有名シェフの料理デリバリーで大人気!Muncheryを試してみた!





注目が集まる食系スタートアップ

最近、日本でも「bento.jp」や「渋弁」などの弁当デリバリーサービスが登場し、以前から存在する出前や宅食・配食サービスとあわせて話題となっている食事×デリバリーの分野だが、ここベイエリアでもこれらのスタートアップへの注目度は非常に高い。
特に直近の数ヶ月では、3月には近隣レストランからのデリバリーの大手「GrubHub」がIPO、3月末にはヘルシーなディナーとランチを配達する「Sprig」がシリーズAで10Mドルを調達、同時期に6ドルのランチを15分以内に配達する「SpoonRocket」もシリーズAで11Mドルを調達とニュースが続いた。
今回紹介する「Munchery」も同じく4/10にシリーズBでSherpa Venturesから28Mドルを調達したばかりだ。(この資金でシアトルにサービスを広げる予定と発表している)

Muncheryの特徴

28Mドルと大きな調達を行い他のスタートアップからは頭ひとつ抜けているMunchery。
他のデリバリーサービスと違う点は、既存のレストランと契約するのではなく、自社のキッチンでMuncheryが雇用したシェフが食事を用意する点だ。ラインナップは有名店出身のシェフばかりで、メニューもメインとサイド、デザートに分かれており「有名シェフの味」のディナーを気軽に家で楽しめる。
利用の流れはこうだ。Mucnheryのサイトにアクセスするかアプリを開くと、当日からその週分のメニューを確認できる。毎日、15-20種類ものentree(メインディッシュ、大体8-13ドル程度)と、10種類以上のサイドディッシュやデザート、キッズ向けのメニュー、ドリンクが用意されており、その中から好きなものをピックアップする。送料は4ドルで、何個頼んでも変わらない。また、前日の朝10時までにオーダーすると30%の割引もあり。
配達時間だが、当日でもサンフランシスコ市内では夜6時まで、それ以外は午後3時までにオーダーするとその日のうちにディナーを届けてくれる。

普通のベイエリアのレストランは毎日150-200人の客を得ているが、現在Muncheryは
毎日1500回のデリバリーで5000のアイテムを届けており、「店舗はないがベイエリア最大のレストラン」と投資家から言われている。
また、現在も自然流入や口コミで月に20%の伸びを見せており、この成長曲線はUberと同様だとUberに初期に投資したPishervarが語っている。

期待の高まるMunchery、早速試してみた。

 メニューは30種類以上


アプリを開くと早速今日のメニューが。

どの写真も美しく、高級レストランのよう。
どうやって届くのか気になるところ。

メインなので肉料理の種類が豊富。

各料理には準備の説明が記載されている。
オーブンやレンジで5分ほど温めるというものが大半。
オフィス等ではなく、自宅で食べることが想定されているよう。

注文した人からのレビューが多数ついているので、評判を確認できるのが便利。
良いレビューが多かった。

メインだけでなくサイドも充実!
こちらはマグロのサラダ。

アメリカンな寿司もサイドメニューらしい。
サイドは4-8ドル程度。

子供向けのメニューも色々とあるので安心。

デザートも豊富。

ドリンクも、フレッシュジュースからアルコールまで多数。

メインとサイドのスープ、デザートを頼むことに。
デリバリーの時間帯を選んで注文。

注文完了!あとは待つだけ。

届いた中身は期待以上!

午後5−6時の配達を設定していたが、5:10頃に
「あと5分ほどで着くよ」とSMSが来た。
到着すると電話がなり、ビルの前で受け取り。
紙袋の中に弁当のような容器がたくさん入っている。
かなり安定感はあり、運びやすい。
中身をあけてみた。
こちらの3品が注文したもの。
メインディッシュ、ハワイ風のツナとサラダ。
ソースが複数ついている。

豆のスープ。かなり量があり、500gくらいある重さだった。

パンプキン×チョコのブレッド。こちらもかなり大きい。
(となりの缶は比較用で、Muncheryではない)

初めてのオーダーだったため、手書きのメッセージカードと
初回ギフトとしてブラウニーがついてきた!感動!
Doorman等、初回は無料ギフトをつける配達サービスが多い。

満足度は想像以上!

実際に届いた食事を食べてみたところ、かなり美味しく、満足度は高かった。特にサラダの味付けやツナにかけるソースは上品で「レストランの味」だった。
量はアメリカということもあり多めで、1回では食べきれず次の日のランチにもなった。ツナはオーブンで温める必要があったため、家庭で食べるのに向いている。
アメリカは日本と比較するとレストランの価格帯が高く、日本でいうところの定食屋のような存在がない。サンドイッチやハンバーガーなどのファーストフードで安くすませるか(それでも8-10ドル程度はする)、レストランで食べるとチップも必要なので30ドル以上というように分かれてしまう。そのため、中間の価格帯で、家庭でレストランの味を食べられるという価値は大きいと感じた。
また、写真が美しいアプリやMuncheryのロゴで統一されている紙袋や容器、メッセージカード、配達してくれた人(配達人は契約でアウトソーシングしており、InstacartやDoormanと同様の仕組み)の対応など、全てがスマートで心地よい体験で、「また頼みたい!」と思わせられた。実際に、継続率はかなり高いようだ。

すべての人に「お抱えシェフ」を

Uberはすべての人に「お抱えドライバー」を提供したが、Muncheryが提供するのは「お抱えシェフ」だ。専属のシェフがいなくても、Googleのような会社が提供してくれる食事がなくても、栄養バランスがとれた美味しい食事を家庭で食べることができる。Muncheryの顧客はセレブや企業のエグゼクティブ、アスリートから年金生活の高齢者や共働きの家庭、健康上の問題で外出できない人などなど幅広い。
また、Muncheryは実はシェフにとってこそ革新的なモデルでもある。シェフはレストランに雇用されなくても、個人名で勝負することができ、メニューごとの売れ行きやレビューなどの顧客のフィードバックをダイレクトに受けられる。調理する時間はレストランに比べて自由が効くので、子供がいても融通をつけやすい。
つまり、Muncheryは既存のレストランから食事を配送する他のデリバリーと違い、シェフをレストランから解放し、個人で自由に働ける場を提供しようとしているのだ。現在は既にレストランで修行をした有名シェフが働いているが、拡大すればUberのように「自由な時間に料理をしたい人」と「きちんとした食事を食べたい人」が個人同士でマッチングするプラットフォームとなれる、大きな可能性を秘めている。


参考:
Food Delivery Startup Munchery Raises $28 Million Following Successful GrubHub IPO
Investor Appetite Grows for Food Delivery Startups
Munchery Raises $28 Million From Sherpa Ventures And Plans Expansion To Seattle
プロの料理を届けるECサイト「Munchery」

投稿者:中澤理香(@r1ccha

有名シェフの料理デリバリーで大人気!Muncheryを試してみた!





注目が集まる食系スタートアップ

最近、日本でも「bento.jp」や「渋弁」などの弁当デリバリーサービスが登場し、以前から存在する出前や宅食・配食サービスとあわせて話題となっている食事×デリバリーの分野だが、ここベイエリアでもこれらのスタートアップへの注目度は非常に高い。
特に直近の数ヶ月では、3月には近隣レストランからのデリバリーの大手「GrubHub」がIPO、3月末にはヘルシーなディナーとランチを配達する「Sprig」がシリーズAで10Mドルを調達、同時期に6ドルのランチを15分以内に配達する「SpoonRocket」もシリーズAで11Mドルを調達とニュースが続いた。
今回紹介する「Munchery」も同じく4/10にシリーズBでSherpa Venturesから28Mドルを調達したばかりだ。(この資金でシアトルにサービスを広げる予定と発表している)

Muncheryの特徴

28Mドルと大きな調達を行い他のスタートアップからは頭ひとつ抜けているMunchery。
他のデリバリーサービスと違う点は、既存のレストランと契約するのではなく、自社のキッチンでMuncheryが雇用したシェフが食事を用意する点だ。ラインナップは有名店出身のシェフばかりで、メニューもメインとサイド、デザートに分かれており「有名シェフの味」のディナーを気軽に家で楽しめる。
利用の流れはこうだ。Mucnheryのサイトにアクセスするかアプリを開くと、当日からその週分のメニューを確認できる。毎日、15-20種類ものentree(メインディッシュ、大体8-13ドル程度)と、10種類以上のサイドディッシュやデザート、キッズ向けのメニュー、ドリンクが用意されており、その中から好きなものをピックアップする。送料は4ドルで、何個頼んでも変わらない。また、前日の朝10時までにオーダーすると30%の割引もあり。
配達時間だが、当日でもサンフランシスコ市内では夜6時まで、それ以外は午後3時までにオーダーするとその日のうちにディナーを届けてくれる。

普通のベイエリアのレストランは毎日150-200人の客を得ているが、現在Muncheryは
毎日1500回のデリバリーで5000のアイテムを届けており、「店舗はないがベイエリア最大のレストラン」と投資家から言われている。
また、現在も自然流入や口コミで月に20%の伸びを見せており、この成長曲線はUberと同様だとUberに初期に投資したPishervarが語っている。

期待の高まるMunchery、早速試してみた。

 メニューは30種類以上


アプリを開くと早速今日のメニューが。

どの写真も美しく、高級レストランのよう。
どうやって届くのか気になるところ。

メインなので肉料理の種類が豊富。

各料理には準備の説明が記載されている。
オーブンやレンジで5分ほど温めるというものが大半。
オフィス等ではなく、自宅で食べることが想定されているよう。

注文した人からのレビューが多数ついているので、評判を確認できるのが便利。
良いレビューが多かった。

メインだけでなくサイドも充実!
こちらはマグロのサラダ。

アメリカンな寿司もサイドメニューらしい。
サイドは4-8ドル程度。

子供向けのメニューも色々とあるので安心。

デザートも豊富。

ドリンクも、フレッシュジュースからアルコールまで多数。

メインとサイドのスープ、デザートを頼むことに。
デリバリーの時間帯を選んで注文。

注文完了!あとは待つだけ。

届いた中身は期待以上!

午後5−6時の配達を設定していたが、5:10頃に
「あと5分ほどで着くよ」とSMSが来た。
到着すると電話がなり、ビルの前で受け取り。
紙袋の中に弁当のような容器がたくさん入っている。
かなり安定感はあり、運びやすい。
中身をあけてみた。
こちらの3品が注文したもの。
メインディッシュ、ハワイ風のツナとサラダ。
ソースが複数ついている。

豆のスープ。かなり量があり、500gくらいある重さだった。

パンプキン×チョコのブレッド。こちらもかなり大きい。
(となりの缶は比較用で、Muncheryではない)

初めてのオーダーだったため、手書きのメッセージカードと
初回ギフトとしてブラウニーがついてきた!感動!
Doorman等、初回は無料ギフトをつける配達サービスが多い。

満足度は想像以上!

実際に届いた食事を食べてみたところ、かなり美味しく、満足度は高かった。特にサラダの味付けやツナにかけるソースは上品で「レストランの味」だった。
量はアメリカということもあり多めで、1回では食べきれず次の日のランチにもなった。ツナはオーブンで温める必要があったため、家庭で食べるのに向いている。
アメリカは日本と比較するとレストランの価格帯が高く、日本でいうところの定食屋のような存在がない。サンドイッチやハンバーガーなどのファーストフードで安くすませるか(それでも8-10ドル程度はする)、レストランで食べるとチップも必要なので30ドル以上というように分かれてしまう。そのため、中間の価格帯で、家庭でレストランの味を食べられるという価値は大きいと感じた。
また、写真が美しいアプリやMuncheryのロゴで統一されている紙袋や容器、メッセージカード、配達してくれた人(配達人は契約でアウトソーシングしており、InstacartやDoormanと同様の仕組み)の対応など、全てがスマートで心地よい体験で、「また頼みたい!」と思わせられた。実際に、継続率はかなり高いようだ。

すべての人に「お抱えシェフ」を

Uberはすべての人に「お抱えドライバー」を提供したが、Muncheryが提供するのは「お抱えシェフ」だ。専属のシェフがいなくても、Googleのような会社が提供してくれる食事がなくても、栄養バランスがとれた美味しい食事を家庭で食べることができる。Muncheryの顧客はセレブや企業のエグゼクティブ、アスリートから年金生活の高齢者や共働きの家庭、健康上の問題で外出できない人などなど幅広い。
また、Muncheryは実はシェフにとってこそ革新的なモデルでもある。シェフはレストランに雇用されなくても、個人名で勝負することができ、メニューごとの売れ行きやレビューなどの顧客のフィードバックをダイレクトに受けられる。調理する時間はレストランに比べて自由が効くので、子供がいても融通をつけやすい。
つまり、Muncheryは既存のレストランから食事を配送する他のデリバリーと違い、シェフをレストランから解放し、個人で自由に働ける場を提供しようとしているのだ。現在は既にレストランで修行をした有名シェフが働いているが、拡大すればUberのように「自由な時間に料理をしたい人」と「きちんとした食事を食べたい人」が個人同士でマッチングするプラットフォームとなれる、大きな可能性を秘めている。


参考:
Food Delivery Startup Munchery Raises $28 Million Following Successful GrubHub IPO
Investor Appetite Grows for Food Delivery Startups
Munchery Raises $28 Million From Sherpa Ventures And Plans Expansion To Seattle
プロの料理を届けるECサイト「Munchery」

投稿者:中澤理香(@r1ccha