狙うは米国4000万のペット飼育家庭、犬向けサービスのトップベンチャーBark&Co - 創業者Matt Meekerへのインタビュー



著名起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Bark&Coの創業者兼CEOであるMatt Meeker氏にインタビューを行った。Bark&Coは、犬向けのプロダクトを多数提供している、ニューヨークを拠点とするスタートアップである。これまでに6つのサービスをローンチしており、その内の1つであるBarkBoxは登録ベースで25万人のユーザーを獲得、Business Insiderの記事によると、課金ユーザーは5万人、月毎の売上は1億円近くに上るという。Matt氏は、Meetup.comの共同創業者であり、過去にNYベースの著名VCであるBoxGroupに籍を置いていた連続起業家だ。

「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」



Q1. まずはBark&Coのご説明からお願いします。
Bark&Coは、「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」ことをミッションに掲げBarkBoxBarkPostBarkBuddyBarkShopBarkCamBarkCare等の事業を運営しています。BarkBoxは月に1回、犬専用のおもちゃなどを入れたパッケージを届けるという配達サービスで、すでに25万人の申し込み人数を達成しています。BarkPostは犬に関するニュースを発信するメディアで、月間700万PVをすでに獲得。そしてBarkBuddyは、Tinderの犬バージョンとも言うべき、犬の欲しい人と子犬のマッチングサービスです。

また、BarkShopは犬向け製品のEコマースサイトで、例えばBarkBoxでは届けられない高級グッズや、箱には入りきれずにお届けできない人気商品などが買えるようになっています。BarkCamは、犬撮影用のカメラアプリで、犬がレンズを見るように音が出ることが特徴です。そして、BarkCareは獣医のオンデマンド診断サービスで、アプリから自宅に獣医をいつでも呼ぶことができます。


Q2. 多くのプロダクトを発表していますが、近い将来新しいサービスのローンチは計画されていますか。
詳細は言えませんが、来年には2,3個新たなサービスを発表しようと考えています。


Q3. 前述の通り、多くのユーザー・顧客を抱えていると思われますが、どのような点を重視して顧客獲得をしてきたのでしょうか。
顧客獲得のために、プロダクトデザインに特に注力しています。ユーザーが商品に始めて接した時に喜び、驚くようなプロダクトを提供することを念頭においています。例えば、BarkBoxでは各顧客にしっかりとパーソナライズされ、選出された商品を迅速に届けることをモットーとしています。また、BarkPostでは読者が興味をそそられるエンターテイメント要素、笑い要素を入れるようにしているのが私達の顧客獲得方法です。

余談ですが、アメリカでは4000万もの家庭が犬を保有しています。言い換えれば、犬とは子供と接するように生活している家庭が4000万あるという意味だと私達は考えています。これらターゲット層の人々にとって魅力的に見えるプロダクトデザインを念頭に我々は日々プロダクトを開発しています。


Q4. アメリカ市場以外への展開は考えていますか。
海外展開を最初から見据えてサービス展開しているわけではないのですが、結果的に海外にもユーザーがいることがわかることが多々あります。例えば、BarkPostはアメリカ以外にイギリスとブラジルに読者がいることが後からわかり、BarkCamにおいてはブラジルに最もユーザーがいることがわかりました。このように、数値データが集まってから各国の市場分析をし、本格的に海外展開するケースが多いです。


Q5. 例えばBarkBoxは日本でも取り寄せることができるのでしょうか。
今のところアメリカからの発送は残念ながら対応していません。これからしっかりと日本市場とユーザー研究を行い、どういったグッズが好まれるかを分析した後に日本でローンチするという形にしようと思っています。


Q6. BarkBoxの売上に関してですが、アメリカ国内ではどの地域が最も売上が高いのでしょうか。
一番売上が高いのがサンフランシスコで、続いてロサンゼルス、ニューヨークとなっています。


Q7. ビジネスをするにおいて、シリコンバレー・サンフランシスコエリアとニューヨークエリアの大きな違いはなんでしょうか。
シリコンバレー・サンフランシスコエリアはよりテックに関して歴史があり、テック系大企業が集まりイノベーションの中心となっています。一方、ニューヨークはイノベーションというより、ビジネスにおいての「成功」を収めた企業が多くいるという印象です。そういう意味で、ニューヨークにはどうやったらスケール、事業拡大、収益を集められるかを考える人が多くいるように見受けられます。


Q8. 近い将来上場や、DogVacayのような犬向けのスタートアップを買収することをお考えでしょうか。
いまのところ、上場や買収などに関しては考えていません。いまは利益をしっかりと出すことに集中したいと思っています。


Q9. BarkPostのコンテンツ作成のために、ライターは自社で雇っているのでしょうか。
はい。BarkPostはすべて自社でオリジナルコンテンツを作っているため、今のところ、27人のライターを自社で雇っています。


Q10. なぜBarkPostの配信を始めようと思ったのでしょうか。コンテンツマーケティングの一貫でしょうか。
BarkPostは純粋にユーザーが喜ぶような犬に関するニュースを配信するためのもので、コンテンツマーケティングというものではありません。また、Bark&Coのプロモーションとも違います。ブランド・マーケティング戦略はBarkPostを通じず行っている状況です。


Q11. Bark&Co創業に至るまでのバックグラウンドをお話し頂けないでしょうか。
前職はVCとしてインキュベーターを運営していました。その前は、meetup.comの共同創業者として約7年会社を経営していました。VCとして活動している時、多くの素晴らしいアイデアに出会い、いろいろ感化される時期でした。ちょうどその頃、自分の飼っている犬はもちろん、多くの犬を幸せにしたいという考えがあり、その考えを基に起業したのが今回のビジネスのきっかけです。


Q12. トップティアVCから資金調達する秘訣はなんでしょうか。
3つあります。1つ目は、ユーザー数などのトラクションが重要だと思います。ユーザー数は言い換えればどのくらいの人々を魅了できているのかという指標です。2つ目は、しっかりとやるべきタスクをこなすことの出来るチームを持っているか。そして3つ目は、市場の大きさが十分なものであるかどうか。この3つがVCが見ている点だと思われます。


Q13. Bark&Coが来年に目指すものはなんでしょうか。
2015年も引き続き収益をしっかりと出せて、私達のミッションである「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」を果たすことです。


Q14. これからBark&Coを利用されるであろう日本人ユーザーにメッセージがあればお願いします。
まだ正式ローンチはできていませんが、ぜひ注目していてください。日本に進出した際はぜひBark&Coのサービスを使ってみてください。

Bark&Coのページはこちらから

狙うは米国4000万のペット飼育家庭、犬向けサービスのトップベンチャーBark&Co - 創業者Matt Meekerへのインタビュー



著名起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Bark&Coの創業者兼CEOであるMatt Meeker氏にインタビューを行った。Bark&Coは、犬向けのプロダクトを多数提供している、ニューヨークを拠点とするスタートアップである。これまでに6つのサービスをローンチしており、その内の1つであるBarkBoxは登録ベースで25万人のユーザーを獲得、Business Insiderの記事によると、課金ユーザーは5万人、月毎の売上は1億円近くに上るという。Matt氏は、Meetup.comの共同創業者であり、過去にNYベースの著名VCであるBoxGroupに籍を置いていた連続起業家だ。

「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」



Q1. まずはBark&Coのご説明からお願いします。
Bark&Coは、「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」ことをミッションに掲げBarkBoxBarkPostBarkBuddyBarkShopBarkCamBarkCare等の事業を運営しています。BarkBoxは月に1回、犬専用のおもちゃなどを入れたパッケージを届けるという配達サービスで、すでに25万人の申し込み人数を達成しています。BarkPostは犬に関するニュースを発信するメディアで、月間700万PVをすでに獲得。そしてBarkBuddyは、Tinderの犬バージョンとも言うべき、犬の欲しい人と子犬のマッチングサービスです。

また、BarkShopは犬向け製品のEコマースサイトで、例えばBarkBoxでは届けられない高級グッズや、箱には入りきれずにお届けできない人気商品などが買えるようになっています。BarkCamは、犬撮影用のカメラアプリで、犬がレンズを見るように音が出ることが特徴です。そして、BarkCareは獣医のオンデマンド診断サービスで、アプリから自宅に獣医をいつでも呼ぶことができます。


Q2. 多くのプロダクトを発表していますが、近い将来新しいサービスのローンチは計画されていますか。
詳細は言えませんが、来年には2,3個新たなサービスを発表しようと考えています。


Q3. 前述の通り、多くのユーザー・顧客を抱えていると思われますが、どのような点を重視して顧客獲得をしてきたのでしょうか。
顧客獲得のために、プロダクトデザインに特に注力しています。ユーザーが商品に始めて接した時に喜び、驚くようなプロダクトを提供することを念頭においています。例えば、BarkBoxでは各顧客にしっかりとパーソナライズされ、選出された商品を迅速に届けることをモットーとしています。また、BarkPostでは読者が興味をそそられるエンターテイメント要素、笑い要素を入れるようにしているのが私達の顧客獲得方法です。

余談ですが、アメリカでは4000万もの家庭が犬を保有しています。言い換えれば、犬とは子供と接するように生活している家庭が4000万あるという意味だと私達は考えています。これらターゲット層の人々にとって魅力的に見えるプロダクトデザインを念頭に我々は日々プロダクトを開発しています。


Q4. アメリカ市場以外への展開は考えていますか。
海外展開を最初から見据えてサービス展開しているわけではないのですが、結果的に海外にもユーザーがいることがわかることが多々あります。例えば、BarkPostはアメリカ以外にイギリスとブラジルに読者がいることが後からわかり、BarkCamにおいてはブラジルに最もユーザーがいることがわかりました。このように、数値データが集まってから各国の市場分析をし、本格的に海外展開するケースが多いです。


Q5. 例えばBarkBoxは日本でも取り寄せることができるのでしょうか。
今のところアメリカからの発送は残念ながら対応していません。これからしっかりと日本市場とユーザー研究を行い、どういったグッズが好まれるかを分析した後に日本でローンチするという形にしようと思っています。


Q6. BarkBoxの売上に関してですが、アメリカ国内ではどの地域が最も売上が高いのでしょうか。
一番売上が高いのがサンフランシスコで、続いてロサンゼルス、ニューヨークとなっています。


Q7. ビジネスをするにおいて、シリコンバレー・サンフランシスコエリアとニューヨークエリアの大きな違いはなんでしょうか。
シリコンバレー・サンフランシスコエリアはよりテックに関して歴史があり、テック系大企業が集まりイノベーションの中心となっています。一方、ニューヨークはイノベーションというより、ビジネスにおいての「成功」を収めた企業が多くいるという印象です。そういう意味で、ニューヨークにはどうやったらスケール、事業拡大、収益を集められるかを考える人が多くいるように見受けられます。


Q8. 近い将来上場や、DogVacayのような犬向けのスタートアップを買収することをお考えでしょうか。
いまのところ、上場や買収などに関しては考えていません。いまは利益をしっかりと出すことに集中したいと思っています。


Q9. BarkPostのコンテンツ作成のために、ライターは自社で雇っているのでしょうか。
はい。BarkPostはすべて自社でオリジナルコンテンツを作っているため、今のところ、27人のライターを自社で雇っています。


Q10. なぜBarkPostの配信を始めようと思ったのでしょうか。コンテンツマーケティングの一貫でしょうか。
BarkPostは純粋にユーザーが喜ぶような犬に関するニュースを配信するためのもので、コンテンツマーケティングというものではありません。また、Bark&Coのプロモーションとも違います。ブランド・マーケティング戦略はBarkPostを通じず行っている状況です。


Q11. Bark&Co創業に至るまでのバックグラウンドをお話し頂けないでしょうか。
前職はVCとしてインキュベーターを運営していました。その前は、meetup.comの共同創業者として約7年会社を経営していました。VCとして活動している時、多くの素晴らしいアイデアに出会い、いろいろ感化される時期でした。ちょうどその頃、自分の飼っている犬はもちろん、多くの犬を幸せにしたいという考えがあり、その考えを基に起業したのが今回のビジネスのきっかけです。


Q12. トップティアVCから資金調達する秘訣はなんでしょうか。
3つあります。1つ目は、ユーザー数などのトラクションが重要だと思います。ユーザー数は言い換えればどのくらいの人々を魅了できているのかという指標です。2つ目は、しっかりとやるべきタスクをこなすことの出来るチームを持っているか。そして3つ目は、市場の大きさが十分なものであるかどうか。この3つがVCが見ている点だと思われます。


Q13. Bark&Coが来年に目指すものはなんでしょうか。
2015年も引き続き収益をしっかりと出せて、私達のミッションである「世界中の犬を幸せに、そして健康にする」を果たすことです。


Q14. これからBark&Coを利用されるであろう日本人ユーザーにメッセージがあればお願いします。
まだ正式ローンチはできていませんが、ぜひ注目していてください。日本に進出した際はぜひBark&Coのサービスを使ってみてください。

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