19歳で来日、4年で15,000社のクライアントを獲得する企業に、MakeLeaps創業者Jason Winderへのインタビュー



著名起業家へのインタビューシリーズ。今回は、MakeLeapsの創業者であるJason Winder氏にインタビューを行った。MakeLeapsは、請求書、見積書といった営業・経理業務に必要不可欠な書類をオンライン上で一元管理・送付することができるツールを開発している日本をベースにしたスタートアップだ。AngelListのシンジケート投資を日本ベースのスタートアップではじめて活用し、AngelListの創業者Naval Ravikant氏や500 Startupsの創業者Dave McClure氏などから資金を調達している。自社で運営しているブログが面白いのでおすすめ。※Jason Winder氏は日本語が堪能だが、今回は英語でインタビューを実施した。彼の実際の日本語は本記事での表現より丁寧なので先に断っておく。

19歳で来日、4年で15,000社のクライアントを獲得する企業に



Q1. プロダクトについて教えてください。
MakeLeapsは日本の企業向けに請求書の作成や送付を手助けするクラウド型の請求書管理ツールだ。日本はいろんな意味で進んでいる国なのに、請求書に関してはオーストラリアやアメリカ、シンガポールなどの会社がオンラインのクラウド請求書管理ツールを使用しているのとは違いみんなエクセルで送っていた。

私は19歳のときに空手を学びに来日、その一年後に日本で最初の会社を始めるに至った。その後その会社は急激に成長し、毎月エクセルで30~40の請求書を作成するようになり、月末に3人で1週間かけてその作業を行っていたんだ。営業やマーケティングに使えるだろう貴重な時間をつかってね。正に悪夢だったよ。それは2004年頃の話で、当時はあまりふさわしいソフトウェアがなくて、既存のソフトウェアは英語のみだったんだ。なので、自分たちで請求書を作成するのを簡単にして、メールで遅れるソフトウェアを開発することにしたんだ。結果、3人で1週間かかっていたのが、1人で50分でできるようになったんだよ。それによって、会社が他の業務によりリソースを使うことが可能になり会社が更に成長していったんだ。

これをきっかけにソフトウェアを開発することが私の趣味になって、作ったものをよく友人に見せていたんだ。そうすると友人の経営者たちからそのソフトウェアを使わせてくれと頼まれるようになった。そして、ある日ある友人からいくらでも良いからそのソフトを売ってくれと言われたことをきっかけに、他の会社でも使えるソフトをつくることにしたんだ。その頃Paul Oswaldという知り合いに状況を話して、一から汎用性のあるプロダクトをつくりたいんだけど、一緒にやってくれないかと頼んだところ、『もちろん、数ヶ月やってみようと言ってくれたんだ。』それが4年前の話だ。今では日本全国15,000以上のフリーランサーから上場企業までが我々のプロダクトを使用しているよ。私たちは日本の企業が退屈で無駄な作業なしに、企業を成長させる手助けをしたいんだ。今ではそれが我々のミッションになっている。


Q2. 現在どのくらいクライアントを獲得しているのですか?
約4年前の2010年に始めて、いまでは約15,000の企業が登録しているよ。


Q3. MakeLeapsを運営する上で最も難しいことはなんですか?

誰も使っていないうちは売るのが難しかったよ。製品に興味を持ってもらっても、他に誰が使っているのかと聞かれて、まだ誰も使ってないと言うとみんなに断られてしまったんだ。特に日本では他に誰がその製品を使っているかどうかで判断する傾向があるからね。いまではたくさんの企業に使用していただいていて、他の企業へ紹介してくれたりもするけど、当初はセールスがとても難しかったね。


Q4. どのような企業があなたのプロダクトを使っていますか?

フリーンランサーや中小企業が多いね。ただ、現在では大企業も多く使いはじめているよ。例えば、15人もの人材が数千枚もの請求書管理業務に3週間とられているのに気付くといった感じでね。これは本当にクレイジーなことだ。もしソフトウェアがあればこの人たちはより会社のためになることに時間を割けるし、ミスやエラーも減るからね。だから、より多くの大企業が我々に興味を持ってくれている。


Q5. 競合はどの企業ですか?OdeskやElance、Crowd Worksなどのクラウドソーシングでしょうか?

こういうとちょっと馬鹿げて聞こえるかもしれないけどMicrosoftのExcelが競合だ。私たちの顧客は様々な請求書管理ソフトウェアを使うのではなくて、Excelを使って請求書の管理をしているけど、一度ソフトウェアを使うとExcelに戻るのは不可能なんだ。ソフトウェアのほうがとても簡単で使いやすいからね。


Q6. 日本以外でビジネスを展開する予定はありますか?

もちろん、次のステップはアジアだよ。ただ、まだまだ日本でやるべきことがあるから今は日本にフォーカスしている。日本の請求書にはたくさんルールやマナーがあって、とても複雑で難しい。だからはじめは日本にフォーカスしてプロダクトを完璧にする必要があるんだ。プロダクトが充分に良くなったらアジアに展開していきたいと考えている。


Q7. あなたのバックグラウンドについてお聞かせください。なぜ日本に住むようになったのですか?
オーストラリアで生まれて、4歳くらいのときからずっと武道をやっていた。特に日本の伝統的な武道である空手、柔道には一生懸命になったよ。あるときシドニーで素晴らしい武道の先生に出会ってね。彼は毎年3, 4回日本とオーストラリアを行き来して日本で武道を勉強してシドニーで教えていた。彼の名はトニーというんだけど、まるで映画に出てくる人のようで、彼の技はとても格好良かった。トニーから武道を1年間教わっていた18歳の頃、私は世界トップ5の会計事務所の一つであるErnst & Youngで働いていたけれど、ある時彼に「東京で空手を習うために日本に行くべきだ」と言われたんだ。そのアイディアに強く惹かれて周りの人の反対を押し切ってErnst & Youngをやめ、空手を学びに日本に渡ることにした。

当初は3ヶ月だけの予定だったのだけど、2週間後には私は日本を大好きになっていて、もっと長く日本に残ることにしたんだ。それからは職探しに奔走した。20社にアプライしたけど全て断られた。当時は19歳で大学も卒業していないし、ましてや日本語もできなかったからね。面接自体は上手くできたので最終面接までは辿り着くんだけど、いつも最後に年齢を聞かれて断られていた。銀行口座の残高がわずか2万円という頃にようやく、職を得ることができた。それがITサポートの仕事だったんだ。もちろんそのときは日本に残れるなら英語の先生でも清掃の仕事でもなんでも良かったんだけどね。コンピューターを扱うのは得意だったから私にとってぴったりの仕事だったと思う。そして1年間の契約期間が終わりに差し掛かった頃、クライアントの一社が「あなたの会社のボスは嫌いだけど君のことは気に入っているから、うちと契約して働いてくれないか」と言ってくれた。それからフリーランサーとして働きはじめ、会社を作った。日本で会社を始めてかれこれもう12年になるね。


Q8. 日本国外で親しい起業家はいますか?

多くの友人はシリコンバレーに居るよ。例えばAngelList創業者のNaval Ravikant。彼はとてもナイスガイで彼が東京に来るときはいつも会っているんだ。彼の友達が日本に来るときも、彼は私に会うことをすすめてくれる。だから東京の人として多くの海外起業家に会い更にネットワークが広がっていくんだ。

余談だけれど、Hacker Newsを知ってるかい?私はHacker News東京を運営しているんだ。今ではHacker News関西もあるけど、私たちが最初に日本でHacker Newsのイベントをやり始めたんだ。


Q9. MakeLeapsのネクストステップは何ですか?

多くの紙で行われている仕事をクラウドでオンラインで管理できるようにすることだよ。いまの日本の企業の請求書はメールで一方通行のやり取りになっているけど、MakeLeapsはそれをつなげて双方向にし、請求書だけでなく領収書や見積もり、支払いなどを相互にやりとりできるようにしたいんだ。日本の全てのビジネスを100%クラウドで行えるようにすることが目標だね。


Q10. 日本の潜在顧客に対して何かメッセージをください。

"MakeLeaps”という名前には「行き詰まったり退屈な仕事にとらわれている状態からビジネスをジャンプさせる」という意味が込められている。ぜひ一度、30日間MakeLeapsのサービスを試してみてもらいたい。そうすれば請求書の処理も楽になるし、支払いが自動的に素早く行われるようになる。ビジネスがこれまでよりも楽しくなることを保証するよ。それと、サービスに関するフィードバックがあればいつでも歓迎なのでチームにコンタクトして欲しい。

MakeLeapsのページはこちら

19歳で来日、4年で15,000社のクライアントを獲得する企業に、MakeLeaps創業者Jason Winderへのインタビュー



著名起業家へのインタビューシリーズ。今回は、MakeLeapsの創業者であるJason Winder氏にインタビューを行った。MakeLeapsは、請求書、見積書といった営業・経理業務に必要不可欠な書類をオンライン上で一元管理・送付することができるツールを開発している日本をベースにしたスタートアップだ。AngelListのシンジケート投資を日本ベースのスタートアップではじめて活用し、AngelListの創業者Naval Ravikant氏や500 Startupsの創業者Dave McClure氏などから資金を調達している。自社で運営しているブログが面白いのでおすすめ。※Jason Winder氏は日本語が堪能だが、今回は英語でインタビューを実施した。彼の実際の日本語は本記事での表現より丁寧なので先に断っておく。

19歳で来日、4年で15,000社のクライアントを獲得する企業に



Q1. プロダクトについて教えてください。
MakeLeapsは日本の企業向けに請求書の作成や送付を手助けするクラウド型の請求書管理ツールだ。日本はいろんな意味で進んでいる国なのに、請求書に関してはオーストラリアやアメリカ、シンガポールなどの会社がオンラインのクラウド請求書管理ツールを使用しているのとは違いみんなエクセルで送っていた。

私は19歳のときに空手を学びに来日、その一年後に日本で最初の会社を始めるに至った。その後その会社は急激に成長し、毎月エクセルで30~40の請求書を作成するようになり、月末に3人で1週間かけてその作業を行っていたんだ。営業やマーケティングに使えるだろう貴重な時間をつかってね。正に悪夢だったよ。それは2004年頃の話で、当時はあまりふさわしいソフトウェアがなくて、既存のソフトウェアは英語のみだったんだ。なので、自分たちで請求書を作成するのを簡単にして、メールで遅れるソフトウェアを開発することにしたんだ。結果、3人で1週間かかっていたのが、1人で50分でできるようになったんだよ。それによって、会社が他の業務によりリソースを使うことが可能になり会社が更に成長していったんだ。

これをきっかけにソフトウェアを開発することが私の趣味になって、作ったものをよく友人に見せていたんだ。そうすると友人の経営者たちからそのソフトウェアを使わせてくれと頼まれるようになった。そして、ある日ある友人からいくらでも良いからそのソフトを売ってくれと言われたことをきっかけに、他の会社でも使えるソフトをつくることにしたんだ。その頃Paul Oswaldという知り合いに状況を話して、一から汎用性のあるプロダクトをつくりたいんだけど、一緒にやってくれないかと頼んだところ、『もちろん、数ヶ月やってみようと言ってくれたんだ。』それが4年前の話だ。今では日本全国15,000以上のフリーランサーから上場企業までが我々のプロダクトを使用しているよ。私たちは日本の企業が退屈で無駄な作業なしに、企業を成長させる手助けをしたいんだ。今ではそれが我々のミッションになっている。


Q2. 現在どのくらいクライアントを獲得しているのですか?
約4年前の2010年に始めて、いまでは約15,000の企業が登録しているよ。


Q3. MakeLeapsを運営する上で最も難しいことはなんですか?

誰も使っていないうちは売るのが難しかったよ。製品に興味を持ってもらっても、他に誰が使っているのかと聞かれて、まだ誰も使ってないと言うとみんなに断られてしまったんだ。特に日本では他に誰がその製品を使っているかどうかで判断する傾向があるからね。いまではたくさんの企業に使用していただいていて、他の企業へ紹介してくれたりもするけど、当初はセールスがとても難しかったね。


Q4. どのような企業があなたのプロダクトを使っていますか?

フリーンランサーや中小企業が多いね。ただ、現在では大企業も多く使いはじめているよ。例えば、15人もの人材が数千枚もの請求書管理業務に3週間とられているのに気付くといった感じでね。これは本当にクレイジーなことだ。もしソフトウェアがあればこの人たちはより会社のためになることに時間を割けるし、ミスやエラーも減るからね。だから、より多くの大企業が我々に興味を持ってくれている。


Q5. 競合はどの企業ですか?OdeskやElance、Crowd Worksなどのクラウドソーシングでしょうか?

こういうとちょっと馬鹿げて聞こえるかもしれないけどMicrosoftのExcelが競合だ。私たちの顧客は様々な請求書管理ソフトウェアを使うのではなくて、Excelを使って請求書の管理をしているけど、一度ソフトウェアを使うとExcelに戻るのは不可能なんだ。ソフトウェアのほうがとても簡単で使いやすいからね。


Q6. 日本以外でビジネスを展開する予定はありますか?

もちろん、次のステップはアジアだよ。ただ、まだまだ日本でやるべきことがあるから今は日本にフォーカスしている。日本の請求書にはたくさんルールやマナーがあって、とても複雑で難しい。だからはじめは日本にフォーカスしてプロダクトを完璧にする必要があるんだ。プロダクトが充分に良くなったらアジアに展開していきたいと考えている。


Q7. あなたのバックグラウンドについてお聞かせください。なぜ日本に住むようになったのですか?
オーストラリアで生まれて、4歳くらいのときからずっと武道をやっていた。特に日本の伝統的な武道である空手、柔道には一生懸命になったよ。あるときシドニーで素晴らしい武道の先生に出会ってね。彼は毎年3, 4回日本とオーストラリアを行き来して日本で武道を勉強してシドニーで教えていた。彼の名はトニーというんだけど、まるで映画に出てくる人のようで、彼の技はとても格好良かった。トニーから武道を1年間教わっていた18歳の頃、私は世界トップ5の会計事務所の一つであるErnst & Youngで働いていたけれど、ある時彼に「東京で空手を習うために日本に行くべきだ」と言われたんだ。そのアイディアに強く惹かれて周りの人の反対を押し切ってErnst & Youngをやめ、空手を学びに日本に渡ることにした。

当初は3ヶ月だけの予定だったのだけど、2週間後には私は日本を大好きになっていて、もっと長く日本に残ることにしたんだ。それからは職探しに奔走した。20社にアプライしたけど全て断られた。当時は19歳で大学も卒業していないし、ましてや日本語もできなかったからね。面接自体は上手くできたので最終面接までは辿り着くんだけど、いつも最後に年齢を聞かれて断られていた。銀行口座の残高がわずか2万円という頃にようやく、職を得ることができた。それがITサポートの仕事だったんだ。もちろんそのときは日本に残れるなら英語の先生でも清掃の仕事でもなんでも良かったんだけどね。コンピューターを扱うのは得意だったから私にとってぴったりの仕事だったと思う。そして1年間の契約期間が終わりに差し掛かった頃、クライアントの一社が「あなたの会社のボスは嫌いだけど君のことは気に入っているから、うちと契約して働いてくれないか」と言ってくれた。それからフリーランサーとして働きはじめ、会社を作った。日本で会社を始めてかれこれもう12年になるね。


Q8. 日本国外で親しい起業家はいますか?

多くの友人はシリコンバレーに居るよ。例えばAngelList創業者のNaval Ravikant。彼はとてもナイスガイで彼が東京に来るときはいつも会っているんだ。彼の友達が日本に来るときも、彼は私に会うことをすすめてくれる。だから東京の人として多くの海外起業家に会い更にネットワークが広がっていくんだ。

余談だけれど、Hacker Newsを知ってるかい?私はHacker News東京を運営しているんだ。今ではHacker News関西もあるけど、私たちが最初に日本でHacker Newsのイベントをやり始めたんだ。


Q9. MakeLeapsのネクストステップは何ですか?

多くの紙で行われている仕事をクラウドでオンラインで管理できるようにすることだよ。いまの日本の企業の請求書はメールで一方通行のやり取りになっているけど、MakeLeapsはそれをつなげて双方向にし、請求書だけでなく領収書や見積もり、支払いなどを相互にやりとりできるようにしたいんだ。日本の全てのビジネスを100%クラウドで行えるようにすることが目標だね。


Q10. 日本の潜在顧客に対して何かメッセージをください。

"MakeLeaps”という名前には「行き詰まったり退屈な仕事にとらわれている状態からビジネスをジャンプさせる」という意味が込められている。ぜひ一度、30日間MakeLeapsのサービスを試してみてもらいたい。そうすれば請求書の処理も楽になるし、支払いが自動的に素早く行われるようになる。ビジネスがこれまでよりも楽しくなることを保証するよ。それと、サービスに関するフィードバックがあればいつでも歓迎なのでチームにコンタクトして欲しい。

MakeLeapsのページはこちら