スマホの充電器問題を解決するDoblet - 創業者Doktor Gurson氏へのインタビュー



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回はDobletの共同創業者兼CEOのDoktor Gurson氏にインタビューを行った。Dobletはバーやレストランなどの身近な店舗に専用モバイル充電器を支給しており、ユーザーはそれら充電器を使ってモバイル端末を充電できる。また、Dobletは、アプリを通じてバッテリーが切れそうになったら最寄りの提携店舗の場所を知らせてくれる通知機能を搭載している。一方、店舗サイドは貸出の際に生まれる利益をDobletとシェアできることに加え、充電器目的の来店を増やすことができるという仕組みだ。著名アクセラレーターY Combinator出身のチームで、SoftTech VCやJeff Schox氏などの著名投資家から資金調達を行っている。

充電器を持ち歩かない世界を目指す




Q1. まずはDobletの説明からお願い致します。
Dobletはオンデマンド式の充電サービスです。サービス内容としては、まず、スマートフォンのバッテリーが無くなりそうになったら、Doblet専用の充電器が置いている最寄りの店舗を、アプリを通してユーザーに通知します。その後、ユーザーは店舗に行って充電すれば完了です。

料金は、1回の充電だけですと3ドル、年間契約で30ドルいただければ、1年間どこでも、何度でも充電できるようになってます。


Q2. 競合はいますか。
直接の競合はいないと考えています。なぜなら他の充電器とは違い、Doblet充電器は機能性がいいからです。例えば、ワイヤレス充電を行う場合、充電台にずっと置いておくため、電話を自由に操作できなくなります。その他の充電器を使う場合も、充電中は電話が固定されてしまうか、コンセントの近くでないと充電できません。

その点で、Dobletはポータブルタイプなので、充電中もストレス無く電話を操作できます。また、前述のように、バッテリーがなくなりそうになったらアプリで知らせるというコミュニケーションシステムが差別化ポイントとなっています。


Q3. 日本市場に興味はおありでしょうか。
もちろんです。日本は世界でも第2の市場と捉えておい、すでに日本人投資家数人とはコンタクトをしています。


Q4. サンフランシスコ以外の都市でもサービス展開するのでしょうか。
将来的にはその予定です。まず、これから数ヶ月はDobletを軌道に乗せるため、サンフランシスコを中心にサービスを集中していきます。その後、アメリカ国内の各都市にサービス展開をし、そしてアメリカ国外にも展開しようと考えています。


Q5. どのようにして店舗との提携数を増やしているのでしょうか。
店舗への営業は比較的容易です。というのも、例えばどのバーテンダーに聞いても、毎日10 -15人くらいから充電器を貸してくれと頼まれて困っているそうです。その点、無償でDobletの充電器を提供し、かつ利益が配当されるという私達のビジネスモデルには多くの店舗が賛同してくれました。


Q6. 店舗側と顧客側のそれぞれにとってのメリットはなんでしょうか。
店舗側のメリットは、小型の充電器を設置しているだけでいいという点です。多くのバーがボックス型のように、場所をとるような充電器を持ち合わせています。この不便をDobletなら解決できます。

顧客側の大きなメリットは、アプリを通じて来る通知機能によって、バッテリーがなくなりそうになったら最寄りの充電器を教えてくれる点でしょう。


Q7. どの程度の店舗と現在提携しているのでしょうか。
これまでの10週間ほどで、360の店舗と提携し、毎月100店舗ずつ提携先が増えています。


Q8. 次にサービス展開する都市はどこでしょうか。
確定ではありませんが、予定としてはニューヨーク、ロサンゼルス、そしてシカゴです。理由としては、人口密度や需要を計算した上で選んでいます。


Q9. 国外にサービス展開するとしたらどこでしょうか。
主に、インド、ドイツ、イギリス、トルコ、そして日本などでしょうか。まずは各国の市場を分析して、パートナーを探していく予定です。


Q10. Doblet端末などのハードウェア面の開発経験はお有りだったのでしょうか。
実は私のバックグラウンドはほとんどがソフトウェアです。そのため、Dobletはよりソフトウェアに力を入れていますね。ハードウェアは目的を達するための手段だと考えていますし。


Q11. Dobletのアイデアはどのように思いつかれたのでしょうか。
アイデアの原点はバーでした。ある日、バーでお酒を飲んでいた時、私はスマートフォンを自分の外部充電器で充電していました。そしたら酒をおごってやるからバッテリーを貸してくれと二人同時に言われたんです。その後よくよくバーテンダーに聞いてみると、いつも充電器を客にわざわざ貸していると話してくれました。この時、バーを含め多くの店舗で充電問題が取り巻いていることに気づき、Dobletの案にたどり着きました。


Q12. 著名投資家からの資金調達に成功しているDobletですが、資金調達の秘訣は何かあるのでしょうか。何か意識されたことはありますか。
私達がどういう問題をどのように解決しようとしているのかを理解させること。言い換えれば、私達の取り組んでいることに対して、ものすごく興味を持ってくれるように投資家との会話を持っていくべきです。

ちなみに、投資家がまさしく同じ問題を抱えているとすぐに理解してくれます。Softtech VCのCharles Hudson氏は、同じようにバッテリー問題を抱えていて、すぐに私達が取り組んでいることを理解してくれました。このように、投資家全員を説得する必要はありませんが、理解させるように話を持っていく必要はあります。


Q13. DobletはYコンビネータ(以下YC)に所属していましたが、YCで最も役立った点はなんだったのでしょうか。
ネットワークが一番大きかったです。同期のファウンダー同士とのつながりや、パートナーとのつながり、全てのつながりが役に立っています。


Q14. YCのパートナーから受けたアドバイスで印象的なものはなんだったのでしょうか。
とにかく早く作れというアドバイスが印象的でした。ハードウェアとソフトウェアのどちらを先につくればいいのかという問題に直面していた時期でもありましたが、とにかく両方作って、早くリリースしてマーケットの反応を見ろというアドバイスは振り返ればすごく有益なものでした。


Q15. YCに入るための秘訣などはあるのでしょうか。
YCが重視する点が3つあります。1つは、YCはチームの規模感や連帯感を重視します。共同創業者同士のこじれから多くのスタートアップが潰れることを知っているので、特に共同創業者同士のチームワークを特に見ています。2つ目が市場の大きさ。そして3つ目が長く続けれるほどの熱意があるのかです。


Q16. いまの共同創業者とはどのように会われたのですか。
私の共同創業者とはソフトウェアの開発キャンプで出会いました。そして彼が16才という若さで大学を卒業し、20歳でUCLAのMBAコースを履修、全米で2番目に若く博士号をとっていたことを知りました。この経歴から、彼が技術面とビジネス面の両方を兼ね添えた人材であるとわかり、すぐにコンタクトをとりました。


Q17. どのような人をDobletは雇うのでしょうか。
評価基準は2つあります。1つは、私達の専門領域である充電器の開発分野における専門家であること。そしてもう1つが、一緒に仕事を楽しく、ずっと取り組んでいけるのかです。


Q18. プロトタイプを作る上で苦労されたことはなんだったのでしょうか。
プロトタイプを作る際、いくつかの外注先と話をしたのですが、結局彼らにとっても作るのが難しいとわかり、自分達でほとんど取り組みました。当時は人材も足りていなかったので、苦労しました。


Q19. これからDobletはどのようになっていくと思われますか。
テクノロジーの進歩と共に、これからバッテリー持続時間は長くなるでしょう。しかし、いずれにしても充電器は必要です。そんな中、Dobletはどこへ行っても充電できるような最高のプラットフォームを提供するビジネスになっているでしょう。


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スマホの充電器問題を解決するDoblet - 創業者Doktor Gurson氏へのインタビュー



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回はDobletの共同創業者兼CEOのDoktor Gurson氏にインタビューを行った。Dobletはバーやレストランなどの身近な店舗に専用モバイル充電器を支給しており、ユーザーはそれら充電器を使ってモバイル端末を充電できる。また、Dobletは、アプリを通じてバッテリーが切れそうになったら最寄りの提携店舗の場所を知らせてくれる通知機能を搭載している。一方、店舗サイドは貸出の際に生まれる利益をDobletとシェアできることに加え、充電器目的の来店を増やすことができるという仕組みだ。著名アクセラレーターY Combinator出身のチームで、SoftTech VCやJeff Schox氏などの著名投資家から資金調達を行っている。

充電器を持ち歩かない世界を目指す




Q1. まずはDobletの説明からお願い致します。
Dobletはオンデマンド式の充電サービスです。サービス内容としては、まず、スマートフォンのバッテリーが無くなりそうになったら、Doblet専用の充電器が置いている最寄りの店舗を、アプリを通してユーザーに通知します。その後、ユーザーは店舗に行って充電すれば完了です。

料金は、1回の充電だけですと3ドル、年間契約で30ドルいただければ、1年間どこでも、何度でも充電できるようになってます。


Q2. 競合はいますか。
直接の競合はいないと考えています。なぜなら他の充電器とは違い、Doblet充電器は機能性がいいからです。例えば、ワイヤレス充電を行う場合、充電台にずっと置いておくため、電話を自由に操作できなくなります。その他の充電器を使う場合も、充電中は電話が固定されてしまうか、コンセントの近くでないと充電できません。

その点で、Dobletはポータブルタイプなので、充電中もストレス無く電話を操作できます。また、前述のように、バッテリーがなくなりそうになったらアプリで知らせるというコミュニケーションシステムが差別化ポイントとなっています。


Q3. 日本市場に興味はおありでしょうか。
もちろんです。日本は世界でも第2の市場と捉えておい、すでに日本人投資家数人とはコンタクトをしています。


Q4. サンフランシスコ以外の都市でもサービス展開するのでしょうか。
将来的にはその予定です。まず、これから数ヶ月はDobletを軌道に乗せるため、サンフランシスコを中心にサービスを集中していきます。その後、アメリカ国内の各都市にサービス展開をし、そしてアメリカ国外にも展開しようと考えています。


Q5. どのようにして店舗との提携数を増やしているのでしょうか。
店舗への営業は比較的容易です。というのも、例えばどのバーテンダーに聞いても、毎日10 -15人くらいから充電器を貸してくれと頼まれて困っているそうです。その点、無償でDobletの充電器を提供し、かつ利益が配当されるという私達のビジネスモデルには多くの店舗が賛同してくれました。


Q6. 店舗側と顧客側のそれぞれにとってのメリットはなんでしょうか。
店舗側のメリットは、小型の充電器を設置しているだけでいいという点です。多くのバーがボックス型のように、場所をとるような充電器を持ち合わせています。この不便をDobletなら解決できます。

顧客側の大きなメリットは、アプリを通じて来る通知機能によって、バッテリーがなくなりそうになったら最寄りの充電器を教えてくれる点でしょう。


Q7. どの程度の店舗と現在提携しているのでしょうか。
これまでの10週間ほどで、360の店舗と提携し、毎月100店舗ずつ提携先が増えています。


Q8. 次にサービス展開する都市はどこでしょうか。
確定ではありませんが、予定としてはニューヨーク、ロサンゼルス、そしてシカゴです。理由としては、人口密度や需要を計算した上で選んでいます。


Q9. 国外にサービス展開するとしたらどこでしょうか。
主に、インド、ドイツ、イギリス、トルコ、そして日本などでしょうか。まずは各国の市場を分析して、パートナーを探していく予定です。


Q10. Doblet端末などのハードウェア面の開発経験はお有りだったのでしょうか。
実は私のバックグラウンドはほとんどがソフトウェアです。そのため、Dobletはよりソフトウェアに力を入れていますね。ハードウェアは目的を達するための手段だと考えていますし。


Q11. Dobletのアイデアはどのように思いつかれたのでしょうか。
アイデアの原点はバーでした。ある日、バーでお酒を飲んでいた時、私はスマートフォンを自分の外部充電器で充電していました。そしたら酒をおごってやるからバッテリーを貸してくれと二人同時に言われたんです。その後よくよくバーテンダーに聞いてみると、いつも充電器を客にわざわざ貸していると話してくれました。この時、バーを含め多くの店舗で充電問題が取り巻いていることに気づき、Dobletの案にたどり着きました。


Q12. 著名投資家からの資金調達に成功しているDobletですが、資金調達の秘訣は何かあるのでしょうか。何か意識されたことはありますか。
私達がどういう問題をどのように解決しようとしているのかを理解させること。言い換えれば、私達の取り組んでいることに対して、ものすごく興味を持ってくれるように投資家との会話を持っていくべきです。

ちなみに、投資家がまさしく同じ問題を抱えているとすぐに理解してくれます。Softtech VCのCharles Hudson氏は、同じようにバッテリー問題を抱えていて、すぐに私達が取り組んでいることを理解してくれました。このように、投資家全員を説得する必要はありませんが、理解させるように話を持っていく必要はあります。


Q13. DobletはYコンビネータ(以下YC)に所属していましたが、YCで最も役立った点はなんだったのでしょうか。
ネットワークが一番大きかったです。同期のファウンダー同士とのつながりや、パートナーとのつながり、全てのつながりが役に立っています。


Q14. YCのパートナーから受けたアドバイスで印象的なものはなんだったのでしょうか。
とにかく早く作れというアドバイスが印象的でした。ハードウェアとソフトウェアのどちらを先につくればいいのかという問題に直面していた時期でもありましたが、とにかく両方作って、早くリリースしてマーケットの反応を見ろというアドバイスは振り返ればすごく有益なものでした。


Q15. YCに入るための秘訣などはあるのでしょうか。
YCが重視する点が3つあります。1つは、YCはチームの規模感や連帯感を重視します。共同創業者同士のこじれから多くのスタートアップが潰れることを知っているので、特に共同創業者同士のチームワークを特に見ています。2つ目が市場の大きさ。そして3つ目が長く続けれるほどの熱意があるのかです。


Q16. いまの共同創業者とはどのように会われたのですか。
私の共同創業者とはソフトウェアの開発キャンプで出会いました。そして彼が16才という若さで大学を卒業し、20歳でUCLAのMBAコースを履修、全米で2番目に若く博士号をとっていたことを知りました。この経歴から、彼が技術面とビジネス面の両方を兼ね添えた人材であるとわかり、すぐにコンタクトをとりました。


Q17. どのような人をDobletは雇うのでしょうか。
評価基準は2つあります。1つは、私達の専門領域である充電器の開発分野における専門家であること。そしてもう1つが、一緒に仕事を楽しく、ずっと取り組んでいけるのかです。


Q18. プロトタイプを作る上で苦労されたことはなんだったのでしょうか。
プロトタイプを作る際、いくつかの外注先と話をしたのですが、結局彼らにとっても作るのが難しいとわかり、自分達でほとんど取り組みました。当時は人材も足りていなかったので、苦労しました。


Q19. これからDobletはどのようになっていくと思われますか。
テクノロジーの進歩と共に、これからバッテリー持続時間は長くなるでしょう。しかし、いずれにしても充電器は必要です。そんな中、Dobletはどこへ行っても充電できるような最高のプラットフォームを提供するビジネスになっているでしょう。


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