[インタビュー特集] : 500Startups出身の厳選注目スタートアップ (前編) - Shippo, Doorman, Pijon, CultureAlley



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回は500Startups出身の厳選注目スタートアップ特集。500Startupsとはアメリカ、シリコンバレーに本拠点を持つ著名アクセレーターの1つである。2010年に創設され、4年間あまりの期間で、500以上の企業に対して、700回以上の投資を行ってきた。シリコンバレーエリア以外にサンフランシスコとメキシコシティにも拠点を持つ。この記事では、サンフランシスコで500Startupsのプログラミングを受けたShippoDoormanPijonCultureAlleyの4つのスタートアップをピックアップする。さっそく順々に見ていくことにしよう。

(1) Shippo 共同創業者 Simon Kreuz 氏インタビュー 




ShippoはECサイトを運営する中小企業・店舗向けにAPIを提供している。運営側はこのAPIを利用することで各商品を発送する際に最適かつ最安の配達業者を選択することができる。また、買い手側も配達料を抑えることができるため、運営者と買い手の両者にとってメリットが生まれるのがShippoの特徴である。ShippoはSoftTech VCやSlow Venturesなどの優良VCからの資金調達に成功している。

顧客と店舗の両方に、最適の配達手段を



Q1. まずShippoのサービス説明からお願い致します。
ShippoはECサイトの配送を安く、簡単に導入できるようにするAPIを提供しています。25以上の配送会社と提携しており、このAPIを利用することで店舗側は、各々の商品に対して最適・最安の配送会社を選ぶことができます。そのため、ECサイト運営側と買い手の両者にメリットが生まれるサービスがShippoです。


Q2. なぜShippoを始めたのでしょうか。
私達は以前、ECサイトを運営していて海外配送にも対応していました。その際、配送を自分達で手配するのは非常に手間で、とても難しいことに気付いたんです。具体的には、まず流通に関しての知識がないとどうやって配達コストを下げるのかわからないですし、コスト面で最適な配送業者と契約をするのも難しい。FedExやDHL出身の人を探しても、あまりいないですし。これはECサイト運営者にとって、とても大きな問題で、当時はまだ誰も解決してないと思ったため、Shippoの立ち上げを決めました。


Q3. 競合はいるのでしょうか。
競合は主に2社、EasyPostとPostmasterです。この2社もAPIを提供していますが、送料のディスカウントはない状況です。私たちは、送料ディスカウントが差別ポイントとと捉えていますし、ECサイト運営者にとってディスカウントが重要であると考えています。


Q4. 現在クライアントはどのくらいいるのでしょうか。
300のECサイト運営者が使っている状況です(2014年4月時点)。


Q5. なぜ500Startupsに参加しようと思ったのでしょうか。
500Startupsのメンターや同じバッチの仲間達がいるのはすばらしい助けになると感じたからです。実際、お互いに切磋琢磨することでビジネスの展開スピートが早くなります。


Q6. 北米進出を目指す多くの日本のスタートアップがYC、500Startups、Techstarsなどのアクセラレータに入ろうとしたりしています。彼らにアドバイスをいただけないでしょうか。
2つアドバイスがあります。1つ目は、とにかく自分たちがやっているビジネスの価値を突き詰めること。"know your business" というキーワードがありますが、とにかく顧客に対する自分たちの価値に集中して、徹することです。

2つ目は応募する前から起業家やメンターたちとつながって関係をつくること。"connecting with others"、つまり自分たちにとって大事と思える人たちとつながりを作る事です。特に、すでに行きたいアクセレーターに参加している会社との関係は大きなメリットになるでしょう。


Q7. 流通市場には、Amazonのような大企業がいますが、どのように競合していくつもりでしょうか。
Amazonなどの大企業はあまり競合にならないと考えています。なぜならShippoは中小規模のECサイト運営者をターゲットとし、最適な配達サービスを与えたいと考えているからです。


Q8. 流通サービスを行うと、莫大なコストがかかると思われます。どのようにコストを削減しているのでしょうか。
ネットワーク効果がコスト削減に貢献していると思っています。言い換えれば、コストを削減するために、顧客を増やし、とにかく流通量を増やすのが大事。そのため、今は手数料をほとんどとっていません。今後は、一定の流通量に達したら手数料を取り始めようと思っています。


Q9. 前述のような競合はShippoと同じような戦略なのでしょうか。
恐らく違うでしょう。具体的に違いは2つあります。まず競合各社は、とにかく最適な流通システムを構築するためのテクノロジー面に集中していて、ネットワーク効果は考えていないところ。

2つ目は、彼らはまだアメリカ市場しかみてない点。Shippoはすでにヨーロッパ市場に目を向け、いろんな企業とコンタクトを取っています。


Q10. 日本への展開予定はあるのでしょうか。
いまはアメリカ市場を中心に展開していますが、海外進出はもちろん考えています。次はヨーロッパで、ドイツ、フランス、イギリスを予定しています。その後、アジア進出の予定です。実際、East Venturesからの出資も受けていますし、アジア進出にはとても前向きです。


Q11. 現在、海外展開のパートナーを探しているのでしょうか。
海外進出のための関係作りは進めていますね。例えばPalamaxの創業者がShippoに投資しているのですが、彼らはアジアにフォーカスしているため、すごくいい助けになると確信しています。


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(2)Doorman 創業者 Zander Adell インタビュー



Doormanは不在で荷物が受け取れないという不便さを解決するためのサービス。まずオンラインで何かを買うと、最寄りのDoorman専用の集荷場所に運ばれ、後は事前にユーザーが打ち込んでおいた配達日時にDoormanのスタッフが運んでくる。特徴は深夜でも配達可能である点。配達99%にも及ぶ。Doormanは2014年5月に同業他社であったLunaを買収している。

届けられた荷物を確実に、簡単に受け取るための「顧客中心デリバリーサービス」



Q1. 最初にDoormanというサービスについて教えていただけないでしょうか。
Doormanは、荷物配達向けUberです。オンラインで欲しい物を買って荷物が発送されたが、不在票を受け取ったり、週末に配送センターにいったりするという問題が多く起きています。この問題を解決するため、Doormanのアプリで配達スケジュールを設定すれば、簡単に荷物を受け取れるという配達サービスを提供しています。

仕組みとしては、最寄りの集荷場所を登録していただくことで、オンラインサイトで何か商品を購入した際、その集積場に荷物が届きます。荷物が届いたらユーザーに通知が届き、事前に設定されしていただいた時間に荷物をお届けします。また、アメリカでは時間指定配達は一般的にはないですが、Doormanでは1時間単位でスケジュールを設定出来ます。自分で時間を設定しているため、配達率は99%。深夜まで配達可能です。


Q2. サービス提供はサンフランシスコだけでしょうか。現時点では、そうです。


Q3. いつからDoormanから始まったのでしょうか。
正式にローンチしたのは今年(2014年)の1月です。。しかし実際は、1年前から試験運用を始めていて、昨年の8月からはベータ版をリリースしていました。


Q4. なぜDoormanを始めたのでしょうか。
顧客中心のデリバリーシステムを作ろうと思い、Doormanを始めました。大手配達業者であるUPSやFedExは商業的にはすごくいいサービスです。あくまで、オフィスに届けるという意味では。しかし、家に届けてもらうのは大変。ドアの前まで届けるという仕組みは全然ダメです。実際、不在の場合は荷物がマンションの入口、誰でも盗める場所に放ってあります。この問題を解決するためにDoormanを創業しました。


Q5. Doormanのビジネスで一番難しい所は何でしょうか。
多くの方が配送のシステム構築が難しいと思うかもしれません。しかし実際のところは、市場を開拓することが一番大変です。なぜなら前述の通り、時間指定配達はアメリカでは一般的でなく、全く新しいビジネスモデルのため、顧客にこのビジネスモデルに使い慣れてもらわなくてはいけません。

そのためには信頼が必要と考えています。ECサイトで入力する住所をDoormanのものにしてもらわなくてはいけませんし。言い換えれば、配達システム、ドライバー、オペレーションがすばらしいということを理解してもらう必要があります。

顧客からの信頼を得るために行っている施策が2つ挙げられます。まず、登録時にウェルカムギフトを送る。2つ目に、EC系企業との関係づくり、パートナーシップの準備をしている。例えばShopify。Shopifyでは会計時にサードパーティのサービスを提供できます。私達はShopifyの会計時にDoormanのサービスを提供できるように準備しています。


Q6. 日本市場に興味はあるのでしょうか。
もちろんです。将来的に展開していくつもりですよ。


Q7. 次のサービス候補都市はどこになるのでしょうか。
恐らくサンフランシスコの近くの都市から徐々に展開していくでしょう。


Q8. 他の都市に展開するコストは高くないのでしょうか。
Doormanの場合、拡大のコストはあまり高くないと思っています。というのも、ドライバーに時間単位で賃金を払うだけだからです。また、集荷倉庫やパッキング、配送を行うスペースも、それほど大型のものを必要としません。


Q9. 競合はいるのでしょうか。
数多くいます。その中でも、直接競合なのはニュヨークに拠点があるParcelやGoogleの Shopping Express、eBay Now、Walmart To Go、Instacartなどが挙げられます。これら競合サービスはローカルな商品配達のみに対応しています。一方、Doormanはローカルに縛られること無く、どこから商品が来ても配達できるような仕組みになっています。

また、Doormanと同じ問題に取り組んでいるのは、Amazon LockerやSwapbox。荷物をロッカーに預ける仕組みです。自宅まで届けるというやり方とは違いますが、このような競合もいます。


Q10. どうして500Startupsのサンフランシスコバッチに参加したのでしょうか。
参加する以前からしっかりと売上も出ていたのですが、もっと早く成長して資金調達したかったというのが理由ですね。500Startupsは事業を成長させるのに素晴らしい場ですし、VCやシード、エンジェル投資家に精通しています。また、どうやって市場でポジショニングしていくべきかをよく知っています。


Q11. どのようなサポートを500Startupsで受けたのですか。
オフィスや資金はもちろんですが、前述の通り、投資家へのコネクションや著名起業家・投資家が講演をたくさん受けました。例えばエンジェル投資家やマーケティングのプロ、Uber、AirbnbやTwilioの方もいらっしゃいました。彼らからのフィードバックはすごく役に立ちます。加えて言うと、500Startupsのブランドは非常に役立ちましたね。


Q12. 500Startupsのような著名アクセラレータに参加したい日本の起業家向けにアドバイスをいただけないでしょうか。
3つアドバイスがあります。1つは、何かしらの問題を解決することです。言い換えれば、解決したい「顧客の痛み」を見つけること。500Startupsに参加している全ての会社は、それを簡単に説明出来ます。

2つ目は、競合がいることは悪いことではない。「自社のビジネスに競合はいない」という会社も見受けられますが、それは危険信号でしょう。

3つ目。実際にお金を払ってくれる顧客・ユーザーを探すこと。何かしらの問題に困っている顧客がいれば、お金を払ってくれるでしょう。そうでなければ誰もいらないサービスになってしまいます。

500Startupsではハッスルという言葉がよく使われます。ほんの少しの顧客、ほんの少しの売上、未完成のプロダクト・サービス、これがハッスルのシグナルです。つまり、未完成で、ほとんど顧客がいないとしても、たった1ドルだけでも実際に払う顧客がいるということは、そこには大きなチャンスと捉えるべきです。その時点で、アイデアだけの会社とは決定的に違うのですから。


Q13. Doormanも500 Startupsに入る前は売上があったと思いますが、売上が出るまでどのような経験をされたのでしょうか。
最初は友人のためだけにDoormanを試していました。友人がオンランで商品を買うと、私の家に配送してもらう。荷物が届いたらその友人にSMSで連絡して、配達日時はいつが都合いいのか聞いて、自分で車を運転して届けていました。これを6ヶ月続けていましたね。このスモールスタート時に多くの仮説と検証を繰り返した後、規模を拡大して売上をようやく上げられるようになりました。

ちなみに、Doormanでは配達人のためにスケジュールやマップを確認したり、顧客と連絡をとるための従業員向けアプリを準備していますが、そのUXは自分の経験に基づいています。よくドライバーに意見を聞いて、UXをよりよくするように注力しています。また、私自身がいつも現場に近い人間としているように心がけています。


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(3)Pijonの共同創業者 Rob Caucci 氏と Adam Saynuk インタビュー



Pijonの共同創業者であるRob Caucci氏とAdam Saynuk氏にインタビューを行った。Pijonは大学生向けに毎月、学生生活に欠かせないであろうグッズセットが届くというサービス。多くの場合、親が大学生の子供に向けてこの定期購入サービスを利用しており、単なる定期購入サービスではなく、親と子供を結びつけるビジネスになっている。Pijonはニューヨークに拠点を持っており、海外展開も視野に動いているスタートアップである。

ただ商品を届けるのではない。親の「想い」を届けるサービス



Q1. Pijonとはどのようなサービスでしょうか。
Pijonは大学生向けに、毎月ケアボックス(親元を離れた学生に送る、食料などの仕送り)を送るサービスです。食料品や生活必需品、ボディケア用品、ヘルスケア用品、服など、30 - 60ドル分の商品が入っています。

2013年の8月にリリースしてから今までに18,000個のBoxを1,200以上の大学で販売しました。3,700人の学生と2,300人の親が登録しています。(2014年4月時点)


Q2. 競合との差別化ポイントはなんでしょうか。
Pijonが競合他社と違うのは、親子の関係の間に注目している点です。例えばBirchboxは女性が自分のために買って、届いた箱を開けて、満足して終わってしまいます。しかし、Pijonの場合は親から子どもへの思いやりという感情と深い関係があり、商品だけを届けているわけではありません。これが大きな違いだと私達は思っています。


Q3.どのような利用シーンが考えられるのでしょうか。
顧客の82%はプレゼント用です。また顧客の内、67%は親。残りの33%は祖父母や親戚、友達です。ちなみに親の内、85%は母親が購入していますので、顧客全体の半数以上が母親ということになります。。

母親が購入しようと思うきっかけは、とても感情的なものです。例えば、日本からアメリカに留学している子供のように、距離が離れている方がより感情的になる傾向が見受けられます。そのため私達はインドからアメリカに留学に来ている学生の親向けのキャンペーンをやったこともありますね。同じようなキャンペーンを中国や日本などのアジアの国々に置き換えてやろうと企画しています。


Q4. 最初はどのようにプロモーションをしたのでしょうか。
立ち上げ当初は大変でした、2013年の9月には44個の注文しかなかったですし。当時はLivingSocial(クーポンのサービス)を使いました。また、LivingSocialを利用する前から、 Facebook広告を使って、17-19歳の子供がいる親に広告を出しました。効果は非常によく、一人当たりの顧客獲得単価を27ドルまで下げることに成功しました。


Q5.上記以外で、顧客獲得単価が下げるための施策はしたのでしょうか。
Facebook広告以外で言うと、大学や、大学の近くの賃貸の会社とかと提携しました。また、Adwordsも試しました。ちなみに新規顧客の購入平均は65ドルなので、利益が生まれるのはすぐでしたね。


Q6. 一般的な定期購入と、学生生活に合わせた定期購入の違いはなんでしょうか。
普通の定期購入では1カ月か2カ月で購入をやめてしまうというリスクがあります。しかし、アメリカの大学には秋学期・春学期それぞれ4ヶ月あります。そのため学生生活のスケジュールに合わせると4ヶ月分という大きな単位で売るチャンスがあります。なので、ユーザーの平均購入数は4つ以上です。


Q7. 500Startupsのようなアクセラレータに参加したい日本人起業家へアドバイスをいただけないでしょうか。
5つあります。1つは、トラクション。Pijonが500Startupsに採用された時には既に数千個を販売していました。事前にプロダクトをローンチして、実績の証拠を残し、定量的な評価をもつことが重要です。

2つ目は、粘り強さ・しつこさです。昔は本当にたくさん失敗しました。しかし失敗は悪いことではない。失敗は価値があり、学習の機会となります。

3つ目は、プロダクトとマーケットに集中すること。

4つ目は、待たないこと。パーフェクトを待っていてはいけません。昔自分が作っていたプロダクトもひどかったけど、続けていればどんどん改善されます。まだマーケットテストもやっていないなら、それは時間の無駄でしょう。

5つ目は、いろんな人に会うこと。顔が広いことは資産です。継続的に、本当に信頼できる関係を作ることが大事です。


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(4)CultureAlley 共同創業者 Pranshu Bhandari 氏とNishant Patni 氏インタビュー



CultureAlleyはFacebook上のフィードを見ながら言語学習を可能にするためのプラグインを提供している。ゲーミフィケーションの概念を取り入れることで、楽しみながら、かつ日々チェックするFacebook上で言語学習できる点が特徴である。CultureAlleyは共同創業者がインド出身ということもあり、インドにオフィスを構えているグローバルを視野に入れたスタートアップである。

楽しみながら続けられる最高の言語学習環境を



Q1. まずCultureAlleyとはどんなサービスでしょうか。
CultureAlleyはFacebook向けに、言語学習のためのプラグインを提供しています。例えば自分のFacebookフィードを見ながら英語を自然に学べるようになります。毎日見るSNSを学習中の他の言語で読むため、楽しみながら言語を覚えられます。

また、ゲーミフィケーションのシステムも入っていて、たくさん学ぶとゼリー(サービス内の通貨)がもらえるようになります。ゼリーを使うともっとレッスンを受けたり他のユーザーと交流したりできるというインセンティブです。

このサービスはプラグインなので、Facebookだけでなくて他のサイトでも利用出来るようにする予定です。そのため、Wikipedia、BBニュース、TechCrunch、メールなど、普段よく見るものに適応できるのです。


Q2. 現在はいくつの言語に対応しているのでしょうか。
現在は英語、スペイン語、北京語、ポルトガル語に対応しています。


Q3. 有料のサービスなのでしょうか。
今のところ全て無料で使えるようにしています。フリーミアムのモデルにするつもりです。今後は例えば先生とSkypeで話す際は有料とか、学習している言語の人と交流するとかの機能は有料。また、忙しくてヘルプがほしいユーザーには有料で払ってもらうつもりです。


Q4. いま注力してることは何でしょうか。
今はユーザーの獲得にフォーカスしています。例えば5日間連続ログインするとボーナスがもらえたりするという施策も試しました。


Q5. どうやってマーケティングしているのでしょうか。
Facebookのバイラルが主ですね。FacebookページにLikeされれば、その人の友だちにもフィードが流れるため、無料の広告になります。それから、サービスの中で、言語学習をしながら「Facebookでポストしてみよう!」や、「友達を招待してみよう!」というタスクを用意して、ストレス無くマーケティングできる導線を用意しています。このようにCultureAlley自体、とてもソーシャルなコンテンツのため、Facebookでバイラルするのに向いていると考えています。


Q6. ゲーミフィケーションの一貫として使われるゼリーはどのように使えるのでしょうか。
後々、友達と交換したりできるようにする予定です。また、スペシャルなゼリーを用意してプロフィールをカスタマイズできるようにとかもしたいと思っています。とにかく、ユーザーがゼリーを欲しがるような設計にするつもりです。


Q7. 500Startupsの良さはなんだと思われますか。
2つあります。1つ目は、各分野のプロフェッショナルからアドバイスがもらえる点です。例えばゲーミフィケーションや、ソーシャルネットワークのプロフェッショナルなどが挙げられます。

2つ目は、サポート・システムです。500Startupsではプロダクトのサポートもしてもらえるし、マーケティングやキャンペーンなどのユーザー獲得、それから資金調達もサポートもしてもらえます。シリコンバレーは投資を受けるには一番ですし、良いアドバイザーもいっぱいいます。彼らを含めたサポートが素晴らしいと感じました。


Q8. 500Startupsなどのアクセラレータに入りたい日本のスタートアップへのアドバイスをいただけないでしょうか。
3つあります。1つ目は、自分たちの顧客をよく知ること。100人しか使っていないサービスだとしても、どんな人がどうやって使っているのか、どれくらいエンゲージしているのかなど、顧客に関しての詳しい情報を得ることが大事。

2つ目は、パッション。面白いアイデアだからやっている、というだけではなくて、自分達の解決したい問題をよく理解していること。そして、自分達のサービスを必要としてくれる顧客をよく知っていること。

最後は、チーム。チームには多様性と適切性が必要です。チームがインターナショナルで多様性がある以上に、やりたいことに対して適切なスキルセットがないと、上手くいかないでしょう。


Q9. インドでは500Startupsの名前は知られているのでしょうか。
500Startupsはインドでもよく知られていますね。ちなみに私達がいるバッチにはインド出身のチームが2組います。


Q10. インドとアメリカでは文化の違いがあると思いますが、良い面はなんだと思われますか。
良い面は、投資家もメンターも、目の前のことだけでなくて長い目で事業のことを考えてくれるところです。利益を得るには大きく展開しなくてはいけませんが、そこまで行くのにもまず資金が必要。そのため、シリコンバレーの投資家はリスクをとってくれるので、資金面ではすごく助かります。

それから、スタートアップを尊敬する文化があるところが素晴らしいと思います。スタートアップの80%は失敗しますが、ここでは挑戦した人は尊敬されますし、新しいアイデアに対していつもオープンです。


Q11. 女性として困ったことはありましたか。
インドにいた時も含めて、いままで困ったことはありませんでした。理由としては恐らく、IT業界では平等さを大事にしているからでしょう。


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[インタビュー特集] : 500Startups出身の厳選注目スタートアップ (前編) - Shippo, Doorman, Pijon, CultureAlley



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回は500Startups出身の厳選注目スタートアップ特集。500Startupsとはアメリカ、シリコンバレーに本拠点を持つ著名アクセレーターの1つである。2010年に創設され、4年間あまりの期間で、500以上の企業に対して、700回以上の投資を行ってきた。シリコンバレーエリア以外にサンフランシスコとメキシコシティにも拠点を持つ。この記事では、サンフランシスコで500Startupsのプログラミングを受けたShippoDoormanPijonCultureAlleyの4つのスタートアップをピックアップする。さっそく順々に見ていくことにしよう。

(1) Shippo 共同創業者 Simon Kreuz 氏インタビュー 




ShippoはECサイトを運営する中小企業・店舗向けにAPIを提供している。運営側はこのAPIを利用することで各商品を発送する際に最適かつ最安の配達業者を選択することができる。また、買い手側も配達料を抑えることができるため、運営者と買い手の両者にとってメリットが生まれるのがShippoの特徴である。ShippoはSoftTech VCやSlow Venturesなどの優良VCからの資金調達に成功している。

顧客と店舗の両方に、最適の配達手段を



Q1. まずShippoのサービス説明からお願い致します。
ShippoはECサイトの配送を安く、簡単に導入できるようにするAPIを提供しています。25以上の配送会社と提携しており、このAPIを利用することで店舗側は、各々の商品に対して最適・最安の配送会社を選ぶことができます。そのため、ECサイト運営側と買い手の両者にメリットが生まれるサービスがShippoです。


Q2. なぜShippoを始めたのでしょうか。
私達は以前、ECサイトを運営していて海外配送にも対応していました。その際、配送を自分達で手配するのは非常に手間で、とても難しいことに気付いたんです。具体的には、まず流通に関しての知識がないとどうやって配達コストを下げるのかわからないですし、コスト面で最適な配送業者と契約をするのも難しい。FedExやDHL出身の人を探しても、あまりいないですし。これはECサイト運営者にとって、とても大きな問題で、当時はまだ誰も解決してないと思ったため、Shippoの立ち上げを決めました。


Q3. 競合はいるのでしょうか。
競合は主に2社、EasyPostとPostmasterです。この2社もAPIを提供していますが、送料のディスカウントはない状況です。私たちは、送料ディスカウントが差別ポイントとと捉えていますし、ECサイト運営者にとってディスカウントが重要であると考えています。


Q4. 現在クライアントはどのくらいいるのでしょうか。
300のECサイト運営者が使っている状況です(2014年4月時点)。


Q5. なぜ500Startupsに参加しようと思ったのでしょうか。
500Startupsのメンターや同じバッチの仲間達がいるのはすばらしい助けになると感じたからです。実際、お互いに切磋琢磨することでビジネスの展開スピートが早くなります。


Q6. 北米進出を目指す多くの日本のスタートアップがYC、500Startups、Techstarsなどのアクセラレータに入ろうとしたりしています。彼らにアドバイスをいただけないでしょうか。
2つアドバイスがあります。1つ目は、とにかく自分たちがやっているビジネスの価値を突き詰めること。"know your business" というキーワードがありますが、とにかく顧客に対する自分たちの価値に集中して、徹することです。

2つ目は応募する前から起業家やメンターたちとつながって関係をつくること。"connecting with others"、つまり自分たちにとって大事と思える人たちとつながりを作る事です。特に、すでに行きたいアクセレーターに参加している会社との関係は大きなメリットになるでしょう。


Q7. 流通市場には、Amazonのような大企業がいますが、どのように競合していくつもりでしょうか。
Amazonなどの大企業はあまり競合にならないと考えています。なぜならShippoは中小規模のECサイト運営者をターゲットとし、最適な配達サービスを与えたいと考えているからです。


Q8. 流通サービスを行うと、莫大なコストがかかると思われます。どのようにコストを削減しているのでしょうか。
ネットワーク効果がコスト削減に貢献していると思っています。言い換えれば、コストを削減するために、顧客を増やし、とにかく流通量を増やすのが大事。そのため、今は手数料をほとんどとっていません。今後は、一定の流通量に達したら手数料を取り始めようと思っています。


Q9. 前述のような競合はShippoと同じような戦略なのでしょうか。
恐らく違うでしょう。具体的に違いは2つあります。まず競合各社は、とにかく最適な流通システムを構築するためのテクノロジー面に集中していて、ネットワーク効果は考えていないところ。

2つ目は、彼らはまだアメリカ市場しかみてない点。Shippoはすでにヨーロッパ市場に目を向け、いろんな企業とコンタクトを取っています。


Q10. 日本への展開予定はあるのでしょうか。
いまはアメリカ市場を中心に展開していますが、海外進出はもちろん考えています。次はヨーロッパで、ドイツ、フランス、イギリスを予定しています。その後、アジア進出の予定です。実際、East Venturesからの出資も受けていますし、アジア進出にはとても前向きです。


Q11. 現在、海外展開のパートナーを探しているのでしょうか。
海外進出のための関係作りは進めていますね。例えばPalamaxの創業者がShippoに投資しているのですが、彼らはアジアにフォーカスしているため、すごくいい助けになると確信しています。


Shippoのページはこちらから


(2)Doorman 創業者 Zander Adell インタビュー



Doormanは不在で荷物が受け取れないという不便さを解決するためのサービス。まずオンラインで何かを買うと、最寄りのDoorman専用の集荷場所に運ばれ、後は事前にユーザーが打ち込んでおいた配達日時にDoormanのスタッフが運んでくる。特徴は深夜でも配達可能である点。配達99%にも及ぶ。Doormanは2014年5月に同業他社であったLunaを買収している。

届けられた荷物を確実に、簡単に受け取るための「顧客中心デリバリーサービス」



Q1. 最初にDoormanというサービスについて教えていただけないでしょうか。
Doormanは、荷物配達向けUberです。オンラインで欲しい物を買って荷物が発送されたが、不在票を受け取ったり、週末に配送センターにいったりするという問題が多く起きています。この問題を解決するため、Doormanのアプリで配達スケジュールを設定すれば、簡単に荷物を受け取れるという配達サービスを提供しています。

仕組みとしては、最寄りの集荷場所を登録していただくことで、オンラインサイトで何か商品を購入した際、その集積場に荷物が届きます。荷物が届いたらユーザーに通知が届き、事前に設定されしていただいた時間に荷物をお届けします。また、アメリカでは時間指定配達は一般的にはないですが、Doormanでは1時間単位でスケジュールを設定出来ます。自分で時間を設定しているため、配達率は99%。深夜まで配達可能です。


Q2. サービス提供はサンフランシスコだけでしょうか。現時点では、そうです。


Q3. いつからDoormanから始まったのでしょうか。
正式にローンチしたのは今年(2014年)の1月です。。しかし実際は、1年前から試験運用を始めていて、昨年の8月からはベータ版をリリースしていました。


Q4. なぜDoormanを始めたのでしょうか。
顧客中心のデリバリーシステムを作ろうと思い、Doormanを始めました。大手配達業者であるUPSやFedExは商業的にはすごくいいサービスです。あくまで、オフィスに届けるという意味では。しかし、家に届けてもらうのは大変。ドアの前まで届けるという仕組みは全然ダメです。実際、不在の場合は荷物がマンションの入口、誰でも盗める場所に放ってあります。この問題を解決するためにDoormanを創業しました。


Q5. Doormanのビジネスで一番難しい所は何でしょうか。
多くの方が配送のシステム構築が難しいと思うかもしれません。しかし実際のところは、市場を開拓することが一番大変です。なぜなら前述の通り、時間指定配達はアメリカでは一般的でなく、全く新しいビジネスモデルのため、顧客にこのビジネスモデルに使い慣れてもらわなくてはいけません。

そのためには信頼が必要と考えています。ECサイトで入力する住所をDoormanのものにしてもらわなくてはいけませんし。言い換えれば、配達システム、ドライバー、オペレーションがすばらしいということを理解してもらう必要があります。

顧客からの信頼を得るために行っている施策が2つ挙げられます。まず、登録時にウェルカムギフトを送る。2つ目に、EC系企業との関係づくり、パートナーシップの準備をしている。例えばShopify。Shopifyでは会計時にサードパーティのサービスを提供できます。私達はShopifyの会計時にDoormanのサービスを提供できるように準備しています。


Q6. 日本市場に興味はあるのでしょうか。
もちろんです。将来的に展開していくつもりですよ。


Q7. 次のサービス候補都市はどこになるのでしょうか。
恐らくサンフランシスコの近くの都市から徐々に展開していくでしょう。


Q8. 他の都市に展開するコストは高くないのでしょうか。
Doormanの場合、拡大のコストはあまり高くないと思っています。というのも、ドライバーに時間単位で賃金を払うだけだからです。また、集荷倉庫やパッキング、配送を行うスペースも、それほど大型のものを必要としません。


Q9. 競合はいるのでしょうか。
数多くいます。その中でも、直接競合なのはニュヨークに拠点があるParcelやGoogleの Shopping Express、eBay Now、Walmart To Go、Instacartなどが挙げられます。これら競合サービスはローカルな商品配達のみに対応しています。一方、Doormanはローカルに縛られること無く、どこから商品が来ても配達できるような仕組みになっています。

また、Doormanと同じ問題に取り組んでいるのは、Amazon LockerやSwapbox。荷物をロッカーに預ける仕組みです。自宅まで届けるというやり方とは違いますが、このような競合もいます。


Q10. どうして500Startupsのサンフランシスコバッチに参加したのでしょうか。
参加する以前からしっかりと売上も出ていたのですが、もっと早く成長して資金調達したかったというのが理由ですね。500Startupsは事業を成長させるのに素晴らしい場ですし、VCやシード、エンジェル投資家に精通しています。また、どうやって市場でポジショニングしていくべきかをよく知っています。


Q11. どのようなサポートを500Startupsで受けたのですか。
オフィスや資金はもちろんですが、前述の通り、投資家へのコネクションや著名起業家・投資家が講演をたくさん受けました。例えばエンジェル投資家やマーケティングのプロ、Uber、AirbnbやTwilioの方もいらっしゃいました。彼らからのフィードバックはすごく役に立ちます。加えて言うと、500Startupsのブランドは非常に役立ちましたね。


Q12. 500Startupsのような著名アクセラレータに参加したい日本の起業家向けにアドバイスをいただけないでしょうか。
3つアドバイスがあります。1つは、何かしらの問題を解決することです。言い換えれば、解決したい「顧客の痛み」を見つけること。500Startupsに参加している全ての会社は、それを簡単に説明出来ます。

2つ目は、競合がいることは悪いことではない。「自社のビジネスに競合はいない」という会社も見受けられますが、それは危険信号でしょう。

3つ目。実際にお金を払ってくれる顧客・ユーザーを探すこと。何かしらの問題に困っている顧客がいれば、お金を払ってくれるでしょう。そうでなければ誰もいらないサービスになってしまいます。

500Startupsではハッスルという言葉がよく使われます。ほんの少しの顧客、ほんの少しの売上、未完成のプロダクト・サービス、これがハッスルのシグナルです。つまり、未完成で、ほとんど顧客がいないとしても、たった1ドルだけでも実際に払う顧客がいるということは、そこには大きなチャンスと捉えるべきです。その時点で、アイデアだけの会社とは決定的に違うのですから。


Q13. Doormanも500 Startupsに入る前は売上があったと思いますが、売上が出るまでどのような経験をされたのでしょうか。
最初は友人のためだけにDoormanを試していました。友人がオンランで商品を買うと、私の家に配送してもらう。荷物が届いたらその友人にSMSで連絡して、配達日時はいつが都合いいのか聞いて、自分で車を運転して届けていました。これを6ヶ月続けていましたね。このスモールスタート時に多くの仮説と検証を繰り返した後、規模を拡大して売上をようやく上げられるようになりました。

ちなみに、Doormanでは配達人のためにスケジュールやマップを確認したり、顧客と連絡をとるための従業員向けアプリを準備していますが、そのUXは自分の経験に基づいています。よくドライバーに意見を聞いて、UXをよりよくするように注力しています。また、私自身がいつも現場に近い人間としているように心がけています。


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(3)Pijonの共同創業者 Rob Caucci 氏と Adam Saynuk インタビュー



Pijonの共同創業者であるRob Caucci氏とAdam Saynuk氏にインタビューを行った。Pijonは大学生向けに毎月、学生生活に欠かせないであろうグッズセットが届くというサービス。多くの場合、親が大学生の子供に向けてこの定期購入サービスを利用しており、単なる定期購入サービスではなく、親と子供を結びつけるビジネスになっている。Pijonはニューヨークに拠点を持っており、海外展開も視野に動いているスタートアップである。

ただ商品を届けるのではない。親の「想い」を届けるサービス



Q1. Pijonとはどのようなサービスでしょうか。
Pijonは大学生向けに、毎月ケアボックス(親元を離れた学生に送る、食料などの仕送り)を送るサービスです。食料品や生活必需品、ボディケア用品、ヘルスケア用品、服など、30 - 60ドル分の商品が入っています。

2013年の8月にリリースしてから今までに18,000個のBoxを1,200以上の大学で販売しました。3,700人の学生と2,300人の親が登録しています。(2014年4月時点)


Q2. 競合との差別化ポイントはなんでしょうか。
Pijonが競合他社と違うのは、親子の関係の間に注目している点です。例えばBirchboxは女性が自分のために買って、届いた箱を開けて、満足して終わってしまいます。しかし、Pijonの場合は親から子どもへの思いやりという感情と深い関係があり、商品だけを届けているわけではありません。これが大きな違いだと私達は思っています。


Q3.どのような利用シーンが考えられるのでしょうか。
顧客の82%はプレゼント用です。また顧客の内、67%は親。残りの33%は祖父母や親戚、友達です。ちなみに親の内、85%は母親が購入していますので、顧客全体の半数以上が母親ということになります。。

母親が購入しようと思うきっかけは、とても感情的なものです。例えば、日本からアメリカに留学している子供のように、距離が離れている方がより感情的になる傾向が見受けられます。そのため私達はインドからアメリカに留学に来ている学生の親向けのキャンペーンをやったこともありますね。同じようなキャンペーンを中国や日本などのアジアの国々に置き換えてやろうと企画しています。


Q4. 最初はどのようにプロモーションをしたのでしょうか。
立ち上げ当初は大変でした、2013年の9月には44個の注文しかなかったですし。当時はLivingSocial(クーポンのサービス)を使いました。また、LivingSocialを利用する前から、 Facebook広告を使って、17-19歳の子供がいる親に広告を出しました。効果は非常によく、一人当たりの顧客獲得単価を27ドルまで下げることに成功しました。


Q5.上記以外で、顧客獲得単価が下げるための施策はしたのでしょうか。
Facebook広告以外で言うと、大学や、大学の近くの賃貸の会社とかと提携しました。また、Adwordsも試しました。ちなみに新規顧客の購入平均は65ドルなので、利益が生まれるのはすぐでしたね。


Q6. 一般的な定期購入と、学生生活に合わせた定期購入の違いはなんでしょうか。
普通の定期購入では1カ月か2カ月で購入をやめてしまうというリスクがあります。しかし、アメリカの大学には秋学期・春学期それぞれ4ヶ月あります。そのため学生生活のスケジュールに合わせると4ヶ月分という大きな単位で売るチャンスがあります。なので、ユーザーの平均購入数は4つ以上です。


Q7. 500Startupsのようなアクセラレータに参加したい日本人起業家へアドバイスをいただけないでしょうか。
5つあります。1つは、トラクション。Pijonが500Startupsに採用された時には既に数千個を販売していました。事前にプロダクトをローンチして、実績の証拠を残し、定量的な評価をもつことが重要です。

2つ目は、粘り強さ・しつこさです。昔は本当にたくさん失敗しました。しかし失敗は悪いことではない。失敗は価値があり、学習の機会となります。

3つ目は、プロダクトとマーケットに集中すること。

4つ目は、待たないこと。パーフェクトを待っていてはいけません。昔自分が作っていたプロダクトもひどかったけど、続けていればどんどん改善されます。まだマーケットテストもやっていないなら、それは時間の無駄でしょう。

5つ目は、いろんな人に会うこと。顔が広いことは資産です。継続的に、本当に信頼できる関係を作ることが大事です。


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(4)CultureAlley 共同創業者 Pranshu Bhandari 氏とNishant Patni 氏インタビュー



CultureAlleyはFacebook上のフィードを見ながら言語学習を可能にするためのプラグインを提供している。ゲーミフィケーションの概念を取り入れることで、楽しみながら、かつ日々チェックするFacebook上で言語学習できる点が特徴である。CultureAlleyは共同創業者がインド出身ということもあり、インドにオフィスを構えているグローバルを視野に入れたスタートアップである。

楽しみながら続けられる最高の言語学習環境を



Q1. まずCultureAlleyとはどんなサービスでしょうか。
CultureAlleyはFacebook向けに、言語学習のためのプラグインを提供しています。例えば自分のFacebookフィードを見ながら英語を自然に学べるようになります。毎日見るSNSを学習中の他の言語で読むため、楽しみながら言語を覚えられます。

また、ゲーミフィケーションのシステムも入っていて、たくさん学ぶとゼリー(サービス内の通貨)がもらえるようになります。ゼリーを使うともっとレッスンを受けたり他のユーザーと交流したりできるというインセンティブです。

このサービスはプラグインなので、Facebookだけでなくて他のサイトでも利用出来るようにする予定です。そのため、Wikipedia、BBニュース、TechCrunch、メールなど、普段よく見るものに適応できるのです。


Q2. 現在はいくつの言語に対応しているのでしょうか。
現在は英語、スペイン語、北京語、ポルトガル語に対応しています。


Q3. 有料のサービスなのでしょうか。
今のところ全て無料で使えるようにしています。フリーミアムのモデルにするつもりです。今後は例えば先生とSkypeで話す際は有料とか、学習している言語の人と交流するとかの機能は有料。また、忙しくてヘルプがほしいユーザーには有料で払ってもらうつもりです。


Q4. いま注力してることは何でしょうか。
今はユーザーの獲得にフォーカスしています。例えば5日間連続ログインするとボーナスがもらえたりするという施策も試しました。


Q5. どうやってマーケティングしているのでしょうか。
Facebookのバイラルが主ですね。FacebookページにLikeされれば、その人の友だちにもフィードが流れるため、無料の広告になります。それから、サービスの中で、言語学習をしながら「Facebookでポストしてみよう!」や、「友達を招待してみよう!」というタスクを用意して、ストレス無くマーケティングできる導線を用意しています。このようにCultureAlley自体、とてもソーシャルなコンテンツのため、Facebookでバイラルするのに向いていると考えています。


Q6. ゲーミフィケーションの一貫として使われるゼリーはどのように使えるのでしょうか。
後々、友達と交換したりできるようにする予定です。また、スペシャルなゼリーを用意してプロフィールをカスタマイズできるようにとかもしたいと思っています。とにかく、ユーザーがゼリーを欲しがるような設計にするつもりです。


Q7. 500Startupsの良さはなんだと思われますか。
2つあります。1つ目は、各分野のプロフェッショナルからアドバイスがもらえる点です。例えばゲーミフィケーションや、ソーシャルネットワークのプロフェッショナルなどが挙げられます。

2つ目は、サポート・システムです。500Startupsではプロダクトのサポートもしてもらえるし、マーケティングやキャンペーンなどのユーザー獲得、それから資金調達もサポートもしてもらえます。シリコンバレーは投資を受けるには一番ですし、良いアドバイザーもいっぱいいます。彼らを含めたサポートが素晴らしいと感じました。


Q8. 500Startupsなどのアクセラレータに入りたい日本のスタートアップへのアドバイスをいただけないでしょうか。
3つあります。1つ目は、自分たちの顧客をよく知ること。100人しか使っていないサービスだとしても、どんな人がどうやって使っているのか、どれくらいエンゲージしているのかなど、顧客に関しての詳しい情報を得ることが大事。

2つ目は、パッション。面白いアイデアだからやっている、というだけではなくて、自分達の解決したい問題をよく理解していること。そして、自分達のサービスを必要としてくれる顧客をよく知っていること。

最後は、チーム。チームには多様性と適切性が必要です。チームがインターナショナルで多様性がある以上に、やりたいことに対して適切なスキルセットがないと、上手くいかないでしょう。


Q9. インドでは500Startupsの名前は知られているのでしょうか。
500Startupsはインドでもよく知られていますね。ちなみに私達がいるバッチにはインド出身のチームが2組います。


Q10. インドとアメリカでは文化の違いがあると思いますが、良い面はなんだと思われますか。
良い面は、投資家もメンターも、目の前のことだけでなくて長い目で事業のことを考えてくれるところです。利益を得るには大きく展開しなくてはいけませんが、そこまで行くのにもまず資金が必要。そのため、シリコンバレーの投資家はリスクをとってくれるので、資金面ではすごく助かります。

それから、スタートアップを尊敬する文化があるところが素晴らしいと思います。スタートアップの80%は失敗しますが、ここでは挑戦した人は尊敬されますし、新しいアイデアに対していつもオープンです。


Q11. 女性として困ったことはありましたか。
インドにいた時も含めて、いままで困ったことはありませんでした。理由としては恐らく、IT業界では平等さを大事にしているからでしょう。


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