約半年で20倍成長のKamcordがガンホーなどから$15Mを調達、『TwitchがKamcordの分野に参入しない理由』とは



2014年5月に、DeNAやKLab Venturesなどから$7.1Mを調達したモバイルゲームの配信プラットフォームのKamcordが同年12月に新たな調達ラウンドを迎えた。今回の調達額は$15M、リードインベスターは日本のトップゲーミング会社のガンホーだ。この資金調達に伴いKamcordの共同創業者であるAditya Rathnam氏にショートインタビューを行った。Kamcordは著名アクセラレーターのY Combinator出身で、これまでにAndreessen HorowitzやGoogle VenturesなどのトップVCから資金を調達しているチームだ。先日、Kamcordで配信されている動画の本数が大手のTwitchを超えたことを発表した。Kamcordの過去記事はこちら、①プロダクトについて、②日本オフィス開設について

TwitchがKamcordの分野に参入しない理由と、本格的なアジア展開



Q1、新たな発表があるとお伺いしました。その内容についてお話しいただけますか。

我々は6ヶ月前にシリーズAの資金調達を行い、その後驚異的な成長を記録し続けています。具体的な数字に言及すると、Kamcordのプラットフォームにアクセスするデバイスの数が前回の調達から20倍になりました。今後も順調な伸びを記録する見立てがあり、今すぐ資金が必要というわけではありません。ただ、更に攻めの姿勢でこの分野で世界を取りたいと考えているので、我々は次のラウンドを調達することに決めました。

今回は、シリーズBで$15Mの調達です。リードインベスターは日本のゲーム会社のガンホー、他にはテンセント、Wargamingというゲーム業界のビック3がこのラウンドに参加しています。ご存知の通り、ガンホーは日本で1番大きなゲームパブリッシャーです。パズル&ドラゴンは、Kamcordのプラットフォームで配信されているゲームの中ではじめて$1Bのレベニューを生んだタイトルです。クラッシュオブクランよりも早かったことに言及するとこの凄さが分かるでしょう。また、テンセントは中国で1番大きなゲームパブリッシャーです。また、モバイルという括りを外すと、レベニュー面では世界で1番のパブリッシャーになります。次がMicrosoftというと、こちらも凄い数字であるということがお分かりいただけると思います。そして、Wargamingは、人気タイトルのWorld of Tanksをはじめとする人気タイトルを含めると、全世界で1億人規模のユーザーを抱えているゲーム会社です。特にロシアがユーザーベースではダントツだそうです。このようなビック3と組めることは、我々がグローバルで強固なプレゼンスを確立するために相当強力なものになると考えています。


Q2、今回のラウンドに参加したのは、その3社だけですか。

いえ、前回のラウンドに参加をしていたTransLink Capital、Hiro Mashita氏の会社であるM&Y Growth Partners、またRedditの創業者であり会長のAlexis氏などが参加しています。ビック3以外で今回のラウンドに参加したのは以下の方々です。 TransLink Capital, M&Y Growth Partners, Merus Capital, XG Ventures, Reddit Executive Chairman Alexis Ohanian, Garry Tan, Aaron Iba, Harj Taggar, Dror Shimshowitz, and Marc Williamson。


Q3、今後は中国をはじめアジアの市場に進出する計画ですか。

はい、現在アジア諸国の中でフォーカスしているのは日本市場です。先日発表したように日本にオフィスを開設しました。今後は、テクニカルサポートを担当するエンジニアも採用する予定です。そして、しばらくは日本の市場に注力していきます。コミュニティーマネージャーを通じて、もう少し日本のオーディエンス向けにローカライズしていく必要があると考えているからです。例えば、日本のオーディエンスがアプリを開いたら、日本のコンテンツが配信されており、日本語でコメントができるといったような感じです。

そして、2015年には中国と韓国にオフィスを開設しようと考えています。ただ、まずは日本の市場でダントツの№1になることに集中していきたいです。日本を制した後、中国や韓国といったアジア諸国の展開に注力していきます。


Q4、中国、韓国への展開はどのように進んでいるのですか。

弊社代表のMattは韓国に先月訪れ、現地の主要カンファレンスに参加してきました。我々がアジアの国に展開する際の戦略は、まずその国の最大のカンファレンスに足を運び、ゲーム関係の人と会い話しをします。そして、その国で我々の事業の可能性があるのかを判断し、十分なポテンシャルがあると判断した場合にその国でのオペレーションをスタートさせるのです。既に知り合いもいる状態なので、オペレーションをスタートさせ易いですからね。その際に、正しい人にアプローチする必要があるので、その辺りは1番気をつけています。


Q5、アジアでは日本が1番の市場ですか。

はい、Kamcordのユーザーの流入は3分の1のユーザが米国、3分の1がアジア(主に日本)、残りはヨーロッパやインド、サウスアメリアの国々といった割合です。


Q6、アジアにプロダクトを展開する上で、日本・韓国・中国の間で違いを感じるところはどこでしょうか。

ひとつ大きな違いは、日本には多くのビックプレイヤーが存在することです。一方、韓国の市場はKakao1社が独占しています。日韓国市場はKakao抜きでは制することができないというのが日本との大きな違いです。

中国は多くの違いがあります。大きなところでは技術的インフラの部分でしょう。とても複雑なのです。アプリを配信するアップストアが複数存在することや、様々なデバイスに対応させなければならないなどが挙げられます。


Q7、今回のリードインベスターであるガンホーは、どのようにKamcordをサポートするのでしょうか。

彼らは、どのようにゲームの分野で成功するのかを知っている上に、素晴らしいコミュニティを構築しています。アプリ内でどのように良好なコミュニティを構築するのか、ゲーマーが何に気を払っているのか、相互に理解を深めることができる点は我々にとって強力なアドバンテージだと考えています。DeNAを例に他の投資家にも言及すると、彼らはデベロッパーとのミートアップを主催し、70ものデベロッパーを集めてくれました。このような機会を通じて効率よく日本市場で我々のプロダクトを広げることができるのです。


Q8、先日Amazonに$970Mで買収されたPCゲームの配信プラットフォームTwitchについてお伺いします。なぜ、Twitchはあなた達のようにモバイルゲームの分野に参入してこなかったのでしょうか。

彼らにこのスペース(モバイルの分野)を取ることはチャレンジングだと思います。我々は10人のチームを総動員して約2年半年このスペースの事業に注力してきました。一方、Twitchがチーム内の10人を割いてモバイル向けの動画配信のプロダクトをはじめるには時間とコストがかかり過ぎます。サンフランシスコの人件費の高さで、10人をアサインさせるのは簡単なことではありませんしね。

また彼らは長らくYouTubeと競う必要がありました。YouTubeはストリーミング動画を配信するプラットフォームでは世界で1番支配的なプレイヤーです。彼らはYouTube対策に気を取られていたのでしょう。PCにフォーカスし過ぎて、モバイルの可能性を見落としていたのかもしれません。

また、彼らのスペースはライブストリーミングです。彼らのモデルはモバイルの分野では機能しないと考えています。なぜなら、モバイルでゲームをプレイする人はバスに乗っている2-3分だけプレイするなどプレイ時間が細切れだからです。もし、Twitchがこの分野に最適化させるプロダクトを作るには、彼らのサービスそのものを変える必要があります。ウェブサイトやチャット機能、デザイン、ライブのコンセプトそのものなど。

そして、我々は素早く動くことに注力してきました。なぜなら、Twitchやロビー、Everyplay、CyberZなどの競合がこの分野の可能性に気づき我々を追ってくる可能性があるからです。ただ、我々が早いスピードで資金を調達し、採用を進め、多くのパートナーシップを素早く獲得できれば、他のプレイヤーはこのスペースに参入することが難しくなるでしょう。なぜなら我々のパートナーは大手ゲーム会社で多くのユーザーを抱えており、既にKamcordを導入している。この事実は、Twitchをはじめ多くのプレイヤー参入する余地がないことを意味します。パズドラのユーザーは既に100を超えるビデオをKamcordで配信しているのです。彼らは今さら他のプロダクトにスイッチする理由がありません。このような理由で我々は現在モバイルの分野で№1ですし、今後も№1であり続けることを確信しています。


Q9、アジアでどのように初期のデベロッパーとユーザーを獲得したのですか。

DeNAがオーガナイズしてくれたようなミートアップを通じて、そしてIVSや東京ゲームショウをはじめとしたメジャーなカンファレンスには全て足を運びました。マーケティングよりも対面で人と会うことに注力しています。20-30のトップゲーム会社に直接会う方が、広告を出すより効率的にデベロッパーにアクセスできます。これはゲームの業界だけではないと思いますが、デベロッパーを獲得するにはソーシャルプルーフが重要です。ナムコやバンダイが我々のプロダクトを採用したとなったら、グリーが使い出し、gumiが使い出し、といった感じで広まっていくのです。彼らは小さいゲームから導入をはじめてみて、その感触が良いと、ブレイブフロンティアなどのビックタイトルにも採用を決めてくれます。

ユーザーサイドは、ゲーム会社と共に伸ばしていくことが多いです。我々のコミュニティマネージャーはユーザーにとって最高のコミュニティを構築すべく注力しています。例えば、ブレイブフロンティアで実施したコンテストです。もしコンテストで優勝すれば、100以上のジャム(ゲーム内でのポイント)を手に入れることができる。時にはそれがiTunesカードだったりします。また、マイ・トーキング・トムというゲームでは、Kamcordアイドルというキャンペーンを実施しました。このようにゲーム会社と共にユーザーを獲得しています。


Q10、Android端末からの流入が急激に伸びているとお伺いしました。なぜですか。

シリーズAを調達した6ヶ月前、iOSが占めるユーザーの割合は90%を超えていました。現在ではその割合がAndroidとiOSで半々といった状態です。

主な要因は3つあります。1つは目は、Androidのチームを強化したこと。2つ目は、ここ最近はアジアにフォーカスしてきたこと。彼らはiOSのデバイスよりもAndroidデバイスを多く持っていますからね。3つ目は、ディベロッパーと良好な関係を築いてきたことがあげられると思います。今までiOSのみでゲームを開発してきたデベロッパーがAndroidを作り出すことがあります。マイ・トーキング・トムが良い例で、彼らは長らくiOSでしかゲームを開発していませんでしたが、最近マイ・トーキング・アンジェラというゲームをAndroidにも配信しはじめました。


Q11、一見すべて順調そうに見えますが、今1番チャレンジングなことは何ですか。

現在我々はこの分野でリーディングカンパニーですが、№1であり続けることが1番難しいと考えています。多くの競合が現れるため、世界の中で1番のプレゼンスを保つのは難しいと日々感じます。我々は米国、日本、中国、韓国の全ての国でベストな会社であり続けたい、複数の国で1番であり続けることは最も難しいことです。あと、来年は大手のゲーム会社とのパートナーシップ提携を今まで以上に進めていくことになるのですが、一方でユーザーサイドのエンゲージを高めることにも注意を払う必要があります。そのバランスがとても難しです。


Q12、最後にお約束の質問なのですが、Googleから買収提案はありますか?(笑) GoogleはTwitchの買収を試みたのですが、Amazonと競った末に買収を逃しました。次は、Kamcordの買収に関心を示すはずです…。

答えられません(笑)。我々は、独自で大きくなれる最後の最後まで独立していたいのです。買収されることには興味はありません。

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約半年で20倍成長のKamcordがガンホーなどから$15Mを調達、『TwitchがKamcordの分野に参入しない理由』とは



2014年5月に、DeNAやKLab Venturesなどから$7.1Mを調達したモバイルゲームの配信プラットフォームのKamcordが同年12月に新たな調達ラウンドを迎えた。今回の調達額は$15M、リードインベスターは日本のトップゲーミング会社のガンホーだ。この資金調達に伴いKamcordの共同創業者であるAditya Rathnam氏にショートインタビューを行った。Kamcordは著名アクセラレーターのY Combinator出身で、これまでにAndreessen HorowitzやGoogle VenturesなどのトップVCから資金を調達しているチームだ。先日、Kamcordで配信されている動画の本数が大手のTwitchを超えたことを発表した。Kamcordの過去記事はこちら、①プロダクトについて、②日本オフィス開設について

TwitchがKamcordの分野に参入しない理由と、本格的なアジア展開



Q1、新たな発表があるとお伺いしました。その内容についてお話しいただけますか。

我々は6ヶ月前にシリーズAの資金調達を行い、その後驚異的な成長を記録し続けています。具体的な数字に言及すると、Kamcordのプラットフォームにアクセスするデバイスの数が前回の調達から20倍になりました。今後も順調な伸びを記録する見立てがあり、今すぐ資金が必要というわけではありません。ただ、更に攻めの姿勢でこの分野で世界を取りたいと考えているので、我々は次のラウンドを調達することに決めました。

今回は、シリーズBで$15Mの調達です。リードインベスターは日本のゲーム会社のガンホー、他にはテンセント、Wargamingというゲーム業界のビック3がこのラウンドに参加しています。ご存知の通り、ガンホーは日本で1番大きなゲームパブリッシャーです。パズル&ドラゴンは、Kamcordのプラットフォームで配信されているゲームの中ではじめて$1Bのレベニューを生んだタイトルです。クラッシュオブクランよりも早かったことに言及するとこの凄さが分かるでしょう。また、テンセントは中国で1番大きなゲームパブリッシャーです。また、モバイルという括りを外すと、レベニュー面では世界で1番のパブリッシャーになります。次がMicrosoftというと、こちらも凄い数字であるということがお分かりいただけると思います。そして、Wargamingは、人気タイトルのWorld of Tanksをはじめとする人気タイトルを含めると、全世界で1億人規模のユーザーを抱えているゲーム会社です。特にロシアがユーザーベースではダントツだそうです。このようなビック3と組めることは、我々がグローバルで強固なプレゼンスを確立するために相当強力なものになると考えています。


Q2、今回のラウンドに参加したのは、その3社だけですか。

いえ、前回のラウンドに参加をしていたTransLink Capital、Hiro Mashita氏の会社であるM&Y Growth Partners、またRedditの創業者であり会長のAlexis氏などが参加しています。ビック3以外で今回のラウンドに参加したのは以下の方々です。 TransLink Capital, M&Y Growth Partners, Merus Capital, XG Ventures, Reddit Executive Chairman Alexis Ohanian, Garry Tan, Aaron Iba, Harj Taggar, Dror Shimshowitz, and Marc Williamson。


Q3、今後は中国をはじめアジアの市場に進出する計画ですか。

はい、現在アジア諸国の中でフォーカスしているのは日本市場です。先日発表したように日本にオフィスを開設しました。今後は、テクニカルサポートを担当するエンジニアも採用する予定です。そして、しばらくは日本の市場に注力していきます。コミュニティーマネージャーを通じて、もう少し日本のオーディエンス向けにローカライズしていく必要があると考えているからです。例えば、日本のオーディエンスがアプリを開いたら、日本のコンテンツが配信されており、日本語でコメントができるといったような感じです。

そして、2015年には中国と韓国にオフィスを開設しようと考えています。ただ、まずは日本の市場でダントツの№1になることに集中していきたいです。日本を制した後、中国や韓国といったアジア諸国の展開に注力していきます。


Q4、中国、韓国への展開はどのように進んでいるのですか。

弊社代表のMattは韓国に先月訪れ、現地の主要カンファレンスに参加してきました。我々がアジアの国に展開する際の戦略は、まずその国の最大のカンファレンスに足を運び、ゲーム関係の人と会い話しをします。そして、その国で我々の事業の可能性があるのかを判断し、十分なポテンシャルがあると判断した場合にその国でのオペレーションをスタートさせるのです。既に知り合いもいる状態なので、オペレーションをスタートさせ易いですからね。その際に、正しい人にアプローチする必要があるので、その辺りは1番気をつけています。


Q5、アジアでは日本が1番の市場ですか。

はい、Kamcordのユーザーの流入は3分の1のユーザが米国、3分の1がアジア(主に日本)、残りはヨーロッパやインド、サウスアメリアの国々といった割合です。


Q6、アジアにプロダクトを展開する上で、日本・韓国・中国の間で違いを感じるところはどこでしょうか。

ひとつ大きな違いは、日本には多くのビックプレイヤーが存在することです。一方、韓国の市場はKakao1社が独占しています。日韓国市場はKakao抜きでは制することができないというのが日本との大きな違いです。

中国は多くの違いがあります。大きなところでは技術的インフラの部分でしょう。とても複雑なのです。アプリを配信するアップストアが複数存在することや、様々なデバイスに対応させなければならないなどが挙げられます。


Q7、今回のリードインベスターであるガンホーは、どのようにKamcordをサポートするのでしょうか。

彼らは、どのようにゲームの分野で成功するのかを知っている上に、素晴らしいコミュニティを構築しています。アプリ内でどのように良好なコミュニティを構築するのか、ゲーマーが何に気を払っているのか、相互に理解を深めることができる点は我々にとって強力なアドバンテージだと考えています。DeNAを例に他の投資家にも言及すると、彼らはデベロッパーとのミートアップを主催し、70ものデベロッパーを集めてくれました。このような機会を通じて効率よく日本市場で我々のプロダクトを広げることができるのです。


Q8、先日Amazonに$970Mで買収されたPCゲームの配信プラットフォームTwitchについてお伺いします。なぜ、Twitchはあなた達のようにモバイルゲームの分野に参入してこなかったのでしょうか。

彼らにこのスペース(モバイルの分野)を取ることはチャレンジングだと思います。我々は10人のチームを総動員して約2年半年このスペースの事業に注力してきました。一方、Twitchがチーム内の10人を割いてモバイル向けの動画配信のプロダクトをはじめるには時間とコストがかかり過ぎます。サンフランシスコの人件費の高さで、10人をアサインさせるのは簡単なことではありませんしね。

また彼らは長らくYouTubeと競う必要がありました。YouTubeはストリーミング動画を配信するプラットフォームでは世界で1番支配的なプレイヤーです。彼らはYouTube対策に気を取られていたのでしょう。PCにフォーカスし過ぎて、モバイルの可能性を見落としていたのかもしれません。

また、彼らのスペースはライブストリーミングです。彼らのモデルはモバイルの分野では機能しないと考えています。なぜなら、モバイルでゲームをプレイする人はバスに乗っている2-3分だけプレイするなどプレイ時間が細切れだからです。もし、Twitchがこの分野に最適化させるプロダクトを作るには、彼らのサービスそのものを変える必要があります。ウェブサイトやチャット機能、デザイン、ライブのコンセプトそのものなど。

そして、我々は素早く動くことに注力してきました。なぜなら、Twitchやロビー、Everyplay、CyberZなどの競合がこの分野の可能性に気づき我々を追ってくる可能性があるからです。ただ、我々が早いスピードで資金を調達し、採用を進め、多くのパートナーシップを素早く獲得できれば、他のプレイヤーはこのスペースに参入することが難しくなるでしょう。なぜなら我々のパートナーは大手ゲーム会社で多くのユーザーを抱えており、既にKamcordを導入している。この事実は、Twitchをはじめ多くのプレイヤー参入する余地がないことを意味します。パズドラのユーザーは既に100を超えるビデオをKamcordで配信しているのです。彼らは今さら他のプロダクトにスイッチする理由がありません。このような理由で我々は現在モバイルの分野で№1ですし、今後も№1であり続けることを確信しています。


Q9、アジアでどのように初期のデベロッパーとユーザーを獲得したのですか。

DeNAがオーガナイズしてくれたようなミートアップを通じて、そしてIVSや東京ゲームショウをはじめとしたメジャーなカンファレンスには全て足を運びました。マーケティングよりも対面で人と会うことに注力しています。20-30のトップゲーム会社に直接会う方が、広告を出すより効率的にデベロッパーにアクセスできます。これはゲームの業界だけではないと思いますが、デベロッパーを獲得するにはソーシャルプルーフが重要です。ナムコやバンダイが我々のプロダクトを採用したとなったら、グリーが使い出し、gumiが使い出し、といった感じで広まっていくのです。彼らは小さいゲームから導入をはじめてみて、その感触が良いと、ブレイブフロンティアなどのビックタイトルにも採用を決めてくれます。

ユーザーサイドは、ゲーム会社と共に伸ばしていくことが多いです。我々のコミュニティマネージャーはユーザーにとって最高のコミュニティを構築すべく注力しています。例えば、ブレイブフロンティアで実施したコンテストです。もしコンテストで優勝すれば、100以上のジャム(ゲーム内でのポイント)を手に入れることができる。時にはそれがiTunesカードだったりします。また、マイ・トーキング・トムというゲームでは、Kamcordアイドルというキャンペーンを実施しました。このようにゲーム会社と共にユーザーを獲得しています。


Q10、Android端末からの流入が急激に伸びているとお伺いしました。なぜですか。

シリーズAを調達した6ヶ月前、iOSが占めるユーザーの割合は90%を超えていました。現在ではその割合がAndroidとiOSで半々といった状態です。

主な要因は3つあります。1つは目は、Androidのチームを強化したこと。2つ目は、ここ最近はアジアにフォーカスしてきたこと。彼らはiOSのデバイスよりもAndroidデバイスを多く持っていますからね。3つ目は、ディベロッパーと良好な関係を築いてきたことがあげられると思います。今までiOSのみでゲームを開発してきたデベロッパーがAndroidを作り出すことがあります。マイ・トーキング・トムが良い例で、彼らは長らくiOSでしかゲームを開発していませんでしたが、最近マイ・トーキング・アンジェラというゲームをAndroidにも配信しはじめました。


Q11、一見すべて順調そうに見えますが、今1番チャレンジングなことは何ですか。

現在我々はこの分野でリーディングカンパニーですが、№1であり続けることが1番難しいと考えています。多くの競合が現れるため、世界の中で1番のプレゼンスを保つのは難しいと日々感じます。我々は米国、日本、中国、韓国の全ての国でベストな会社であり続けたい、複数の国で1番であり続けることは最も難しいことです。あと、来年は大手のゲーム会社とのパートナーシップ提携を今まで以上に進めていくことになるのですが、一方でユーザーサイドのエンゲージを高めることにも注意を払う必要があります。そのバランスがとても難しです。


Q12、最後にお約束の質問なのですが、Googleから買収提案はありますか?(笑) GoogleはTwitchの買収を試みたのですが、Amazonと競った末に買収を逃しました。次は、Kamcordの買収に関心を示すはずです…。

答えられません(笑)。我々は、独自で大きくなれる最後の最後まで独立していたいのです。買収されることには興味はありません。

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