米国を代表するニュースアプリPrismaticとは? Googleの検索エンジンレベルで記事の内容を分類!?創業者Bradfordへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、ニュースアグリゲーターアプリを開発するPrismaticの創業者であるBradford Cross氏にインタビューを行った。

Prismaticは、ソーシャルメディアと連携させたり、自分の興味のある分野を大まかに選択しておくと、それらの情報をもとに個人に最適化したニュースを毎日配信してくれるアプリだ。シリーズAで著名投資家のYuri Milnerや、Accel Partnersから$15M(約15億円)を調達している注目のアプリだ。ソーシャル上で多くのシェアを集めているメジャーな媒体だけではなく、マイナーだけれど質の高いブログやメディアもしっかり配信してくれるところが嬉しい。詳しくはアプリレビューの記事をどうぞ。

今回インタビューを行ったBradford Cross氏は、Googleで働いていた経験がありビックデータに関する高い見識を持っているようだ。前回の会社であるFlightCasterを約1.3億円でNext Jumpへ売却している連続起業家でもあり、Data Collectiveというビックデータに特化した数百億円規模のベンチャーキャピタルの代表を務める投資家でもある。


Googleの検索エンジンレベルで記事の内容を分類



聞き手(以下S):通常のニュースアプリとPrismaticの違いについて教えてください。

Bradford(以下B):違いは大きく分けて2つある。1つ目としてはとてもトピックにフォーカスしてるって事だね。読み手が欲しい情報と配信するニュースの関連性にフォーカスしているんだ。2つ目は、ソーシャル性を保ちながらトピックにフォーカスしているということ。分かりやすく言うと、互いにどの情報に価値があるのかを投票やコメントを通じて教えることができるんだよ。Prismaticでは、ユーザーをフォローすることができるんだけど、自分と興味の近い人をフォローすればするほど、より自分が求めていた情報に近いニュースを手に入れることができるんだ。


S:米国では、多くのニュースアグリゲーションアプリが2010年前後に誕生しましたね。具体的に競合はいるのですか?
B:TwitterやFacebookといったSNSが強敵だね。人々はそれらのプラットフォームで記事をシェアし、一方で情報収集もするだろう?ニュースを読む多くの時間をSNSで過ごしているわけだから、そこの時間の奪い合いになるんだ。


S:Prismaticのアイディアはどのように生まれたのですか?
B:今は多くの情報がネット上に溢れているよね。それをあらゆるツールが整理しようとしている。映画ひとつをとってもそうだ。膨大な映画の情報を整理しているサイトはいっぱいあるよね、Netflixが良い例かもしれない。そのような感覚で、膨大に散らばっている情報をもっとアクセスし易くすることができたらなあと考えたんだ。その中で一番面白かった分野がニュースだった。より良い情報を手に入れることができれば、人々の毎日がより豊かになると思ったからね。


S:USのニュースを読む文化について聞かせてください。まだ紙で読むのが主流ですか?
B:紙の数字がどれほど読まれているとか明確な数字は分からないんだけど、ほとんどの人がネットで情報収集をしていると思う。それこそYahoo Newsをはじめ、各メディアのモバイルアプリとかで読んでいる。その中でも、もっとも大きいのがSNSだね。TwitterやFacebookなどが主流になりつつあると思う。


S:Prismaticでは有名なメディアばかりが配信されるわけではなく、マイナーだけど面白い内容のブログなども配信されてとても重宝しています。どのような仕組みを採用しているのですか?
B:僕たちはニュースの内容を全てGoogleのようにクローリング、インデックス化しているんだ。それが、マイナーでも価値のある情報を発信しているメディアと読者を結びつけることができているひとつの特徴だと思う。


S:ニュースアグリーゲーター系のアプリで最も重要な点は何ですか?
B:良いコンテンツを供給することはもちろんだよね。それに加えて、インタラクティブな体験を提供することが重要であると考えている。価値のある記事をシェアしたり、それに対してコメントするという体験はニュース系のアプリを運営するにあたって非常に大切にしている部分だよ。


S:ニュースアグリゲーションアプリの将来について意見をください。この分野の5年後はどうなっていると思いますか?
B:多くのニュースアグリゲーターアプリが、買収により大手の傘下に加わると思うよ。PulseもLinkedInに、ZiteもFlipboardに買収されたしね。また、常に新しい体験を提供し続けていければこの分野で生き残ることは可能だが、小さなプレイヤーはそのうち消えてなくなるかもしれないね。


S:ユーザー数はどれくらいですか?
B:ユーザー数については具体的な数値を教えることができないんだ。でも、非常に高いエンゲージメントを記録しているよ。平均して1週間に6、7回は見られているんだ。ユーザーのエンゲージを高めることに今は集中している。詳しい数字については来年あたりに公表できると思うよ。


S:大部分が米国のユーザーですか?
B:いや、半分は米国で、残りの半分は米国外からきている。日本からの流入も結構あるんだよ。初期の頃にTechCrunch Japanに取り上げてもらった効果なのかもしれない。今は英語のコンテンツのみを供給しているが、一ヶ月後には英語以外の言語に対応させていくよ。


S:日本語版もローンチされるということですか?だとしたら、いつ頃になりますか?
B:もちろん日本語版はローンチするよ。ただ、Prismaticのシステムは、Googleの様にクローリングを通じて言語の構成を理解する必要があるから、言語構造が英語と大きく違う日本語に対応させるのは時間がかかるんだ。英語に近い構造の言語から順に対応させていくつもりさ。


S:Yuri MilnerやAccsel Partnersなど、トップティアの投資家から資金を集めていますが、元々繋がりがあったのですか?

B:いや、知り合いでは無かったけど、彼等が僕たちにすぐに興味を持ってくれたんだ。賢いPrismaticのシステムに惹かれたようだよ。彼等はFacebookやTwitterなどソーシャルメディア関連のチームに過去投資をしてきたから、この分野の可能性にいち早く気づいていたんだと思う。


S:あなたはトラックレコーダー(
過去に会社を売却した経験のある人)であるとお伺いしました。
B:そうだね。今考えても興味深い領域で起業をしたよ。
FlightCasterというフライトの遅延を予測するプロダクトを作っていた。その後、NextJump売却したんだ。あの時も本当に良いチームに恵まれていたよ。みんな素晴らしい才能と起業家精神を持っていたし、AIシステムにも手を出すことができた。あれは、とても良い経験になったよ。こういう経歴が投資家を惹き付けたという部分もあると思う。


S:あなたは、Data CollectiveというVCも運営していますね。どんな会社に投資をしているのですか?
B:ビックデータ関連の会社に投資をしているよ。また、B2BだけじゃなくてB2Cにも投資をしているんだ。Prismaticみたいにね。でも、今はほとんどの時間をPrismaticに費やしているよ、2つのことを同時にするには時間がなさ過ぎるからね(笑)


S:日本語版のローンチを待っているユーザーにメッセージをお願いします。
B:Coming Soon! (笑) 今、日本語バージョンの開発を頑張っているよ!英語ばかりのコンテンツで退屈かもしれないけど、待っていておくれ!

Prismaticのダウンロードはこちら

米国を代表するニュースアプリPrismaticとは? Googleの検索エンジンレベルで記事の内容を分類!?創業者Bradfordへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、ニュースアグリゲーターアプリを開発するPrismaticの創業者であるBradford Cross氏にインタビューを行った。

Prismaticは、ソーシャルメディアと連携させたり、自分の興味のある分野を大まかに選択しておくと、それらの情報をもとに個人に最適化したニュースを毎日配信してくれるアプリだ。シリーズAで著名投資家のYuri Milnerや、Accel Partnersから$15M(約15億円)を調達している注目のアプリだ。ソーシャル上で多くのシェアを集めているメジャーな媒体だけではなく、マイナーだけれど質の高いブログやメディアもしっかり配信してくれるところが嬉しい。詳しくはアプリレビューの記事をどうぞ。

今回インタビューを行ったBradford Cross氏は、Googleで働いていた経験がありビックデータに関する高い見識を持っているようだ。前回の会社であるFlightCasterを約1.3億円でNext Jumpへ売却している連続起業家でもあり、Data Collectiveというビックデータに特化した数百億円規模のベンチャーキャピタルの代表を務める投資家でもある。


Googleの検索エンジンレベルで記事の内容を分類



聞き手(以下S):通常のニュースアプリとPrismaticの違いについて教えてください。

Bradford(以下B):違いは大きく分けて2つある。1つ目としてはとてもトピックにフォーカスしてるって事だね。読み手が欲しい情報と配信するニュースの関連性にフォーカスしているんだ。2つ目は、ソーシャル性を保ちながらトピックにフォーカスしているということ。分かりやすく言うと、互いにどの情報に価値があるのかを投票やコメントを通じて教えることができるんだよ。Prismaticでは、ユーザーをフォローすることができるんだけど、自分と興味の近い人をフォローすればするほど、より自分が求めていた情報に近いニュースを手に入れることができるんだ。


S:米国では、多くのニュースアグリゲーションアプリが2010年前後に誕生しましたね。具体的に競合はいるのですか?
B:TwitterやFacebookといったSNSが強敵だね。人々はそれらのプラットフォームで記事をシェアし、一方で情報収集もするだろう?ニュースを読む多くの時間をSNSで過ごしているわけだから、そこの時間の奪い合いになるんだ。


S:Prismaticのアイディアはどのように生まれたのですか?
B:今は多くの情報がネット上に溢れているよね。それをあらゆるツールが整理しようとしている。映画ひとつをとってもそうだ。膨大な映画の情報を整理しているサイトはいっぱいあるよね、Netflixが良い例かもしれない。そのような感覚で、膨大に散らばっている情報をもっとアクセスし易くすることができたらなあと考えたんだ。その中で一番面白かった分野がニュースだった。より良い情報を手に入れることができれば、人々の毎日がより豊かになると思ったからね。


S:USのニュースを読む文化について聞かせてください。まだ紙で読むのが主流ですか?
B:紙の数字がどれほど読まれているとか明確な数字は分からないんだけど、ほとんどの人がネットで情報収集をしていると思う。それこそYahoo Newsをはじめ、各メディアのモバイルアプリとかで読んでいる。その中でも、もっとも大きいのがSNSだね。TwitterやFacebookなどが主流になりつつあると思う。


S:Prismaticでは有名なメディアばかりが配信されるわけではなく、マイナーだけど面白い内容のブログなども配信されてとても重宝しています。どのような仕組みを採用しているのですか?
B:僕たちはニュースの内容を全てGoogleのようにクローリング、インデックス化しているんだ。それが、マイナーでも価値のある情報を発信しているメディアと読者を結びつけることができているひとつの特徴だと思う。


S:ニュースアグリーゲーター系のアプリで最も重要な点は何ですか?
B:良いコンテンツを供給することはもちろんだよね。それに加えて、インタラクティブな体験を提供することが重要であると考えている。価値のある記事をシェアしたり、それに対してコメントするという体験はニュース系のアプリを運営するにあたって非常に大切にしている部分だよ。


S:ニュースアグリゲーションアプリの将来について意見をください。この分野の5年後はどうなっていると思いますか?
B:多くのニュースアグリゲーターアプリが、買収により大手の傘下に加わると思うよ。PulseもLinkedInに、ZiteもFlipboardに買収されたしね。また、常に新しい体験を提供し続けていければこの分野で生き残ることは可能だが、小さなプレイヤーはそのうち消えてなくなるかもしれないね。


S:ユーザー数はどれくらいですか?
B:ユーザー数については具体的な数値を教えることができないんだ。でも、非常に高いエンゲージメントを記録しているよ。平均して1週間に6、7回は見られているんだ。ユーザーのエンゲージを高めることに今は集中している。詳しい数字については来年あたりに公表できると思うよ。


S:大部分が米国のユーザーですか?
B:いや、半分は米国で、残りの半分は米国外からきている。日本からの流入も結構あるんだよ。初期の頃にTechCrunch Japanに取り上げてもらった効果なのかもしれない。今は英語のコンテンツのみを供給しているが、一ヶ月後には英語以外の言語に対応させていくよ。


S:日本語版もローンチされるということですか?だとしたら、いつ頃になりますか?
B:もちろん日本語版はローンチするよ。ただ、Prismaticのシステムは、Googleの様にクローリングを通じて言語の構成を理解する必要があるから、言語構造が英語と大きく違う日本語に対応させるのは時間がかかるんだ。英語に近い構造の言語から順に対応させていくつもりさ。


S:Yuri MilnerやAccsel Partnersなど、トップティアの投資家から資金を集めていますが、元々繋がりがあったのですか?

B:いや、知り合いでは無かったけど、彼等が僕たちにすぐに興味を持ってくれたんだ。賢いPrismaticのシステムに惹かれたようだよ。彼等はFacebookやTwitterなどソーシャルメディア関連のチームに過去投資をしてきたから、この分野の可能性にいち早く気づいていたんだと思う。


S:あなたはトラックレコーダー(
過去に会社を売却した経験のある人)であるとお伺いしました。
B:そうだね。今考えても興味深い領域で起業をしたよ。
FlightCasterというフライトの遅延を予測するプロダクトを作っていた。その後、NextJump売却したんだ。あの時も本当に良いチームに恵まれていたよ。みんな素晴らしい才能と起業家精神を持っていたし、AIシステムにも手を出すことができた。あれは、とても良い経験になったよ。こういう経歴が投資家を惹き付けたという部分もあると思う。


S:あなたは、Data CollectiveというVCも運営していますね。どんな会社に投資をしているのですか?
B:ビックデータ関連の会社に投資をしているよ。また、B2BだけじゃなくてB2Cにも投資をしているんだ。Prismaticみたいにね。でも、今はほとんどの時間をPrismaticに費やしているよ、2つのことを同時にするには時間がなさ過ぎるからね(笑)


S:日本語版のローンチを待っているユーザーにメッセージをお願いします。
B:Coming Soon! (笑) 今、日本語バージョンの開発を頑張っているよ!英語ばかりのコンテンツで退屈かもしれないけど、待っていておくれ!

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