サンフランシスコの駐車問題を解決する駐車代行サービスのVatler - 共同創業者Hamza Ouazzani Chahdi氏へのインタビュー



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回は、Vatlerの共同創業者のHamza Ouazzani Chahdi氏にインタビューを行った。Vatlerはオフィスワーカ向けのバレットパーキング(以下駐車代行)サービスである。著名アクセラレーターY Combinator出身のチームで、著名エンジェル投資家からの資金調達に成功している。

駐車代行サービスで駐車問題に取り組む




Q1. まずVatlerの説明からお願い致します。
Vatlerはオフィスまでドライブをするビジネスマン向けの駐車代行サービスです。サンフランシスコには20万の人がいて、ほとんどの方が駐車スペースを探すのに苦労されています。Vatlerはビジネスマンにターゲットを絞ってこの駐車問題を解決するためにサービスを展開している形です。サービス内容としては、顧客はオフィスまでドライブをするだけでよく、そこからの引き継ぎ(駐車・配車)はこちらで全て承ります。また、追加サービスとして、洗車サービスなども提供しています。


Q2. 料金はどの程度かかるのでしょうか。
基本的にはバレット手配料で10ドル、そして1時間当たりの駐車で5ドルをいただいています。また、上記の料金とは別に30ドルで洗車サービスを用意しています。


Q3. 他のバレットパーキングサービスとの違いはなんでしょうか。
ターゲット層を1つに絞っている点です。前述の通り、オフィスワークをするビジネスマンに絞ってサービス提供しています。理由としては、ターゲットユーザー層を絞ることで、ターゲットに合わせてサービスを作ることができるのです。具体的には、オフィスの場所は 事前に決まっているので、ユーザーはそのオフィスの住所を最初に設定してもらえれば、それ以降はクリック1つでVatlerを利用できます。つまり、Uberのように毎回場所を設定する必要がないのです。このようにターゲットを絞ることで、ターゲット層にあったアプリの使い方(UI)を提供できるのが大きな特徴となっています。

ちなみにこのターゲット層でしっかりと顧客を得られたなら、ミーティングやイベント向け人にもサービス展開していこうと考えています。


Q4. ユーザー数はどの程度いるのでしょうか。
8月の時点で116車に対して駐車代行サービスを提供しました。ユーザー数としては合計で40ユーザーが利用している状況です(平均で1ユーザーが今までに約3回サービスを利用した計算)。毎週20%ずつ利用者が増えています。


Q5. このアイデアはどのように思いついたのでしょうか。
実はYコンビネータ(以下YC)に入った当時は全く別のアイデアでした。ちなみにそのアイデアというのは、自分の使っている駐車スペースを5ドルで売買できるというものです。しかし、同じようなサービスであるMonkeyParkingが取り締まられたことをきっかけに、ピボット(アイデアを軌道修正)を決意。

ですが、仮にピボットするとしても駐車問題には取り組み続けたいと思っていましたね。その際、駐車代行のアイデアが最もアプローチしやすいと考え、現在のVatlerのアイデアに至った形です。


Q6. Vatlerを始める前は何をされていたのでしょうか。
UC Berkeleyの大学生でした。当時からパーキング市場を専門に研究していて、サンフランシスコの駐車データを基に、どの駐車スポットがいつ空くのかという予測ソフトウェアの開発をしていました。 


Q7. 共同創業者とはどのようにして会われたのでしょうか。
1人はUC Berkeley時代のルームメイトでした。もう一人は私の兄の親友です。私を含め3人がエンジニアです。


Q8. YCではどのような経験をされたのでしょうか。
ユーザー獲得にほとんどの時間を費やしていました。毎週10%のユーザー成長率がYCでは求められます。そのためKPIの伸び率は非常に大切でした。


Q9. YCのパートナはどのようなアドバイスをしたのでしょうか。
 ユーザー伸び率が鈍化していた時も、自分で考えろと言われていましたね。そこでアプリ開発に重視した途端にユーザーが増え始めました。

そのため、印象的なアドバイスはなかったですが、ビジネスに対する「考え方」を学んだという意味ではすごくためになりました。具体的には、たった1つのことに集中するという考え方を学びましたね。


Q10. YCに入るための秘訣はなんでしょうか。
ユーザー数と市場の大きさはとても大切です。これらは必須ですが、それ以上にYCはあらゆる施策をすぐに実行できるような実行力を持つ創業者を探しています。また、データ指向の考えを持ち、技術系の創業者も好まれます。このような創業者になることを目指すのが秘訣と言えるでしょう。


Q11. 応募書類を出すまでにどの程度の時間がかかりましたか。
私達の場合は1週間で書類を揃えました。


Q12. アメリカ国外に展開する予定はあるのでしょうか。
もちろんです。特に日本は魅力的な市場だと考えています。すでに日本人投資家を数人知っているため、これからも意識してサービス展開していこうと思っています。

具体的なスケジュール感として、これから約数ヶ月はサンフランシスコで最大の駐車代行サービスを目指し、そこからロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴとアメリカ国内に展開していこうと考えています。その後に日本やイギリス市場に展開を目指します。


Q13. Vatlerの次のステップはなんでしょうか。
前述のとおり、サンフランシスコで一番の駐車代行サービスを目指します。特にオフィスワーカー向けの駐車代行として市場で1番になろうと考えています。その後、ミーティングやイベントなどオフィス以外のケースでも使われるようなサービスとなるようにビジネス展開を目指していく予定です。


Vatlerのページはこちらから

サンフランシスコの駐車問題を解決する駐車代行サービスのVatler - 共同創業者Hamza Ouazzani Chahdi氏へのインタビュー



ベイエリアの起業家インタビューシリーズ。今回は、Vatlerの共同創業者のHamza Ouazzani Chahdi氏にインタビューを行った。Vatlerはオフィスワーカ向けのバレットパーキング(以下駐車代行)サービスである。著名アクセラレーターY Combinator出身のチームで、著名エンジェル投資家からの資金調達に成功している。

駐車代行サービスで駐車問題に取り組む




Q1. まずVatlerの説明からお願い致します。
Vatlerはオフィスまでドライブをするビジネスマン向けの駐車代行サービスです。サンフランシスコには20万の人がいて、ほとんどの方が駐車スペースを探すのに苦労されています。Vatlerはビジネスマンにターゲットを絞ってこの駐車問題を解決するためにサービスを展開している形です。サービス内容としては、顧客はオフィスまでドライブをするだけでよく、そこからの引き継ぎ(駐車・配車)はこちらで全て承ります。また、追加サービスとして、洗車サービスなども提供しています。


Q2. 料金はどの程度かかるのでしょうか。
基本的にはバレット手配料で10ドル、そして1時間当たりの駐車で5ドルをいただいています。また、上記の料金とは別に30ドルで洗車サービスを用意しています。


Q3. 他のバレットパーキングサービスとの違いはなんでしょうか。
ターゲット層を1つに絞っている点です。前述の通り、オフィスワークをするビジネスマンに絞ってサービス提供しています。理由としては、ターゲットユーザー層を絞ることで、ターゲットに合わせてサービスを作ることができるのです。具体的には、オフィスの場所は 事前に決まっているので、ユーザーはそのオフィスの住所を最初に設定してもらえれば、それ以降はクリック1つでVatlerを利用できます。つまり、Uberのように毎回場所を設定する必要がないのです。このようにターゲットを絞ることで、ターゲット層にあったアプリの使い方(UI)を提供できるのが大きな特徴となっています。

ちなみにこのターゲット層でしっかりと顧客を得られたなら、ミーティングやイベント向け人にもサービス展開していこうと考えています。


Q4. ユーザー数はどの程度いるのでしょうか。
8月の時点で116車に対して駐車代行サービスを提供しました。ユーザー数としては合計で40ユーザーが利用している状況です(平均で1ユーザーが今までに約3回サービスを利用した計算)。毎週20%ずつ利用者が増えています。


Q5. このアイデアはどのように思いついたのでしょうか。
実はYコンビネータ(以下YC)に入った当時は全く別のアイデアでした。ちなみにそのアイデアというのは、自分の使っている駐車スペースを5ドルで売買できるというものです。しかし、同じようなサービスであるMonkeyParkingが取り締まられたことをきっかけに、ピボット(アイデアを軌道修正)を決意。

ですが、仮にピボットするとしても駐車問題には取り組み続けたいと思っていましたね。その際、駐車代行のアイデアが最もアプローチしやすいと考え、現在のVatlerのアイデアに至った形です。


Q6. Vatlerを始める前は何をされていたのでしょうか。
UC Berkeleyの大学生でした。当時からパーキング市場を専門に研究していて、サンフランシスコの駐車データを基に、どの駐車スポットがいつ空くのかという予測ソフトウェアの開発をしていました。 


Q7. 共同創業者とはどのようにして会われたのでしょうか。
1人はUC Berkeley時代のルームメイトでした。もう一人は私の兄の親友です。私を含め3人がエンジニアです。


Q8. YCではどのような経験をされたのでしょうか。
ユーザー獲得にほとんどの時間を費やしていました。毎週10%のユーザー成長率がYCでは求められます。そのためKPIの伸び率は非常に大切でした。


Q9. YCのパートナはどのようなアドバイスをしたのでしょうか。
 ユーザー伸び率が鈍化していた時も、自分で考えろと言われていましたね。そこでアプリ開発に重視した途端にユーザーが増え始めました。

そのため、印象的なアドバイスはなかったですが、ビジネスに対する「考え方」を学んだという意味ではすごくためになりました。具体的には、たった1つのことに集中するという考え方を学びましたね。


Q10. YCに入るための秘訣はなんでしょうか。
ユーザー数と市場の大きさはとても大切です。これらは必須ですが、それ以上にYCはあらゆる施策をすぐに実行できるような実行力を持つ創業者を探しています。また、データ指向の考えを持ち、技術系の創業者も好まれます。このような創業者になることを目指すのが秘訣と言えるでしょう。


Q11. 応募書類を出すまでにどの程度の時間がかかりましたか。
私達の場合は1週間で書類を揃えました。


Q12. アメリカ国外に展開する予定はあるのでしょうか。
もちろんです。特に日本は魅力的な市場だと考えています。すでに日本人投資家を数人知っているため、これからも意識してサービス展開していこうと思っています。

具体的なスケジュール感として、これから約数ヶ月はサンフランシスコで最大の駐車代行サービスを目指し、そこからロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴとアメリカ国内に展開していこうと考えています。その後に日本やイギリス市場に展開を目指します。


Q13. Vatlerの次のステップはなんでしょうか。
前述のとおり、サンフランシスコで一番の駐車代行サービスを目指します。特にオフィスワーカー向けの駐車代行として市場で1番になろうと考えています。その後、ミーティングやイベントなどオフィス以外のケースでも使われるようなサービスとなるようにビジネス展開を目指していく予定です。


Vatlerのページはこちらから