かりやすいかもしれない。プロダクト自体は無料なんだけど、ストレージの容量を追加したい場合は追加で課金を要求されるといったものだ。 フリーミアムモデル自体は、数年間使用されてきたモデルだよね。もし、我々がこのモデルをハードウェアのビジネスに適応させたら、それはとてもイノベーティブなものになる。イメージとしては、GoogleがGoogle
Glassを無料で配布。そして、アプリを追加したり、データを保存したりする毎に課金するといった具合さ。 僕は、一般的なビジネスモデルを、まったく異なる産業にあてはめることをおすすめするよ。例で示したように、それはとてもイノベーティブなものだと思うんだ。 また、企業の提供する価値が、魅力的で特異なものである限り、有名なサービスからビジネスモデルを借りるというのは、間違った考えではないよ。例えば、Grpuponのグループ購入のモデルを、日本の航空券販売に適応させた会社を作ったとしよう。それはありふれたモデルなのだけど、文化の違う人間や特定のターゲットからしたら真新しいプロダクトになる。 一般的に、アイディアそのものは重要でなくて、そのアイディアを革新的な方法で実行することが重要だと思うよ。
投稿者:@satoruitter ※引き続き、Neil氏へのご質問を募集しています!
経験者が語るYコンビネーターの魅力とは?革新的なビジネスモデルはどのように生み出されるのか?
この記事は、著名なインキュベーションプログラムであるY
Combinatorに採用されたReelSurferの創業者で、世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)への参加経験もある連続起業家のNeil氏が、読者からの質問に毎週答える企画記事です。ご質問はこちらのフォーム から受け付けています。
Q1、なぜYコンビネーターのプログラムに参加したのですか?また、Yコンビネーターと他のインキュベーターの違いは何ですか? 匿名 -Tokyo A1、まずは少し、YC(Yコンビネーター)のバックグラウンドを紹介しようと思う。YCは、Paul Grahamにより創設された、 米国のシリコンバレーを拠点とするインキュベーターだ。これまでに、DropboxやAirBnB、Reddit、Stripeなどの企業を輩出し、彼らの成長をサポートしてきた。更に詳しくYCのことを知りたい場合は、このWiredの記事 を読むことをおすすめするよ。
僕は、YCが世界中で1番スタートアップの成長を手助けできるインキュベーターだと考えているよ。スタートアップがYCに参加すべき理由はたくさんあるのだけど、今回は僕の意見を4つに絞って紹介しようと思う。
1、YCのパートナー
YCのパートナーは熟練された知識を持っているだけではなく、洞察力に長けており、スタートアップに対して率直なフィードバックを通じて真実を教えてくれる貴重な存在なんだ。 僕のチームがYCに採用された後、Paul Grahamとの1番最初のミーティングでとても興奮したのを今でも覚えているよ。彼は、我々の進捗を賞賛するだけではなく、我々のプロダクトと組織に関する欠陥を次々に指摘し、理解させてくれるんだ。メディアの露出や資金調達の成功で、事業がうまくいっていると勘違いすることは簡単だ。しかし、本当の問題は収益でありユーザーなんだ。ということに気づかせてくれたよ。
また、YCのパートナーは、スタートアップに関して豊富な経験を持ち、創業者の論争や契約交渉まで、幅広くサポートしてくれることも魅力のひとつだね。
2,起業家同士の繋がり
僕がYCに応募した時、パートナーがどのように我々をサポートしてくれるのかはある程度知っていたんだけど、YCに参加している起業家同士の繋がりが、どのような価値を生み出すのかは正直まだ理解できていなかった。 今、YCのプログラムを終えて言えることは、我々のバッチメイト(同級生)や卒業生との繋がりは、欠けがえのない財産になるということだ。彼らがただ優秀であるだけではなく、お互いにサポートし合うことに積極的だという点が特徴だね。 あるスタートアップが今までに経験したことがないような問題に直面した時、類似した問題を乗り越えたスタートアップにヒントを貰うことができる。また、成功したスタートアップの創業者達と繋がりやすい環境にあり、彼らからアドバイスを貰うことも可能だ。
このような繋がりが、参加チーム全体をより強していくと考えているよ。
3、YCのネットワークと外交
シリコンバレーで活動しているほとんど全ての人間が、YCの関係者と1次的、もしくは2次的な繋がりを持っているんだ。 そのひとつの例はデモデイ(プログラムの最終日に開催されるクローズドで投資家へピッチを行う機会)だ。そこには、シリコンバレーでトップクラスの投資家が数百人規模で参加する。加えて、その場でたくさんの紹介を受けることができるんだ。YCはプログラムに参加しているスタートアップに対して、どの投資家がどの分野の投資に興味があるのか、どの分野についてもっと知りたがっているのかなどの情報を細かに教えてくれる。 これらの情報を、他の方法で手に入れるのは不可能に近いんじゃないかな。
4、シリコンバレーでの人脈作り
僕
はこれが海外から挑戦するスタートアップにとって1番有益な方法なのではないかと考えている。なぜなら、YCが1番シリコンバレーで繋がりを持っているインキュベーターだからね。YCは、米国外から参加してくるスタートアップに対して、あらゆる面で人脈のレバレッジを効かせてくれる。YCのプログラムやパートナーが、友人や同僚、キャリアで培った人脈を提供してくれるんだ。 もしあなたが最近走りはじめたばかりのスタートアップなら、僕は次のバッジに応募することを強く勧めるよ。応募フォームはこちら 。加えて、もしあなたがYCに挑戦する際に僕の助けが必要なら、喜んでサポートさせてもらう!僕のTwittterアカウント から連絡してね!
Q2,シリコンバレーという独特なエリアをどのように考えていますか?私は、サンフランシスコはテクノロジーの街、ニューヨークやロスアンゼルスは、ファッションが洗練された場所、北欧はゲームの開発に強みを持っているという印象があります。 @kcassandra -Tokyo A2、シリコンバレーは、スタートアップのエコシステムにおいて、米国、ひいては世界の他の都市に比べても独特なアドバンテージを持っている地域だと考えているよ。一方、他の都市も変わらず、スタートアップに優しい環境になりつつある。 昨今、会社をスタートさせるコストはひと昔では考えられない程に低くなった。オープンソースのツールが普及し、ホスティングコストは減少、これらの要素が起業家が都市を問わずインパクトのあるプロダクトを世界中へ 発信することを可能にさせたんだ。 個人的な範囲だけど、ニューヨークやロスアンゼルスに会社を構えている、ものすごく優秀なテック系の友人がいる。同時に、ファッションやゲームに関して成功しているスタートアップもサンフランシスコにいたりするんだ。もっとも、僕は北欧のスタートアップを見てきた経験があまりないんだけどね。来月のヨーロッパ旅行で色々学んでくるよ。
Q3、あなたのお気に入りのアプリは何ですか? @goleador0322 -Tokyo
A3,素晴らしいアプリはたくさんあるけど、その中でも特にお気に入りのものは、Twitter、Yelp、Waze、Sunrise、Spotifyだね。Q4、
あなたにとってイノベーティブで競争力のあるビジネスモデルを生み出す最善の方法は何ですか?また、何か良い思考法やリサーチ方法はありますか?私のシリコンバレーの友人は、Grouponのような既存のモデルをコピーしろと教えてくれました。彼曰く、コピーする過程で様々な違いを付け足す(Pivotする)必要が出てくるので、最終的にはオリジナルなものになるという意見です。あなたはどう考えますか? @ishiid - Tokyo 素晴らしい質問をありがとう!イノベーティブなビジネスモデルを作るという定義がとても難しいね。 例えば、フリーミアムのビジネスモデルはソフトウェアを提供するスタートアップではとても有名なモデルだ。これは、会社は消費者に無料でソフトウェアを提供し、更に高度な機能を使用したいユーザーを対象に課金をするといったものだ。フリーミアムモデルで1つ例をあげるとDropboxが分かりやすいかもしれない。プロダクト自体は無料なんだけど、ストレージの容量を追加したい場合は追加で課金を要求されるといったものだ。 フリーミアムモデル自体は、数年間使用されてきたモデルだよね。もし、我々がこのモデルをハードウェアのビジネスに適応させたら、それはとてもイノベーティブなものになる。イメージとしては、GoogleがGoogle
Glassを無料で配布。そして、アプリを追加したり、データを保存したりする毎に課金するといった具合さ。 僕は、一般的なビジネスモデルを、まったく異なる産業にあてはめることをおすすめするよ。例で示したように、それはとてもイノベーティブなものだと思うんだ。 また、企業の提供する価値が、魅力的で特異なものである限り、有名なサービスからビジネスモデルを借りるというのは、間違った考えではないよ。例えば、Grpuponのグループ購入のモデルを、日本の航空券販売に適応させた会社を作ったとしよう。それはありふれたモデルなのだけど、文化の違う人間や特定のターゲットからしたら真新しいプロダクトになる。 一般的に、アイディアそのものは重要でなくて、そのアイディアを革新的な方法で実行することが重要だと思うよ。
投稿者:@satoruitter ※引き続き、Neil氏へのご質問を募集しています!