クライアントは数百社、日米を代表するSEOツールのこれまでを辿る、GinzaMetrics創業者Ray Grieselhuberへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、GinzaMetricsの創業者兼CEOであるRay Grieselhuber氏にインタビューを行った。GinzaMetricsは、エンタープライズ向けにSEO管理&分析ダッシュボードを開発しているスタートアップだ。Y Combinatorの2010年冬期を卒業しており、応募当時はGrieselhuber氏1人で選考を通過したという稀有な経験を持つ。※Grieselhuber氏は日本語が堪能だが、今回は英語でインタビューを実施した。彼の実際の日本語は本記事での表現より丁寧な場合があるので先に断っておく。

現在クライアント数は数百社、はじまりはパワーポイントのみでの営業だった


Q1. GinzaMetricsのプロダクトについてお伺いします。GinzaMetricsはどのようなプロダクトですか?

GinzaMetricsは、マーケティングと分析のプラットフォームなんだ。自社に大きなマーケティングチームを持っているグローバル企業や、EC企業にコンテンツマーケティングとSEOを効果的に行うためのテクノロジーを提供しているよ。多くの企業がマーケティングにお金を払っているが、リターンが明確に見えないことも多い。しかし、オーガニックトラフィックを生む、クオリティーの高いコンテンツをつくれば、長期的な成長、より高い利益、売上を実現することができ、顧客のローヤリティを高めることができるんだ。そのためのプロセスを管理するのは難しいんだけど、GinzaMetricsは、そのプロセス全体の管理を手助けして効率的にマーケティングを行うためのプラットフォームだよ。


Q2. GinzaMetricsと他のSEOツールとの違いは何ですか?

私たちは規模の小さい会社ではなく大企業に集中してるんだ。スタートアップもあるが、だいたいはより大きな企業で、国営企業や、民間の大企業なんだ。とても大きなウェブサイトのポートフォリオまでスケールするテクノロジーを開発し、これまでに手に入れられなかった量の濃いデータを提供できるんだ。


Q3. SEOにおいて最も大切なことは何ですか?

質の高い記事、独自性の高いコンテンツだね。


Q4. SEOに関する典型的な勘違いは何ですか?

たくさんの間違った認識があるが、一度やって終わり、一旦最適化してほっとけば良いというものではないということだね。なぜならものごとは変わり続けていて、競合も色んな手段を使ってくるからね。SEOを成功させるコツは企業全体の文化や、プロダクト全体にうまく組み込むことだね。


Q5. トラクションに関してお聞かせ下さい、どのくらいユーザーがいますか?

数値は公開していませんが、数百のクライアントがいるよ。


Q6. どのようにクライアントを獲得しているのですか?たくさんの営業マンを抱えているとか?

営業マンはそんなに多くはないね。私たちの最も大きな営業部隊は東京にあるんだ。なぜなら東京では企業と関係を築くために多くの対人営業が必要だからね。これからさらに採用していこうと考えているよ。ただ、常にたくさんインバウンドでの引き合いもあるんだ。また、ウェビナーやセミナー、イベント、ブログ投稿も行っていて、そこからの獲得も多いね。


Q7. メインの顧客は日本とアメリカどちらですか?

半々だね。日本とアメリカが40%ずつで、20%が他の国だよ。


Q8. どの企業がGinzaMetricsを導入しているのか、いくつか例を教えてください?

アメリカでは、ファションのThe Limitedや大きいポータルのChugg、日本ではドクターシーラボ、リクルートなどの大企業が導入しているよ。


Q9. 日本とアメリカでのSEOに関するリテラシーの違いはありますか?

アメリカはより発達しているけど、日本はアメリカに早いペースで追いついてきてるね。2年前は差が大きかったけど、ここ2年で日本は特に成長してきている。アメリカの企業が苦手で日本企業が得意なのは、プロセス構築だね。アメリカの企業は戦略に気をつかうけど、プロセスにはそこまで時間をかけない傾向があるね。


Q10. あなたのバックグラウンドについてお聞かせください。
僕はエンジニアで技術的バックグラウンドがあるんだ。GinzaMetricsを始める7年前から、企業のソフトウェア開発で様々な役割を担当して、GinzaMetricsの2年前にオンラインマーケティングの世界に携わり始め、そのときにオンラインマーケティングに興味を持ち始めたんだ。


Q11. Y combinatorに参加して、最も良かったことは何ですか?

短期間でたくさんのことを学ぶことができた。エンジニアだったから資金調達、ブランディングやマーケティング、営業の経験、シリコンバレーでのコネクションもなく、どうベンチャーキャピタルとコミュニケーションをとればいいかも分からなかったけど、これら全てを短い時間で学ぶことができたよ。


Q12. YCへは何人で応募しましたか?

1人で応募したよ。


Q13. そうなんですね!1人で応募して通るのは大変めずらしいケースです。どうしてYCに入れたと思いますか?

エンジニアとしての能力と、大きなマーケットに対するビジョンや専門性を見ていたね。チームがなくてもマーケットに対する知識を持っていたし、プロダクトを開発する方法が分かっていたから入れたと思うよ。


Q14. 日本のスタートアップにYCに入るためのアドバイスはありますか?

1番大事なのはトラクションだね。価値のあるマーケットに対する理解、どのようにそのマーケットにアプローチするか、セグメンテーションの仕方、みんな4兆円のマーケットを目指すというけど、そんなことは決してなくて、小さいところからはじめて、どのように長期的な成長が可能なセグメンテーションをして、そこにリーチするかということだね。


Q15. YCに入る前にトラクションはありましたか?

日本のクライアントをいくつか獲得していたよ。


Q16. どのようにして日本のクライアントを獲得しましたか?

たくさん営業しただけだよ。パワーポイントの資料を持っていって、3ヶ月でこれをつくるけどできたら使いますか?と聞き、いくつかの企業が使いたいと答えたんだ。特にひとつの企業が熱烈に支持してくれた。そして彼らが使い始めてくれたのだけど、最初のプロダクトはひどかったから全部つくり直さなければならなかったよ。


Q17. 日本の潜在顧客に対して何かメッセージをください。

3年か5年の計画で自社のオウンドメディアを上手く機能させたいなら、どのようにそれを成し遂げたいのか考え、戦略的にやることだ。多くの企業がマーケティングやテレビCMに大金を払っていて、それはそれで良いけど、いつも売上や効果をはかることができるとは限らない。少なくとも向こう2, 3年のデジタルマーケティングはオウンドメディアが主役になるから、そこにしっかり戦略を持って取り組むことはとても大事だよ。

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クライアントは数百社、日米を代表するSEOツールのこれまでを辿る、GinzaMetrics創業者Ray Grieselhuberへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、GinzaMetricsの創業者兼CEOであるRay Grieselhuber氏にインタビューを行った。GinzaMetricsは、エンタープライズ向けにSEO管理&分析ダッシュボードを開発しているスタートアップだ。Y Combinatorの2010年冬期を卒業しており、応募当時はGrieselhuber氏1人で選考を通過したという稀有な経験を持つ。※Grieselhuber氏は日本語が堪能だが、今回は英語でインタビューを実施した。彼の実際の日本語は本記事での表現より丁寧な場合があるので先に断っておく。

現在クライアント数は数百社、はじまりはパワーポイントのみでの営業だった


Q1. GinzaMetricsのプロダクトについてお伺いします。GinzaMetricsはどのようなプロダクトですか?

GinzaMetricsは、マーケティングと分析のプラットフォームなんだ。自社に大きなマーケティングチームを持っているグローバル企業や、EC企業にコンテンツマーケティングとSEOを効果的に行うためのテクノロジーを提供しているよ。多くの企業がマーケティングにお金を払っているが、リターンが明確に見えないことも多い。しかし、オーガニックトラフィックを生む、クオリティーの高いコンテンツをつくれば、長期的な成長、より高い利益、売上を実現することができ、顧客のローヤリティを高めることができるんだ。そのためのプロセスを管理するのは難しいんだけど、GinzaMetricsは、そのプロセス全体の管理を手助けして効率的にマーケティングを行うためのプラットフォームだよ。


Q2. GinzaMetricsと他のSEOツールとの違いは何ですか?

私たちは規模の小さい会社ではなく大企業に集中してるんだ。スタートアップもあるが、だいたいはより大きな企業で、国営企業や、民間の大企業なんだ。とても大きなウェブサイトのポートフォリオまでスケールするテクノロジーを開発し、これまでに手に入れられなかった量の濃いデータを提供できるんだ。


Q3. SEOにおいて最も大切なことは何ですか?

質の高い記事、独自性の高いコンテンツだね。


Q4. SEOに関する典型的な勘違いは何ですか?

たくさんの間違った認識があるが、一度やって終わり、一旦最適化してほっとけば良いというものではないということだね。なぜならものごとは変わり続けていて、競合も色んな手段を使ってくるからね。SEOを成功させるコツは企業全体の文化や、プロダクト全体にうまく組み込むことだね。


Q5. トラクションに関してお聞かせ下さい、どのくらいユーザーがいますか?

数値は公開していませんが、数百のクライアントがいるよ。


Q6. どのようにクライアントを獲得しているのですか?たくさんの営業マンを抱えているとか?

営業マンはそんなに多くはないね。私たちの最も大きな営業部隊は東京にあるんだ。なぜなら東京では企業と関係を築くために多くの対人営業が必要だからね。これからさらに採用していこうと考えているよ。ただ、常にたくさんインバウンドでの引き合いもあるんだ。また、ウェビナーやセミナー、イベント、ブログ投稿も行っていて、そこからの獲得も多いね。


Q7. メインの顧客は日本とアメリカどちらですか?

半々だね。日本とアメリカが40%ずつで、20%が他の国だよ。


Q8. どの企業がGinzaMetricsを導入しているのか、いくつか例を教えてください?

アメリカでは、ファションのThe Limitedや大きいポータルのChugg、日本ではドクターシーラボ、リクルートなどの大企業が導入しているよ。


Q9. 日本とアメリカでのSEOに関するリテラシーの違いはありますか?

アメリカはより発達しているけど、日本はアメリカに早いペースで追いついてきてるね。2年前は差が大きかったけど、ここ2年で日本は特に成長してきている。アメリカの企業が苦手で日本企業が得意なのは、プロセス構築だね。アメリカの企業は戦略に気をつかうけど、プロセスにはそこまで時間をかけない傾向があるね。


Q10. あなたのバックグラウンドについてお聞かせください。
僕はエンジニアで技術的バックグラウンドがあるんだ。GinzaMetricsを始める7年前から、企業のソフトウェア開発で様々な役割を担当して、GinzaMetricsの2年前にオンラインマーケティングの世界に携わり始め、そのときにオンラインマーケティングに興味を持ち始めたんだ。


Q11. Y combinatorに参加して、最も良かったことは何ですか?

短期間でたくさんのことを学ぶことができた。エンジニアだったから資金調達、ブランディングやマーケティング、営業の経験、シリコンバレーでのコネクションもなく、どうベンチャーキャピタルとコミュニケーションをとればいいかも分からなかったけど、これら全てを短い時間で学ぶことができたよ。


Q12. YCへは何人で応募しましたか?

1人で応募したよ。


Q13. そうなんですね!1人で応募して通るのは大変めずらしいケースです。どうしてYCに入れたと思いますか?

エンジニアとしての能力と、大きなマーケットに対するビジョンや専門性を見ていたね。チームがなくてもマーケットに対する知識を持っていたし、プロダクトを開発する方法が分かっていたから入れたと思うよ。


Q14. 日本のスタートアップにYCに入るためのアドバイスはありますか?

1番大事なのはトラクションだね。価値のあるマーケットに対する理解、どのようにそのマーケットにアプローチするか、セグメンテーションの仕方、みんな4兆円のマーケットを目指すというけど、そんなことは決してなくて、小さいところからはじめて、どのように長期的な成長が可能なセグメンテーションをして、そこにリーチするかということだね。


Q15. YCに入る前にトラクションはありましたか?

日本のクライアントをいくつか獲得していたよ。


Q16. どのようにして日本のクライアントを獲得しましたか?

たくさん営業しただけだよ。パワーポイントの資料を持っていって、3ヶ月でこれをつくるけどできたら使いますか?と聞き、いくつかの企業が使いたいと答えたんだ。特にひとつの企業が熱烈に支持してくれた。そして彼らが使い始めてくれたのだけど、最初のプロダクトはひどかったから全部つくり直さなければならなかったよ。


Q17. 日本の潜在顧客に対して何かメッセージをください。

3年か5年の計画で自社のオウンドメディアを上手く機能させたいなら、どのようにそれを成し遂げたいのか考え、戦略的にやることだ。多くの企業がマーケティングやテレビCMに大金を払っていて、それはそれで良いけど、いつも売上や効果をはかることができるとは限らない。少なくとも向こう2, 3年のデジタルマーケティングはオウンドメディアが主役になるから、そこにしっかり戦略を持って取り組むことはとても大事だよ。

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