日本のスタートアップを世界のスタートアップに、500StartupsパートナーMarvin Liaoへのインタビュー



ベイエリアの投資家へのインタビューシリーズ。今回は、米国の著名アクセラレーターである500StartupsのパートナーMarvin Liao氏にインタビューを行った。500Startupsは、日本からもWHILLUndaAppsociallyなどのスタートアップが参加していたアクセラレータープログラムだ。500Startupsはどのように参加チームをサポートするのか、選考を行う上で重視していること、サンフランシスコでバッジを新設した理由などについてお話を伺うことができた。

どこよりも国際的なアクセラレーター



Q:バッジ8は初めてサンフランシスコで開催されたバッジですが、従来のマウンテンビューに加えサンフランシスコにバッジを新設したのは、どのような意図があるのですか?
もともと我々のゴールは、素晴らしいスタートアップをプログラムから輩出することだ。今回、 そのゴールを達成するために、少し賭けに出てみた。シリコンバレーに限らず、サンフランシスコには素晴らしいチームがたくさんいるから、多くの優秀な人材に参加してもらえるのではないかと考えたんだ。現在、500Startupsのプログラムはとても国際的で、海外からの参加者が多い。そんな彼らにとって、サンフランシスコは都会でアクセスしやすいしね。この場所は、シリコンバレーに位置するマウンテンビューに負けないくらい魅力的な場所だよ。


Q:選考ではどのような基準でチームを選んでいるのですか?

多くのポイントを見ているよ。特にチーム!チームが1番大切だと考えている。ゴールに辿り着くために適した、バランスの取れたチームが魅力的だ。ビジネス系のファウンダーだって構わない。あと、ビジネスのポテンシャルももちろん見ているが、そのビジネスが本物だと証明するためにトラクションがあれば尚良いね。ユーザー数、売上の成長率、セールスの伸び、重要になりうるパートナーが獲得できているかなどを見ている。


Q:やはりトラクションを作ることは重要なのですね。
多くのスタートアップが様々なアイディアを持っているけど、100万、200万のダウンロードがあったり、月々$500,000の売上がたっているチームに対して、そのビジネスに文句をつけることはできないからね。トラクションというのは、解決しようとしている問題が本物なのかどうかを証明する1番の方法だと思う。また、たとえ少ない人数でもユーザーがお金を払っている状態はとても魅力的なんだ。取り組んでいる問題に価値があるというシグナルだからね。


Q:500Startupsのバッジに参加したチームは、どのようなサポートを受けられるのですか?
バッジに参加したチームは、200人を越えるメンターにアクセス可能になる。各々が専門家で、UX/UIのプロフェッショナルや、技術系、マーケティング、資金調達、スタートアップを複数立上げた経験のある人間など分野は多岐に渡るよ。彼らがユーザー獲得の術やスタートアップの立ち上げ方など様々なことを教えてくれる。このような専門家のネットワークに、500のプログラムに参加したチームはいつでもアクセスすることが可能なんだ。しかも、シリコンバレーのみならず世界中にそのネットワークを構築しているんだ。

また、優秀なセールスや技術系人材のリクルーティングの手助けも行っている。他にも、ディストリビューションのチームを持っていることは武器だと思う。彼らは顧客獲得に関して一流のノウハウを持っていてユーザーの獲得に間違いなく貢献できる。このディストリビューションチームが500Startupの最大の売りだと言っても過言ではないね。もし最高のプロダクトを作ったとしても、どのように売るのか、どのように広めるのかを知らなければ、台無しになってしまう。そのようなことが起こらないように、500は全力でサポートしていくよ。


Q:バッジ8のDemo Dayにはどれくらいの投資家が出席したのですか?

バッジ8のDemo Dayには、300人以上の投資家が参加したよ。バッジ7も相当大規模だったけど、バッジ8が今までで1番多くの投資家を集めたと思う。


Q:500Startupsと他のアクセラレータープログラムの違いは何ですか?
いくつかのアクセラレーターは、モバイルにフォーカスしたり、ハードウェアに特化したり、特定の分野に絞っているよね。一方で、我々は幅広いジャンルのスタートアップを受け入れているんだ。

また、1番大きな違いは、我々はどのアクセラレータープログラムよりもインターナショナルであるということだ。海外からの参加者を積極的に受け入れていて、多様性を大切にしている。女性のファウンダーも多いしね。あと、先述したようにディストリビューションにフォーカスしている点も大きな特徴だと思う。


Q:いくつかの日本のスタートアップは、ビジネスをグローバルに展開するために、米国市場への進出を考えています。しかし、米国に十分なコネクションがなかったり、言語の壁などがあり苦戦している印象を受けます。そういったチームにとって、500Startupsは最適なプログラムになると思うのですが。その点はいかがでしょう?

その通りだ。500に参加することはビジネスをグローバルに展開にあたり効率的な手段だと思う。瞬時に多くのネットワークに繋がることができるからね。先述したように、世界中の専門家のノウハウにアクセスできるようになるんだ。あと、AppSociallyという日本から参加したチームがいて、彼らは米国市場を狙うにあたり、我々のプログラムに魅力を感じてくれたらしい。彼らのマインドセットは素晴らしいよ。

ただ、日本人にとって英語は克服すべき課題だと思う。もし僕が中国でプロダクトをローンチするとき、中国語が分からなかったらそれは相当なディスアドバンテージになるからね。


Q:世界中の顧客に使ってもらえるビジネスを作りたい場合、最初からベイエリアで始めるべきか、それともまずは日本で始めるべきか、この点に関してはどう考えますか?

個人的な意見では、グリーバルにビジネスをはじめたいからといって全てのチームがベイエリアに来ることが必須だとは思わない。我々のプログラムに参加してく れるのであれば、グローバル展開に関しては、とても役に立てると思う、ただ全てのチームに来るべきと言うつもりはないんだ。

まず、落ち着いて自分のビジネスをよく理解することが大切だと思う。B2Cのビジネスか、B2Bのビジネスのビジネスなのかによって状況はまったく異なるだろう。これも個人的な意見だけど、コンシューマー向けのプロダクトで、日本からサービスをはじめて世界規模に成長させるのはすごく大変なことだと思う。一方でB2Bは、まったく状況が異なる。ヨーロッパでやるのがいいのか、米国でやるのがいいのか事業の内容によって変えるべきだ。今では素晴らしいSaaSのソフトウェアを開発する会社がヨーロッパや、ロシア、アジアから生まれている。もちろん、米国からもね。ただし、様々な文化圏の顧客を理解するという点では、多様性を持っている米国ではじめるのは悪いことではない。


Q:プログラムの選考を突破するTipsをください。

Angel Listやアプロケーションフォームを正しく埋めようと言いたいね。たまに、自分達の取り組んでいることや、目指していることをしっかりと説明できていないチームがいるんだ。また、既に500Startupsのプログラムに参加しているチームと良い関係を築くことも重要だ。『おお、あいつ知ってるよ。とても優秀なファウンダーだ。』という紹介は良いチームを見つけるためにとても役に立つね。紹介があるからといって選考を通過できる保証はないけど、他の候補者より目立つことはできると思うよ。


Q:アクセラレーターのプログラムを他の都市や国に拡大する計画はありますか?
今は、SFに広げたばかりだからね。まだ分からないよ。でも代表のDaveはその点には積極的で、国を超えてメキシコでも新たにバッジを開始したんだ。マウンテンビューに加え て、サンフランシスコ、メキシコで合計3つになる。今はそれだけで大忙しだ(笑)。でもコミュニティはもっともっと広げていきたい。日本や韓国も含め世界中にメンターがいるし、そういう形で広がりは持っているからね。

500Startupsのアクセラレータープログラムへの応募はこちらから。

日本のスタートアップを世界のスタートアップに、500StartupsパートナーMarvin Liaoへのインタビュー



ベイエリアの投資家へのインタビューシリーズ。今回は、米国の著名アクセラレーターである500StartupsのパートナーMarvin Liao氏にインタビューを行った。500Startupsは、日本からもWHILLUndaAppsociallyなどのスタートアップが参加していたアクセラレータープログラムだ。500Startupsはどのように参加チームをサポートするのか、選考を行う上で重視していること、サンフランシスコでバッジを新設した理由などについてお話を伺うことができた。

どこよりも国際的なアクセラレーター



Q:バッジ8は初めてサンフランシスコで開催されたバッジですが、従来のマウンテンビューに加えサンフランシスコにバッジを新設したのは、どのような意図があるのですか?
もともと我々のゴールは、素晴らしいスタートアップをプログラムから輩出することだ。今回、 そのゴールを達成するために、少し賭けに出てみた。シリコンバレーに限らず、サンフランシスコには素晴らしいチームがたくさんいるから、多くの優秀な人材に参加してもらえるのではないかと考えたんだ。現在、500Startupsのプログラムはとても国際的で、海外からの参加者が多い。そんな彼らにとって、サンフランシスコは都会でアクセスしやすいしね。この場所は、シリコンバレーに位置するマウンテンビューに負けないくらい魅力的な場所だよ。


Q:選考ではどのような基準でチームを選んでいるのですか?

多くのポイントを見ているよ。特にチーム!チームが1番大切だと考えている。ゴールに辿り着くために適した、バランスの取れたチームが魅力的だ。ビジネス系のファウンダーだって構わない。あと、ビジネスのポテンシャルももちろん見ているが、そのビジネスが本物だと証明するためにトラクションがあれば尚良いね。ユーザー数、売上の成長率、セールスの伸び、重要になりうるパートナーが獲得できているかなどを見ている。


Q:やはりトラクションを作ることは重要なのですね。
多くのスタートアップが様々なアイディアを持っているけど、100万、200万のダウンロードがあったり、月々$500,000の売上がたっているチームに対して、そのビジネスに文句をつけることはできないからね。トラクションというのは、解決しようとしている問題が本物なのかどうかを証明する1番の方法だと思う。また、たとえ少ない人数でもユーザーがお金を払っている状態はとても魅力的なんだ。取り組んでいる問題に価値があるというシグナルだからね。


Q:500Startupsのバッジに参加したチームは、どのようなサポートを受けられるのですか?
バッジに参加したチームは、200人を越えるメンターにアクセス可能になる。各々が専門家で、UX/UIのプロフェッショナルや、技術系、マーケティング、資金調達、スタートアップを複数立上げた経験のある人間など分野は多岐に渡るよ。彼らがユーザー獲得の術やスタートアップの立ち上げ方など様々なことを教えてくれる。このような専門家のネットワークに、500のプログラムに参加したチームはいつでもアクセスすることが可能なんだ。しかも、シリコンバレーのみならず世界中にそのネットワークを構築しているんだ。

また、優秀なセールスや技術系人材のリクルーティングの手助けも行っている。他にも、ディストリビューションのチームを持っていることは武器だと思う。彼らは顧客獲得に関して一流のノウハウを持っていてユーザーの獲得に間違いなく貢献できる。このディストリビューションチームが500Startupの最大の売りだと言っても過言ではないね。もし最高のプロダクトを作ったとしても、どのように売るのか、どのように広めるのかを知らなければ、台無しになってしまう。そのようなことが起こらないように、500は全力でサポートしていくよ。


Q:バッジ8のDemo Dayにはどれくらいの投資家が出席したのですか?

バッジ8のDemo Dayには、300人以上の投資家が参加したよ。バッジ7も相当大規模だったけど、バッジ8が今までで1番多くの投資家を集めたと思う。


Q:500Startupsと他のアクセラレータープログラムの違いは何ですか?
いくつかのアクセラレーターは、モバイルにフォーカスしたり、ハードウェアに特化したり、特定の分野に絞っているよね。一方で、我々は幅広いジャンルのスタートアップを受け入れているんだ。

また、1番大きな違いは、我々はどのアクセラレータープログラムよりもインターナショナルであるということだ。海外からの参加者を積極的に受け入れていて、多様性を大切にしている。女性のファウンダーも多いしね。あと、先述したようにディストリビューションにフォーカスしている点も大きな特徴だと思う。


Q:いくつかの日本のスタートアップは、ビジネスをグローバルに展開するために、米国市場への進出を考えています。しかし、米国に十分なコネクションがなかったり、言語の壁などがあり苦戦している印象を受けます。そういったチームにとって、500Startupsは最適なプログラムになると思うのですが。その点はいかがでしょう?

その通りだ。500に参加することはビジネスをグローバルに展開にあたり効率的な手段だと思う。瞬時に多くのネットワークに繋がることができるからね。先述したように、世界中の専門家のノウハウにアクセスできるようになるんだ。あと、AppSociallyという日本から参加したチームがいて、彼らは米国市場を狙うにあたり、我々のプログラムに魅力を感じてくれたらしい。彼らのマインドセットは素晴らしいよ。

ただ、日本人にとって英語は克服すべき課題だと思う。もし僕が中国でプロダクトをローンチするとき、中国語が分からなかったらそれは相当なディスアドバンテージになるからね。


Q:世界中の顧客に使ってもらえるビジネスを作りたい場合、最初からベイエリアで始めるべきか、それともまずは日本で始めるべきか、この点に関してはどう考えますか?

個人的な意見では、グリーバルにビジネスをはじめたいからといって全てのチームがベイエリアに来ることが必須だとは思わない。我々のプログラムに参加してく れるのであれば、グローバル展開に関しては、とても役に立てると思う、ただ全てのチームに来るべきと言うつもりはないんだ。

まず、落ち着いて自分のビジネスをよく理解することが大切だと思う。B2Cのビジネスか、B2Bのビジネスのビジネスなのかによって状況はまったく異なるだろう。これも個人的な意見だけど、コンシューマー向けのプロダクトで、日本からサービスをはじめて世界規模に成長させるのはすごく大変なことだと思う。一方でB2Bは、まったく状況が異なる。ヨーロッパでやるのがいいのか、米国でやるのがいいのか事業の内容によって変えるべきだ。今では素晴らしいSaaSのソフトウェアを開発する会社がヨーロッパや、ロシア、アジアから生まれている。もちろん、米国からもね。ただし、様々な文化圏の顧客を理解するという点では、多様性を持っている米国ではじめるのは悪いことではない。


Q:プログラムの選考を突破するTipsをください。

Angel Listやアプロケーションフォームを正しく埋めようと言いたいね。たまに、自分達の取り組んでいることや、目指していることをしっかりと説明できていないチームがいるんだ。また、既に500Startupsのプログラムに参加しているチームと良い関係を築くことも重要だ。『おお、あいつ知ってるよ。とても優秀なファウンダーだ。』という紹介は良いチームを見つけるためにとても役に立つね。紹介があるからといって選考を通過できる保証はないけど、他の候補者より目立つことはできると思うよ。


Q:アクセラレーターのプログラムを他の都市や国に拡大する計画はありますか?
今は、SFに広げたばかりだからね。まだ分からないよ。でも代表のDaveはその点には積極的で、国を超えてメキシコでも新たにバッジを開始したんだ。マウンテンビューに加え て、サンフランシスコ、メキシコで合計3つになる。今はそれだけで大忙しだ(笑)。でもコミュニティはもっともっと広げていきたい。日本や韓国も含め世界中にメンターがいるし、そういう形で広がりは持っているからね。

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