リモートで働いている全てのプログラマーに最高の開発環境を、ペアプログラミングツールFloobits - 共同創業者Geoff Greerへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Floobitsの共同創業者であるGeoff Greer氏にインタビューを行った。Floobitsは、リモートワーク向けのペアプログラミングサービスである。リアルタイムのターミナル共有やビデオチャット機能など、様々な面でリモートワークを行いやすい環境を提供しているプロダクトだ。 Geoff Greer氏はYコンビネータ出身でRackspaceに買収されたCloudkickにジョインしていた起業家だ。

どこにいてもオフィスと同等にプログラミングができる環境へ



Q1. まずはFloobitsの概要を教えてください。
一言で言うと、Floobitsはリモート・ペアプログラミングツールです。このサービスを使えば、世界中のデベロッパー達がリモートでプログラミングが出来るようになり、ストレス無く、一緒にプロジェクトに取り組むことができます。


Q2. Floobitsの開発に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
ローンチした当初は共同創業者のMatt Kaniaris氏と2人で運営を行っており、その後もう一人のエンジニアを雇いました。ローンチした直後は製品に沢山の欠陥が見つかり、修正に尽力しました。

具体的な例としては3人でビデオチャットをしている際、2人だけが話していると、もう一人は退屈でストレスを感じてしまいます。そのため、最初に取り組んだのはSqwiggle(複数人でチャットやビデオ通話が出来るソフト)をFlootbitsに組み込むことでした。この機能の追加により、話したい時は担当者のみが話す事ができ、担当者以外は作業している姿だけが映し出されるようになりました。結果として、全員の作業を効率化でき、かつ全員がモニターには映っているので程良い仲間同士のプレッシャーを生み出す事が出来ました。


Q3. ユーザー数に関して教えてください。
全体の登録者数は約2万人です。ウィークリーベースで言うと、平均して300 ~ 400ユーザーが、デイリーベースで言うと多い時は100人前後が利用しています。


Q4. どのようにしてユーザーを獲得されたのでしょうか。
ユーザーの獲得方法は全て口コミです。知人に会った際、自分のプロダクトを紹介し、 SNS上のシェア等で拡散してもらっていました。


Q5. ユーザーは主にどの国からの流入なのでしょうか。
メインユーザーの大半はアメリカ人で、その他のユーザーは主にオーストラリア、ニュージーランド、そしてイギリスの方です。


Q6. リモートワークとオフィスワークの違いに関してどうお考えでしょうか。
現時点ではオフィスで行うペアプログラミングの方が、リモート作業に比べ効率的であると考えています。理由としては、オフィスにはあらゆる機器や働く環境がそろっているからです。

しかし、リモートワークが効率的でない原因は、リモート作業を効率的に行うためのソフトウェアが無い事にあると思っています。本来プログラマーの仕事はコードを書く事で、実際はオフィスにいく必要はありません。現にリモートワークに必要なカメラやマイクなどのハードウェアは既に存在しています。ソフトウェアに必要な機能を付加し、どこにいてもオフィスワークと同レベルの作業効率を実現できればリモート作業の方が効率的な働き方になるでしょう。

加えて言えば、リモートコラボには様々なメリットがあります。例えば子供を学校へ見送る時間も持てますし、オフィス内でのウイルス感染も防げます。それに距離的に身近にいなくても、才能ある人材を採用できることが大きな点でしょう。


Q7. これまでの経歴を教えてください。
Floobitsを始める前からMatt Kaniaris氏とペアプログラミングをしていました。そして以前、CloudkickというYコンビネータ(以下YC)輩出のクラウドコンピューティング会社で働いていたのですが、Rackspaceに買収されました。ですが、私にとってRackspaceの規模が大き過ぎ、仕事に対する興味が削がれてしまったんです。そうしてFloobits創業に至りました。


Q8. リモートで働いた経験はありますか?
あります。Cloudkickで働く前、Ask.comが所有するBloglinesと言うウェブサービスを開発しており、その時にリモートで働いていました。当時はビデオチャットもスカイプも無く、連絡手段はもっぱら電話のみで不便しました。


Q9. YCでの経験を教えてください。
YCに参加出来た事により、多くの欠点に気付き、修正する事が出来ました。私達は経営や顧客対応に関してはほとんど経験が無かったのですが、メンターやパートナーから沢山のアドバイスを頂きました。このようなアドバイスの中から、ユーザーがどのようなサービスを求めているのか、ということを常に考えさせられ、非常に有意義でした。

また、火曜日の定例夕食会はとても刺激的なものでした。今週はどのような施策を行ったのか、どんな変化があったかなどの 質問を互いにぶつけ合い、お互いの成果を確認できました。毎週何か具体的な進展がなければいけないと言うプレッシャーは私達を常に刺激的なものでしたね。


Q10. どのメンターもしくはパートナーからのアドバイスが最も役立ちましたか。
パートナーのGarry Tan氏からは多くのアドバイスをいただき、非常に役立ちました。毎回、良い面、悪い面の両方からアドバイスをもらっており、特に悪い面のアドバイスは役立ちました。


Q11. YCに応募した理由はなんだったのでしょうか。
応募した目的はやはり、質の良いアドバイスと資金調達のためです。また前職のCloudkickがYCに入っていたのも大きいです。もしYCにいなければFloobitsを続ける事は不可能だったと今でも思います。


Q12. 今後YCへの応募を考えている起業家へのアドバイスを教えて頂けますか?
応募する際のアドバイスとして、アイデアやチーム構成、規模感は全て大事です。YCのオフィシャルサイトに乗っている記事なども参考になります。ですが、一番の肝は1次選考を通り抜ける為のアプリケーションやプロダクト動画も大事です。

ちなみに1次選考を通り抜けるとインタビューが受けられ、インタビューまで進んだスタートアップの内、約15 ~ 20%がYCへ入学できると聞きました。


Q13. 最後に日本人ユーザーへメッセージをお願いします。
まずはうまく機能し、気に入ってもらえる事を願っています。互換性も高いですし、ぜひ使って頂きたいと思います。

Floobitsのページはこちら。(Contributed by Sonu Goku Toyoda)

リモートで働いている全てのプログラマーに最高の開発環境を、ペアプログラミングツールFloobits - 共同創業者Geoff Greerへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Floobitsの共同創業者であるGeoff Greer氏にインタビューを行った。Floobitsは、リモートワーク向けのペアプログラミングサービスである。リアルタイムのターミナル共有やビデオチャット機能など、様々な面でリモートワークを行いやすい環境を提供しているプロダクトだ。 Geoff Greer氏はYコンビネータ出身でRackspaceに買収されたCloudkickにジョインしていた起業家だ。

どこにいてもオフィスと同等にプログラミングができる環境へ



Q1. まずはFloobitsの概要を教えてください。
一言で言うと、Floobitsはリモート・ペアプログラミングツールです。このサービスを使えば、世界中のデベロッパー達がリモートでプログラミングが出来るようになり、ストレス無く、一緒にプロジェクトに取り組むことができます。


Q2. Floobitsの開発に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
ローンチした当初は共同創業者のMatt Kaniaris氏と2人で運営を行っており、その後もう一人のエンジニアを雇いました。ローンチした直後は製品に沢山の欠陥が見つかり、修正に尽力しました。

具体的な例としては3人でビデオチャットをしている際、2人だけが話していると、もう一人は退屈でストレスを感じてしまいます。そのため、最初に取り組んだのはSqwiggle(複数人でチャットやビデオ通話が出来るソフト)をFlootbitsに組み込むことでした。この機能の追加により、話したい時は担当者のみが話す事ができ、担当者以外は作業している姿だけが映し出されるようになりました。結果として、全員の作業を効率化でき、かつ全員がモニターには映っているので程良い仲間同士のプレッシャーを生み出す事が出来ました。


Q3. ユーザー数に関して教えてください。
全体の登録者数は約2万人です。ウィークリーベースで言うと、平均して300 ~ 400ユーザーが、デイリーベースで言うと多い時は100人前後が利用しています。


Q4. どのようにしてユーザーを獲得されたのでしょうか。
ユーザーの獲得方法は全て口コミです。知人に会った際、自分のプロダクトを紹介し、 SNS上のシェア等で拡散してもらっていました。


Q5. ユーザーは主にどの国からの流入なのでしょうか。
メインユーザーの大半はアメリカ人で、その他のユーザーは主にオーストラリア、ニュージーランド、そしてイギリスの方です。


Q6. リモートワークとオフィスワークの違いに関してどうお考えでしょうか。
現時点ではオフィスで行うペアプログラミングの方が、リモート作業に比べ効率的であると考えています。理由としては、オフィスにはあらゆる機器や働く環境がそろっているからです。

しかし、リモートワークが効率的でない原因は、リモート作業を効率的に行うためのソフトウェアが無い事にあると思っています。本来プログラマーの仕事はコードを書く事で、実際はオフィスにいく必要はありません。現にリモートワークに必要なカメラやマイクなどのハードウェアは既に存在しています。ソフトウェアに必要な機能を付加し、どこにいてもオフィスワークと同レベルの作業効率を実現できればリモート作業の方が効率的な働き方になるでしょう。

加えて言えば、リモートコラボには様々なメリットがあります。例えば子供を学校へ見送る時間も持てますし、オフィス内でのウイルス感染も防げます。それに距離的に身近にいなくても、才能ある人材を採用できることが大きな点でしょう。


Q7. これまでの経歴を教えてください。
Floobitsを始める前からMatt Kaniaris氏とペアプログラミングをしていました。そして以前、CloudkickというYコンビネータ(以下YC)輩出のクラウドコンピューティング会社で働いていたのですが、Rackspaceに買収されました。ですが、私にとってRackspaceの規模が大き過ぎ、仕事に対する興味が削がれてしまったんです。そうしてFloobits創業に至りました。


Q8. リモートで働いた経験はありますか?
あります。Cloudkickで働く前、Ask.comが所有するBloglinesと言うウェブサービスを開発しており、その時にリモートで働いていました。当時はビデオチャットもスカイプも無く、連絡手段はもっぱら電話のみで不便しました。


Q9. YCでの経験を教えてください。
YCに参加出来た事により、多くの欠点に気付き、修正する事が出来ました。私達は経営や顧客対応に関してはほとんど経験が無かったのですが、メンターやパートナーから沢山のアドバイスを頂きました。このようなアドバイスの中から、ユーザーがどのようなサービスを求めているのか、ということを常に考えさせられ、非常に有意義でした。

また、火曜日の定例夕食会はとても刺激的なものでした。今週はどのような施策を行ったのか、どんな変化があったかなどの 質問を互いにぶつけ合い、お互いの成果を確認できました。毎週何か具体的な進展がなければいけないと言うプレッシャーは私達を常に刺激的なものでしたね。


Q10. どのメンターもしくはパートナーからのアドバイスが最も役立ちましたか。
パートナーのGarry Tan氏からは多くのアドバイスをいただき、非常に役立ちました。毎回、良い面、悪い面の両方からアドバイスをもらっており、特に悪い面のアドバイスは役立ちました。


Q11. YCに応募した理由はなんだったのでしょうか。
応募した目的はやはり、質の良いアドバイスと資金調達のためです。また前職のCloudkickがYCに入っていたのも大きいです。もしYCにいなければFloobitsを続ける事は不可能だったと今でも思います。


Q12. 今後YCへの応募を考えている起業家へのアドバイスを教えて頂けますか?
応募する際のアドバイスとして、アイデアやチーム構成、規模感は全て大事です。YCのオフィシャルサイトに乗っている記事なども参考になります。ですが、一番の肝は1次選考を通り抜ける為のアプリケーションやプロダクト動画も大事です。

ちなみに1次選考を通り抜けるとインタビューが受けられ、インタビューまで進んだスタートアップの内、約15 ~ 20%がYCへ入学できると聞きました。


Q13. 最後に日本人ユーザーへメッセージをお願いします。
まずはうまく機能し、気に入ってもらえる事を願っています。互換性も高いですし、ぜひ使って頂きたいと思います。

Floobitsのページはこちら。(Contributed by Sonu Goku Toyoda)