販売開始から40分で2万個の商品を売る、韓国製コスメECサイトMemebox創業者Hyungseok Dino Haへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Memeboxの創業者兼CEOであるHyungseok Dino Ha氏にインタビューを行った。Memeboxは、韓国製コスメ製品を取り扱うECサイトだ。米国の著名アクセラレーターであるY Combinatorに初の韓国人創業者チームとして参加した注目のスタートアップである。

1日で$317,000の売上を計上したコスメサイト



Q1. 最初に、プロダクトについて聞かせて下さい。Memeboxはどのようなサービスですか?
韓国でのプロダクトと、アメリカを中心とするグローバル向けで違うプロダクトを展開しているんだ。グローバルマーケットには海外のコスメと韓国のコスメ、グローバルでは現在は44カ国に配送していて、韓国ではバーティカルEコマースを展開しているよ。


Q2. アメリカがメインなマーケットなんですか?

韓国のカスタマーのほうが多いね。韓国から始めて、グローバル展開を始めたのは2014年の初頭からだよ。


Q3. アメリカでは韓国のコスメは人気ですか?

Memeboxは月40%以上の急成長をしているんだ。アメリカの市場ではMemeboxはユニークで、適切なタイミングに、適切な市場に参入することができたと思う。


Q4. 韓国とアメリカでそれぞれどのようなコスメが人気ですか?

人気な商品は地域や、季節によって異なるよ。アメリカではもちろんBBクリームやCCクリームが人気だけど、アジアではもう一般的な商品になってるよね。アジアでは一般的だけど、アメリカでは違う。そのようなギャップが地域によってあるんだ。


Q5. Memeboxと普通のEコマースサイトの違いはなんですか?

アメリカではMemeboxはアジアのコスメに特化した唯一のリテイラーで独自のポジショニングを築けているよ。韓国ではもう少し厳しいけど、Memeboxはシャネルからドラッグストアにある商品までカバーしているという意味でユニークだよ。韓国だけで現在680のパートナーがいるんだ。


Q6. ユーザー数や売上など、トラクションについて伺ってもよろしいでしょうか?

35万ユーザーいて、この数字はEコマースのサービスにしてはまだ大きくはないほうだよ。売上はアメリカで展開を開始してから3ヶ月経った3月時点でパブリックにしてそのとき$1.4Mだったね。また、プライベートブランドとしてアイシャドウの商品を販売したのだけど、販売開始から40分で2万個が売れたんだ。1日で$317,000以上もの売上を計上したことになる。そして、年内には140ものプライベートブランドの商品を販売していく予定だ。


Q7. どのようにこのようなアイディアを思いついたんですか?

テクノロジーの業界で働く前にファッション業界で働いていて、その時にコスメとのつながりも持ったんだ。でも美容の会社をつくるというよりはソフトウェアの会社をつくっているという意識だよ。5人のコアメンバーがいるんだけど、そのうち3人はエンジニアなんだ。共同創業者と自分はエンジニアではないけど、自分たちだけがビジネスの人間だよ。だから美容というよりはソフトウェアドリブンの会社なんだ。


Q8. アジアのスタートアップに向けて、アメリカ市場で成功するためのアドバイスを頂けますか?
韓国からこちらに展開するとき、みんなサポートしてくれなくて、失敗するだろうと言われてたよ。でも、アメリカは世界で一番ビジネスをやるのに適していると思うね。韓国のほうがもっと厳しいよ。なぜなら韓国ではスタートアップがどのようなものかみんな分かっていないからね。こちらではみんなスタートアップのことを理解しているし、タレントも充実しているね。給料は高いけど、それに見合うレベルの人が多いと思ってるよ。


Q9. これまで会った海外からアメリカで事業を行っているスタートアップは自国に開発チームがあることが多かったのですが、そのことに関してどう考えていますか?

それぞれの国にすべての組織の機能があるべきだと思うね。Memeboxの場合はアメリカに来た時小さいチームだったんだけど、エンジニアとデザイナーとプロジェクトマネージャーと自分の4人だったんだ。韓国でのチームはもう1人の共同創業者がマネージしているんだけど、そっちは85人がいて、アメリカでの事業とははっきりと分かれているよ。CEOは私だけど、韓国のオペレーションは完全に共同創業者に任せていて、アメリカは私がみているんだ。


Q10. Y Combinatorでの経験について教えて下さい。一番大きな学びはんでしたか?

Memeboxは韓国出身で初めてのYC参加チームだったんだけど、YCでの経験はとても楽しかったよ。毎週ある目標を達成して、グロースにフォーカスすることができたよ。アメリカのマーケットに適応するためには最適なパートナーだったと思うよ。マーケットへの適応や、紹介などを多くしてくれた。YCのネームバリューも大きいと感じたね。


Q11. YCに入る上で大事なことはなんだと考えますか?

10分の面接があって、チームやトラクションも大事だけど、カルチャーを良く理解することが大切だよ。韓国では比較的謙虚で積極的にアピールしたりすることは少ないけど、アメリカでは、つくろうとしているものをいつも以上にアグレッシブになってアピールすることは大事だよ。Memeboxはすごくクリエイティブなアイディアというわけでもなくて、自分自身もエンジニアやMIT・スタンフォードの卒業生でもなくて、ずば抜けてすごいチームがあった訳でもなかったんだ。でも私はカルチャーを理解していて、何を話すべきか分かっていたつもりだよ。それはとても大事なことだと思うね。YCに申込むときに1分間のビデオがあるんだけど、それで彼らはその部分を判断しているよ。


Q12. 韓国のスタートアップエコシステムについて教えて下さい。

とても良いよ。オフィスも安いし。政府などから資金調達をしたことはないけど、多くの人が支援してくれたよ。カスタマーも良いよ。企業がうまくやっていけるかどうかは外的要因に比べて、内的要因のほうが大きいと思うね。
日本も同じだと思う。日本は人口も多いし、世界でも裕福だし、スタートアップをするのに最も適した国になりうるんじゃないかな?


Q13. 韓国のスタートアップコミュニティについて教えて下さい。

正直韓国のコミュニティにはあまり属していなかったからよく分からないね。韓国のコミュニティはよく分からないけど、Memeboxのチームは週に7日働いていて、ミーティングを週に2, 3回しかしないし、ネットワーキングなんかもしないよ。フォーカスすることをとても大事にしているんだ。


Q14. 日本のマーケットに展開する予定はありますか?

近い将来日本への展開も計画しているよ。既に44カ国に展開していて、その中でもアジアへの積極的な展開をしていて、日本にも力を入れていきたいと考えているよ。

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販売開始から40分で2万個の商品を売る、韓国製コスメECサイトMemebox創業者Hyungseok Dino Haへのインタビュー



ベイエリアの起業家へのインタビューシリーズ。今回は、Memeboxの創業者兼CEOであるHyungseok Dino Ha氏にインタビューを行った。Memeboxは、韓国製コスメ製品を取り扱うECサイトだ。米国の著名アクセラレーターであるY Combinatorに初の韓国人創業者チームとして参加した注目のスタートアップである。

1日で$317,000の売上を計上したコスメサイト



Q1. 最初に、プロダクトについて聞かせて下さい。Memeboxはどのようなサービスですか?
韓国でのプロダクトと、アメリカを中心とするグローバル向けで違うプロダクトを展開しているんだ。グローバルマーケットには海外のコスメと韓国のコスメ、グローバルでは現在は44カ国に配送していて、韓国ではバーティカルEコマースを展開しているよ。


Q2. アメリカがメインなマーケットなんですか?

韓国のカスタマーのほうが多いね。韓国から始めて、グローバル展開を始めたのは2014年の初頭からだよ。


Q3. アメリカでは韓国のコスメは人気ですか?

Memeboxは月40%以上の急成長をしているんだ。アメリカの市場ではMemeboxはユニークで、適切なタイミングに、適切な市場に参入することができたと思う。


Q4. 韓国とアメリカでそれぞれどのようなコスメが人気ですか?

人気な商品は地域や、季節によって異なるよ。アメリカではもちろんBBクリームやCCクリームが人気だけど、アジアではもう一般的な商品になってるよね。アジアでは一般的だけど、アメリカでは違う。そのようなギャップが地域によってあるんだ。


Q5. Memeboxと普通のEコマースサイトの違いはなんですか?

アメリカではMemeboxはアジアのコスメに特化した唯一のリテイラーで独自のポジショニングを築けているよ。韓国ではもう少し厳しいけど、Memeboxはシャネルからドラッグストアにある商品までカバーしているという意味でユニークだよ。韓国だけで現在680のパートナーがいるんだ。


Q6. ユーザー数や売上など、トラクションについて伺ってもよろしいでしょうか?

35万ユーザーいて、この数字はEコマースのサービスにしてはまだ大きくはないほうだよ。売上はアメリカで展開を開始してから3ヶ月経った3月時点でパブリックにしてそのとき$1.4Mだったね。また、プライベートブランドとしてアイシャドウの商品を販売したのだけど、販売開始から40分で2万個が売れたんだ。1日で$317,000以上もの売上を計上したことになる。そして、年内には140ものプライベートブランドの商品を販売していく予定だ。


Q7. どのようにこのようなアイディアを思いついたんですか?

テクノロジーの業界で働く前にファッション業界で働いていて、その時にコスメとのつながりも持ったんだ。でも美容の会社をつくるというよりはソフトウェアの会社をつくっているという意識だよ。5人のコアメンバーがいるんだけど、そのうち3人はエンジニアなんだ。共同創業者と自分はエンジニアではないけど、自分たちだけがビジネスの人間だよ。だから美容というよりはソフトウェアドリブンの会社なんだ。


Q8. アジアのスタートアップに向けて、アメリカ市場で成功するためのアドバイスを頂けますか?
韓国からこちらに展開するとき、みんなサポートしてくれなくて、失敗するだろうと言われてたよ。でも、アメリカは世界で一番ビジネスをやるのに適していると思うね。韓国のほうがもっと厳しいよ。なぜなら韓国ではスタートアップがどのようなものかみんな分かっていないからね。こちらではみんなスタートアップのことを理解しているし、タレントも充実しているね。給料は高いけど、それに見合うレベルの人が多いと思ってるよ。


Q9. これまで会った海外からアメリカで事業を行っているスタートアップは自国に開発チームがあることが多かったのですが、そのことに関してどう考えていますか?

それぞれの国にすべての組織の機能があるべきだと思うね。Memeboxの場合はアメリカに来た時小さいチームだったんだけど、エンジニアとデザイナーとプロジェクトマネージャーと自分の4人だったんだ。韓国でのチームはもう1人の共同創業者がマネージしているんだけど、そっちは85人がいて、アメリカでの事業とははっきりと分かれているよ。CEOは私だけど、韓国のオペレーションは完全に共同創業者に任せていて、アメリカは私がみているんだ。


Q10. Y Combinatorでの経験について教えて下さい。一番大きな学びはんでしたか?

Memeboxは韓国出身で初めてのYC参加チームだったんだけど、YCでの経験はとても楽しかったよ。毎週ある目標を達成して、グロースにフォーカスすることができたよ。アメリカのマーケットに適応するためには最適なパートナーだったと思うよ。マーケットへの適応や、紹介などを多くしてくれた。YCのネームバリューも大きいと感じたね。


Q11. YCに入る上で大事なことはなんだと考えますか?

10分の面接があって、チームやトラクションも大事だけど、カルチャーを良く理解することが大切だよ。韓国では比較的謙虚で積極的にアピールしたりすることは少ないけど、アメリカでは、つくろうとしているものをいつも以上にアグレッシブになってアピールすることは大事だよ。Memeboxはすごくクリエイティブなアイディアというわけでもなくて、自分自身もエンジニアやMIT・スタンフォードの卒業生でもなくて、ずば抜けてすごいチームがあった訳でもなかったんだ。でも私はカルチャーを理解していて、何を話すべきか分かっていたつもりだよ。それはとても大事なことだと思うね。YCに申込むときに1分間のビデオがあるんだけど、それで彼らはその部分を判断しているよ。


Q12. 韓国のスタートアップエコシステムについて教えて下さい。

とても良いよ。オフィスも安いし。政府などから資金調達をしたことはないけど、多くの人が支援してくれたよ。カスタマーも良いよ。企業がうまくやっていけるかどうかは外的要因に比べて、内的要因のほうが大きいと思うね。
日本も同じだと思う。日本は人口も多いし、世界でも裕福だし、スタートアップをするのに最も適した国になりうるんじゃないかな?


Q13. 韓国のスタートアップコミュニティについて教えて下さい。

正直韓国のコミュニティにはあまり属していなかったからよく分からないね。韓国のコミュニティはよく分からないけど、Memeboxのチームは週に7日働いていて、ミーティングを週に2, 3回しかしないし、ネットワーキングなんかもしないよ。フォーカスすることをとても大事にしているんだ。


Q14. 日本のマーケットに展開する予定はありますか?

近い将来日本への展開も計画しているよ。既に44カ国に展開していて、その中でもアジアへの積極的な展開をしていて、日本にも力を入れていきたいと考えているよ。

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